40代から始めた、場所を選ばないワークスタイル|病院の待合室、駐車場、空港…地球上のどこにいても働ける

40代から始めた、場所を選ばないワークスタイル|病院の待合室、駐車場、空港…地球上のどこにいても働ける
時間と場所にとらわれない働き方、フリーランス。本当に時間を選ばない?場所の成約は受けない?40代からフリーランスとして働き始めたruahaさんは、時に病院の待合室で、時に介護の合間に、時にパーキングエリアに停めた車中で、フリーライターとして仕事をしていました。自身や家庭の事情がある中で、努力の末に掴んだフリーライターという仕事。時間にも場所にもとらわれない働き方がここにあります。
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クラウドソーシングとの出会いで、人生が変わる

私がクラウドソーシングの存在を知ったのは、4年前。当時の私は「外に出て働きにくい生活」でした。住まいは過疎の地方都市で40代の求人はごくわずか、小さな子供がいると採用が敬遠されます。おまけに我が家には、定期的な通所加療を必要としている子もいました。結婚前に働いていた業種は求人が少ない専門分野で、ブランクのため同じような仕事では再就職できませんでした。そんな折に自分自身にも病魔が襲います。医師からは、手術が避けられないという宣告。

子どもの教育費や、自身の医療費を考えたら働きたい。だけど通勤はできない。内職はそもそも募集が少なく、収入的にも不利すぎ。ランサーズを見つけたのはそんなときでした。

下積み時代が欲しい!介護の合間に執筆でノマドワークも

パソコン

ランサーズにはライターとして登録しています。元々、書くことは学生時代から好きで得意。新聞コラムや雑誌の投稿記事の掲載経験もありました。登録前には携帯小説を書いていて「書くことで何かできそうな感じ」は持ったものの、仕事へとはつながりませんでした。

ライター経験もなく、フリーランスとはどういうものか?も漠然としか分からないスタート。なにかしら「基礎固め」のようなものの必要性を強く感じていた私は、「自分の実力を把握したい」と考え、「タスク」からスタートしました。ランサーズでは「タスク」「プロジェクト」「コンペ」の3つの方式で仕事の受注ができます。この中でタスクは1件100円位から単発の仕事が受注できるスタイルです。制限時間が決まっているのも、自分のタイピング力を試すにうってつけでした。

徐々にお仕事をいただけるようになってくると、次は家事と仕事の配分が課題になりました。それまで自宅限定だった仕事のスタイルを大きく変えたきっかけは、ライター2年目の夏、義母からのSOSです。「身体介助を頼みたい」との連絡に、家族で義母宅へ介護帰省することになりました。飛行機の距離の義母宅へ向かうに当たり思い切って、これまでの仕事で貯めたお金でネットブックを購入しました。義母宅へ向かう途中の移動時間も介護の合間も、休まず執筆を続けることができました。

2週間仕事を休まなければならなかった夫とは対照的な状況に、「クラウドソーシングなら地球規模でも距離感のない仕事ができるんだ」と実感しました。同時に自分はノマドワーク向けのタイプで、比較的騒がしい場所や、自宅以外でも仕事が可能だということも分かりました。

通院・通所治療のスキマ時間も執筆!の通院期間

病院で仕事

病気のせいで貧血が酷かったこと、手術の予約が最短でも半年後だったことから半年後の手術を予約して、病巣を小さくするため、再度毎月通院しながら投薬治療を始めることになりました。

通院先の大学病院は自宅から車で1時間位、診察は午前中のみ完全予約制ですが患者数が多く、通院の日は終日病院になってしまいます。待っている時間がもったいなくて、通院の日は愛用のPCを持参、ちょっと早めに出かけて受付だけ済ませると、構内にあるスタバで無線LANを使って調べ物、待合室での時間もPCをひざの上に執筆をしていました。

診察終了するとお昼頃、その後薬局で薬待ちです。この間にスマホからランサーズのマイページを開いてメッセージをチェック、返信できるものはその場で返信を心がけました。こんな通院状況でしたから、納品日と通院日が重ならないよう気を付けていました。

それでもお馴染みのクライアント様から急なお仕事が入ってくると断り切れず、短い時間さえ惜しくて、子供を迎えに行った駅のパーキングエリアで運転席に座ったままキーを打つことも多かったです。

地方都市で移動しながらノマドワークをしようとすると、通信環境が問題になります。都市と比べると圧倒的に無料の無線LAN環境が乏しいことから、この時期テザリング可能なスマホをMVNOで使うようになりました。連絡手段と、時々家以外で調べ物程度の使用ですが、かなり利便性が上がりました。おかげで10日間の入院中も、お仕事関連のやりとりや執筆ができました。

ワークライフバランス…病気と仕事に悩んだライター3年目の「売り上げ目標」

ライターとして執筆活動を始めた時、実は「3か年計画の売り上げ目標」というのを立てていました。書くことが好きだっただけに、仕事として成立させるためには一種のプライドも必要との思いがあり、経費もきっちりと計上して年収を確実に上げていくことも重要だと考えていたのです。SOHOの本何冊かを参考に、初年度「手取り総額30万」2年目「手取り総額60万」3年目は「売上総額100万、12月末の月収75,000円」の目標を掲げました。時給にして600~800円、初年度は年度途中からの登録だったので月次ごとに目標を決めました。

しかし3年目に入ると、効率UPにも限界が見え、1日に書ける上限も分かってきました。自分が一定以上の量は書けないのであれば、単価を上げてもらわない限りは目標額をクリアできません。かといってクライアント様側にも予算がある以上は、あまり強気の交渉はできないのも分かっています。かなりのプレッシャーとジレンマで辛かったです。夏季は季節労働もあるため受注を抑えたのも、結果として売り上げには大きく響きました。

他方、執筆の質やスキルアップの意味では、この状況はブレイクスルーポイントではありました。追い詰められた状況だからこそ、気づく・できる、という経験は、時間にメリハリを与え、その後の仕事をする上で良い経験にはなりました。

ライター4年目…次の展望に思うこと

趣味と仕事の両立

ライター2年目から、Webライターとして取材のお話をいくつかいただきました。ありがたいことです。月間受注数も増えました。しかし実際に書いたものに自分のライター名を出せるということは少なく、多くは著作権譲渡でのお仕事になっています。「経済的に苦しかったから、とにかく稼ぐことを優先させた」結果でもあるのでしょう。3年目は、わずかに売り上げ目標に届きませんでしたが、3年目を終える前に認定ランサーにランクアップしていただけたことは「努力した甲斐はあったかな?」と嬉しかったですね。

地方都市のフリーランサーという立場で自身を振り返ると、クラウドソーシングという働き方、テレワークと田舎暮らしは馴染みの良いものと感じています。現在の住まいや、周辺環境や風物などは都会にない魅力があります。ただ、地方都市は私が苦労したように、雇用面で子育て世代には厳しい。クラウドソーシングという働き方は、そこを埋めてくれるものだと考えます。また、対面コミュニケーションが苦手な人にとっても、メールやメッセージ中心のやり取りで仕事を進めていく形態には利点もあると感じます。

家庭の事情で転居が多くなる我が家、どこでも仕事ができるクラウドソーシングという働き方は、憧れの物書きへの扉を開いただけでなく「地球上どこだって仕事ができる!」ということを教えてくれました。

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