「仕事の合間に家事」というワークスタイルで、”働く”をあきらめない

「仕事の合間に家事」というワークスタイルで、”働く”をあきらめない
複数の収入源をつくり、ひとつの収入源に依存しない働き方をパラレルワークの定義とする人がいる。それぞれの仕事が有機的に絡み合うという意味合いもあるようだ。複数の仕事を掛け持つフリーランスも、パラレルワーカーのひとつだろうか。主婦はどうだろう。主婦業という言葉があるくらいだから、ひとつの仕事、それも重労働だ。では主婦業とフリーライターを兼業している人は?子育ても仕事も諦めない、新しいワークスタイルの成功事例をご紹介します。
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子どもと一緒にいたい。でも私は働きたい。

新卒で大手ハウスメーカーに就職。住宅営業として右も左もわからぬまま、住宅や不動産など金額の大きな商品取引の世界に身を投じる。そんな新人営業に叩き込まれたのは、お客様にどうすれば喜ばれるかを自分で考えるという働き方。

家を売るために、一人ひとりのお客様に対応できるマニュアルはなかった。お客様の想いをきちんと汲み取り、計画を立て、何よりそれらを正確に分かりやすく伝えることの難しさを痛感する。とにもかくにも「表現する力」が問われる仕事だった。

それを機に「表現する仕事」に挑戦してみたいと感じるようになる。社内結婚をしてハウスメーカーを退職。2人の子どもに恵まれた。しかし、当時まだ乳児だった子どもを育てながらも「仕事をしたい」という内なる思いを募らせる日々。第一歩として、宅地建物取引主任士資格を取得する。「時間がないから無理」と思っていたことでもその気になればできるというヒントを得た。

働くための時間を確保するという考え方。

「育児と家事以外で、自分を表現できる場所がほしい」。一般的にそれを実現するためには、母親が可愛い子どもたちと離れている時間を作る決断をしなければならないことが多い。「保育園に預けさえすれば、仕事ができる。」そう決断さえすれば、自分も同じようにできると思っていた。

しかし、情報を集める中でそれは決して容易なことではないという現実を知る。ママ友達の間で頻繁に話題に上がる保育園の待機児童の話、子どもが熱を出し、仕事を中断して迎えに行った話、子どもがインフルエンザで出席停止になり連日出勤できずに困った話…。

どのお母さんたちも、本当に苦労して「働くための時間を確保」しているようだった。そんな彼女たちを見るたびに、当時専業主婦だった私は自分に問いかけてみた。「私は彼女たちみたいに頑張れるのだろうか」と。自分が頑張ればなんとかなること、頑張ってもどうにもならないこと、この2つを切り分けられるだろうか。自分の問いかけに、首を横に振ることしかできなかった。

家にいながら自分にできる仕事について考える。

職場

私が会社勤めをするという選択肢は、我が家のライフスタイルからも難しいという現実を前に、「子育てしながらできる仕事」を探し、在宅でできる仕事をはじめることにした。

小回りが効きにくい当時の私が引き受けられたのは、本当に本当に小さな案件から。子どもたちを寝かせて、それから仕事をする日々。まさに「家事育児の合間の仕事」で、フリーランスとは言えないような「お小遣い」程度の収入だった。

そうは言っても、小さな子どもたちを抱えながら家事と同時進行で取り組む仕事は、小さな案件と言えども思った以上に労力を要した。与えられた仕事を黙々とこなすだけのスタイルではあったが、家にいながら、子どものそばでできる仕事もあるということが分かったという意味では、私の原点がこの時期にあると思っている。

もっと、伝えたい。もっと、つながりたい。

やがて、乳児だった子どもたちも成長し、幼稚園に。自分一人の時間をもつことができるようになり、趣味のガーデニングを楽しむ時間のゆとりもできた。花や緑を育てるうち、園芸自体を楽しむ一方で花や緑ある暮らしの良さを「発信」して「共有」することの楽しさも覚えるようになる。

「表現すること、伝えること、つながることから、いろいろな可能性が生まれる。」一人でもくもくと小さな案件に取り組んでいた頃から大きく発想を転換し、外に向けての情報発信に注力した。「好き」を最大限に活かし、園芸店でワークショップを開催。

ガーデニング雑誌の取材を受けたり企業から園芸関連の商品開発について相談をいただけるようになり、外の世界とつながることの大切さを実感している。

『家事の合間の仕事』ではなく『仕事の合間の家事』へ

仕事の合間に家事

自宅にワークスペースを構えていると、いつでも仕事に着手することができる一方で、仕事をしていないときにも頭の中は常にニュートラルな状態。家事をしながらもいいアイデアや表現が浮かんだときには、すかさずメモを取り場合によってはPCを立ち上げる。良くも悪くも家事が隣り合わせのワークスペースでの生活は、『家事の合間に仕事』ではなく、『仕事の合間に家事』。

午前中いっぱい仕事をして、お昼休みついでに買い物に行き、午後からまた子どもたちが帰宅するまで仕事をする。習い事の送迎や友達との約束など夕方の子どもの用事にも対応できる。

オフィスワーカーにオフィスワーカーとして整備された素晴らしいワークスペースがある一方で、ママにはママらしいワークスペースがあるはずだと思う。そんなフリーランサーとしての働き方を、もっとたくさんのママに知ってほしいと思っている。

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