スポーツ新聞記者の感じる葛藤|フリーライターになって分かった、良い記事の基準とは。

スポーツ新聞記者の感じる葛藤|フリーライターになって分かった、良い記事の基準とは。
全国展開するスポーツ新聞社の記者として、北海道で行なわれる様々な競技を取材してきた塙さん。特に高校野球の地方予選に熱が入り、多くのドラマを目撃してきたそうです。多くのスポーツを取材するうちに、選手や競技へ感情移入していき……。現在は、防災コンサルタント兼フリーランスとして働くベテラン・ライター。記者を辞してから分かった、良い記事とは何なのか。
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全国スポーツ新聞の記者としてスタートしたライター人生

私のライターとしての始まりは、全国スポーツ新聞の北海道での記者でした。

高校野球の地方大会だったり、女子サッカーの黎明期や、中体連、インターハイ予選、それこそありとあらゆる一般スポーツから、スキーアルペン、ジャンプのW杯など、多くのスポーツを経験しました。

中でも高校野球の地方予選には一番惹かれました。1回戦でもいろんな出来事が起こったり、平凡なコールドゲームにもとんでもないドラマが隠されているのです。

反面、北海道には「世界」を意識して戦っている冬季スポーツのアスリート達もいます。こうした「地方」と「世界」の取材対象の振幅の広さが、自分には随分役立ったと感じています。

記者よりも、プレイヤーになってみたい

多くのアスリートが悲喜こもごものゲーム、競技の場面を繰り広げ、スポーツの多くの感動する場面に居合わせることができました。しかし、同時にライターとしては隔絶した気持ちを感じるようになっていきました。

対象とするアスリートにかなり感情的に移入したとしても、しょせんライターは本当の意味で共感することはできないのではないか。彼、彼女らが、送ってきた日常の練習での高揚感、レースでの達成感。ライターがたまに選手と時間を共有しても、同じ世界には入れないのではないか。

デスク業なども多くなり、現場に出ることが少なくなるにつれて、強く感じるようになったのです。ライターは「観察者」です。感じたのは「プレイヤーになってみたい」でした。

もちろん、私自身がスポーツ選手になって競技の世界に入るわけではありません。それは、スポーツに限らずイベント、事業に携わり、直接「当事者」として自分もプレーヤーになりたい思いでした。

ベンチャー企業で働いて

ある時、ご縁があって、あるベンチャー企業の企画担当として働き始めました。「当事者になりたい」との希望があったため、喜んでその世界に入りました。

地球環境に優しい機器の開発製造会社です。オゾン層破壊や地球温暖化問題を解決する機器の開発、製造、販売企画と、多くの会社と交渉し、プレゼン資料を作ってきました。スポーツの世界ではなかったものの、基本的な思考、作業は同じでした。

資料を作るためには、ライターとしての経験が役立ちました。ある意味、プレゼン資料を作ることは、ライターとしての資質を伸ばすことにも役立つかもしれません。読み手にいかに分かりやすく作るか、が何より要求されるからです。ただし、日本社会でベンチャー企業がなかなか育ちにくい土壌も体験しました。

業界の既得権の壁、ベンチャー企業が必ず陥る資本の枯渇、それに対する支援制度の少なさ。なにより、実は一番大きいのはベンチャー側の陥りやすい意識でした。

「いい物なんだから、売れるはずだ」。これが、ベンチャー起業した社長、技術者の基本的な考えです。しかし、世の中の理屈は違うのです。

「いい物が売れるのではなくて、売れるものがいい物」。

マーケットの需要をつかみきれずに、スタートしてしまい、軌道修正できないままつぶれてしまうベンチャーが多いのです。

ライターとして「読まれる物」

趣味は釣り

現在、私はある会社のマンション用の防災対策の事業を手伝っています。地震などの災害が起こった後、マンション内で自活するための生活用水を確保するビジネスです。これも、マンション居住者、管理組合などと話をしながら、欲しいと思われる商品に仕上げる仕事をしています。

最近、こうした商品と読み物の目線は同じなんだと、つくづく感じています。「いい記事が読まれるのではなく、読まれるものがいい記事」と。

今年5月になって、ランサーズに登録して、少しずつ書き始めました。改めて、「情報」は、記事の「部品」だったり「商品」そのものであることを、強く感じています。「物づくりの国」日本の中で、ライターは職人であったり、マーケッターであること。そんな新しいライターが魅力的に思える今日このごろです。

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