家族のように助け合い、交流するコミュニティ | RYOZAN PARK 大塚

家族のように助け合い、交流するコミュニティ | RYOZAN PARK 大塚
「1つの村」のようなコミュニティーを目指して。年齢も人種も異なる多様な利用者が集うコワーキングスペース「RYOZAN PARK 大塚」。都電荒川線・大塚駅近くにある「RYOZAN PARK 大塚」は、下町ならではの親しみやすさを感じることができるコワーキングスペースです。アメリカ・ワシントンDCで記者経験をもち、スコットランド人の奥さんをもつ代表の竹沢 徳剛さん。夫婦の想いがいっぱい詰まった『RYOZAN PARK 大塚』の設立経緯と特徴についてお話を伺いしました。
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家族のようなコミュニティーをつくりたい。

家のご飯が余ったならば、隣のお宅にお裾分け。小さな子供の面倒をご近所のみんなで見る。そんな風景はひと昔前の日本では当たり前のものでした。ただ、最近はご近所とのコミュニケーションがなくなりつつあると言われています。隣に住んでいる人がどういう人か知らない方も多いことでしょう。

そんな世の中に対し、「皆で助け合い、成長していけばいい」と威勢よく話すのが、「RYOZAN PARK 大塚」代表の竹沢さん。地域内のコミュニケーションが不足している昨今において、多様性に満ち、協力的なコミュニティの育成を目指しています。

「RYOZAN PARK 大塚」の一番の特徴は、年齢、人種、文化の違う様々な人が利用されている点。ともに課題を解決しあう「拡大家族」を作りたいという竹沢さんの想いが強く注ぎ込まれています。

そんな「RYOZAN PARK 大塚」の設立経緯と特徴について、代表の竹沢徳剛さんにお話をお聞きしました。

RYOZAN PARK 大塚』 ワークスペース情報
場所:東京都豊島区南大塚3-36-7 南大塚T&Tビル5F 6F 7F
料金:5階(FOCUS):1室利用料金:80,000円~125,000円(4.9㎡~11.4㎡)
6階(CORE):月12,000円(ロッカー・住所登録等、オプションサービスあり)
体験500円 / 1時間、1,500円 / 終日
7階(FAMILY):月会員30,000円~(託児AM16時間付)
PM会員 月12,000円(12時以降見守り広場利用 12回/月)
お試し利用:親1名 子1名 / 1,500円(12時以降)

営業時間:5階(FOCUS)/ 週7日 24時間利用可能
6階(CORE) / 週7日 6:00~0:00(深夜0時)まで利用可能
7階(FAMILY) / 10:00~16:00
電源: ◯ Wi-Fi: ◯

日本も懐の深い、多様性のある社会になるべきと思う。

Ryozan park竹沢さん

- どのような経緯でRYOZAN PARKを立ち上げようと思ったのですか?

きっかけは5年前の東日本大震災。当時の私はアメリカ・ワシントンDCで記者の仕事をしていました。連日ニュースで流される日本の様子を見て、アメリカにいる自分もアクションを起こさなくてはと思っていたところに同じ想いをもった仲間達と、募金活動を始めたんです。

募金活動を始めると現地の日本人だけではなく、多様な国籍の人が協力してくれました。協力者の姿を見て、アメリカ社会の懐の深さ、多様性を受け入れる姿勢を日本ももっと学ぶべきではないかと感じたのです。

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日本の人口は、少子化の影響もあり今後もどんどん減少していく。おじいちゃん、おばあちゃんばかりの国になってしまいます。そうなると当然、労働力人口も減り、国の経済は傾きますよね。そのため、いつかは日本も懐の深い国になって、国外の優秀な人材を受け入れていかなければならないと思うのです。

そんな想いがふつふつと湧き上がってきて、実験的に何か始めようと。そこで生まれ育った街、東京・巣鴨でシェアハウスを立ち上げたのが「RYOZAN PARK」の始まりです。

シェアハウスを立ち上げてしばらくした後、新しく課題を感じたのが”子育てのあり方”。先ほどの労働力人口の減少、つまり出生率の低下は子供を育てるのが難しい社会であることが原因の一つだと思うのです。

特に仕事に一生懸命取り組んできた女性にとっては、子育てと仕事の両立は難しいのが現実です。そこでRYOZAN PARKが生活の場や空間をシェアするのなら、子育てもシェアしていけばいいじゃないかと思ったんです。

血は繋がっていなくてもみんなで子供の面倒を見るべきだと。そこで子育て機能を備えたコワーキングスペースを設立しようと思い、巣鴨に次いで立ち上げたのがここ「RYOZAN PARK 大塚」なんです。

各階で個性のある3つのフロアが魅力的。

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- RYOZAN PARK 大塚は5階、6階、7階でタイプが異なるフロアが魅力的です。各フロアの説明をしていただけますか?

まず、5階のフロアは2名〜6名が利用可能な個室を備えるフロア。複数人グループで1つの部屋を利用することが可能です。法人登記をされている方々が多く、まさにオフィスとして利用していただいています。もちろん、法人ではない方も利用可能ですよ。週7日24時間利用することが可能で、料金は4.9㎡~11.4㎡の部屋の場合、月80,000円〜125,000円。部屋別料金表はこちら) また、会議室も事前予約をすると利用することができます。

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6階フロアは仕切りのない広々としたフリーアドレススペース。こちらは個人で利用される方向けの場所です。週7日間、6:00〜24:00(深夜0時)まで。月12,000円(メンバー制)。体験1時間500円、終日1,500円で利用可能。(詳細のレイアウトと料金はこちら)利用者にはセキュリティーカードが渡され、営業時間内なら出入り自由となります。もちろん全てではないですが、妻のレイチェル(スコットランド出身)が家具等を故郷から選んで来たので。そのため、どこか英国を感じさせる空間になっているかもしれませんね。

最後に7階が子育て機能付コワーキングスペース。「RYOZAN PARK 大塚」を設立するきっかけとなった”子育てのシェア”を体現している場所です。営業時間は10:00〜16:00まで。完全メンバー制で、9月よりAM2時間託児サービスもスタート。料金はお試し利用で、親1人子供1人で1,500円。(お試しは午後のみ)。スペース内には保育士が見守るなかで自由に遊べるキッズスペースやお昼寝スペース、お子さんに皆で目をかけながら親御さんが作業ができるオフィススペース。キッチンや掘りごたつが完備された和室スペースがあります。(詳しくはこちら

働くママ達の子育ての悩みをみんなで解決する。

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- 設立のきっかけとなった”子育てのシェア”について詳しく聞かせてください。

我々の目指すものに「拡大家族をつくる」というものがあります。血の繋がった自分の子供だけじゃなく、みんなで子供達を育てていく。子育てをしているとママはとにかく時間に縛られます。そのため「仕事ができない!」と悩まれる方は本当に多いんです。誰しも1日は24時間しかないですからね。時間を上手く調節し、やりたい仕事に打ち込めるように、RYOZAN PARKのみんなで子育てと働くを共生させたい親をサポートしていきたいと思います。

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以前よりさらに利用される方々が仕事に打ち込めるように、9月から新しいサービスが加わりました。これまでは「見守り保育」という形でガラス越しにお子さんの様子を見守りながら仕事をするスタイル。しかし、どうしても「ママ!ママ!」とベッタリになったり「居るからこそ気になる」という状況もあり、もう少し仕事に集中できる時間も欲しいという声が上がってきました。そこでママ達の集中時間を確保し「確実に仕事ができる」という見える時間が持てるよう、10:00〜12:00は託児サービスを実施し、6階のオフィススペースで作業することができるようになりました。

大人から子供へ。自然と教育が行なわれる仕組みがある。

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幼少期は、両親の実家が経営する会社へ良く遊びに行き、そこには古くからの従業員の人も多くいて、おじさん、おばさんのように遊んでもらい可愛がられた体験がありました。

子供の教育という観点でもRYOZAN PARKには同じようなことがいえます。「拡大家族」という言葉通り、例えば6階オフィスの利用者でロボットの専門家の方がいて、子供達がロボットのいろんなことをその人に質問したりして。特に男の子はロボット好きですからね。また、外国人の利用者も多く、英語で話しかけたりしてくれているので、生の英語を間近で聞けたりとか。下手に塾に行くより、教育の場になっているかもしれません。(笑)

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RYOZAN PARKの空気感には大塚の立地が関係しているのかもしれません。街を歩いてみると都心に近い割に、下町の雰囲気が根強く残っているのが分かります。近くには700年の歴史がある天祖神社やチンチン電車も(都電荒川線)通っていますしね。あったかい雰囲気が残っている街です。

- 今後はどのようなコワーキングスペースでありたいとお考えですか?

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よく外国の人を日本にお招きする時に「おもてなし」って言うじゃないですか。でも、”もてなしてはいけない”と思うんです。それは、どこか国内と国外で隔たりを作っている。長く付き合っていくにはもっと、自分たちのことをきちんと説明し、日々の生活に巻き込んで関わらせていくべきと考えています。外国の人もいつまでもお客様扱いされるのは嫌だと思いますしね。

これは、どこか他人の子供を見る時に「よその子だから…」って考えるとの同じだと思うんです。一見、優しいようで実は突き放している。他人の子でも面倒を見る社会であることが大事なのではないでしょうか。

RYOZAN PARKでは、今後も「拡大家族」のコンセプトをより強固なものにしていきたい。そして、この場所で皆が集い、交流し、新しいものを生み出すような。ゲームのドラゴンクエストで「ルイーダの酒場」ってあるじゃないですか。あんな感じで新しいものを生み出すことのできる空間でありたいと思います。ちなみに、9月にシェアオフィスの真隣に仲間がアイリッシュパブをオープンしました。子供達をこそだてビレッジに預けて、お母さん同士で「ちょと一杯飲みにいってくる」なんてことが気軽にできたらいいなと思っています。

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(おわり)

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