「上司から筆耕サービスで取引先へのお礼状を作るように言われた。しかし、依頼の手順や費用の相場がよくわからない」
仕事で筆耕サービスを利用することになり、慌てて情報収集している方もいらっしゃるでしょう。
何でもパソコンで印刷できる昨今、手書きの筆耕サービスを利用する場面は減っています。
しかしお礼状や顧客への手紙など、ここぞという場面での筆耕利用は相手に好印象を与えるチャンスです。
今回は、ビジネスシーンでも活用できる筆耕サービスの内容や依頼の流れ、費用の相場について解説していきます。

筆耕サービスとは?具体的な活用事例をご紹介
筆耕サービスとは、プロが手書きで清書してくれる有償のサービスです。
筆耕サービスの一般的な内容と、ビジネスシーンでの具体的な活用事例をご紹介しましょう。
筆耕サービスの内容
書いてもらう物は各種賞状、挨拶状、結婚式の招待状など。
個人での依頼から会社・各種団体での依頼まで、さまざまな場面で筆耕サービスは活用されています。
また冠婚葬祭のご祝儀袋や香典袋を購入したときに名前や金額を書いてもらうのも、身近な筆耕サービスのひとつです。
何でもパソコンで印刷できる現代において、あえて筆耕サービスを活用するメリットは手書きならではの温かみを伝えられる点にあります。
また賞状や目録の場合は、格調の高さや品格を醸し出すことも可能です。
印刷された文字では感じにくい真心や丁寧さ、品の良さなどをうまく伝えられるのが、手書きの良さと言えるでしょう。
ビジネスにおける筆耕活用事例
ビジネスでも、筆耕サービスを活用できる場面は多いです。
たとえば先述した取引先へのお礼状や、顧客への手紙。
もちろんお礼状も手紙も、パソコンを使えば簡単にきれいな文字を印刷できます。
しかし取引先も顧客も、電子メールやネット広告、新聞、折込チラシなど、日常生活で印刷書類を目にする機会は多いはず。
印刷された文字を見慣れている相手に印刷したお礼状や手紙を送っても、よほど洗練された文章でなければ、目にとめていただくのは難しいでしょう。
その点、手書きであればそれだけで目にとめていただきやすくなります。
このようにビジネスシーンで相手に良い印象を与えたいときこそ、手書きの筆耕サービスを利用するいい機会です。
また社内行事での表彰状などを作成する際も、筆耕サービスを活用できます。
社内での表彰は、従業員への労いと今後も長く活躍してほしい気持ちをこめて設けられる場所。
従業員のモチベーションを高めるためには、たとえ社内行事でも手書きの賞状で慰労を込めることが大切です。
このように、ビジネスシーンで筆耕サービスを利用できる機会は多いです。
あらかじめ筆耕サービスの流れや依頼先を確認しておけば、さまざまな場面で迅速に利用できるでしょう。
筆耕サービス依頼時の流れ
筆耕サービスを依頼するときの流れは、以下のとおりです。
- ①依頼内容を明確にする
- ②依頼先を探し、見積もりを取る
- ③筆耕リストや封筒などを業者に渡す
それぞれ具体的に解説していきましょう。
依頼内容を明確にしておく
何を筆耕してほしいのか、依頼したい内容を明確にしましょう。
具体的には、以下の項目をあわせて伝えておくとスムーズです。
- 利用したい場面
- 書いてほしい文章
- 希望する字体※ビジネスの場合は新字体が一般的
- 筆耕の用紙や封筒の用意はどうするのか
- 依頼枚数
- 希望する納期
- 予算
誰にどのような目的で書くのか、利用する場面や渡す相手はできる限り具体的に伝えましょう。ビジネス利用の場合は、社内で文章の内容をあらかじめチェックしてもらうことも大切です。
事前チェックをしっかりしておけば、筆耕依頼後に上司から駄目だしが入り、やり直しになってしまう手間を防げるでしょう。
希望にあう依頼先を探し、見積もりを取る
依頼したい内容にあう依頼先を探して、複数の業者で見積もりを取ります。
特にビジネス利用の場合は、稟議を取るときに相見積もりが必要になるはずです。
あらかじめ複数の業者を比較して相見積もりを出しておけば、稟議も取りやすいでしょう。
依頼先はインターネットで筆耕代行業者を探すのが一般的ですが、最近ではクラウドソーシングサイトを通じて依頼する方法もあります。
クラウドソーシングサイトとは、特定のスキルを持った個人への依頼を容易にするプラットフォームです。
筆耕の場合は「書道経験があり毛筆やペン字での筆耕ができる人」という内容で募集すれば、個人で対応してくれる依頼先を探せます。
筆耕リストや封筒などを業者へ渡す
筆耕の名簿リストや封筒・用紙などを依頼先の業者に渡します。
ビジネスで個人情報を含むリストを送る場合は、個人情報の取扱いに気をつけ、社内のルールを守るようにしてください。
2017年に全面施行された改正個人情報保護法では「個人情報をデータベース化して事業に利用している事業者」はすべて、同法律の適用対象になっています。
すなわちビジネスで個人情報を取り扱っている事業者はすべて、個人情報の適切な取扱いが義務付けられているのです。
たとえ筆耕の依頼内容が数件レベルであっても、個人の判断で個人情報を含むリストを送れば、厳重注意ではすまない恐れがあります。
筆耕サービスを依頼する前に会社の個人情報取扱いルールを確認しておき、適切な対応を取るようにしてください。
筆耕サービスの費用相場は業者や依頼内容によって異なる
筆耕サービスはお礼状や手紙であれば数百円程度、感謝状など賞状類は5,000円程度が費用の相場です。
ただし依頼する内容や枚数、依頼先の業者によって費用は細かく異なります。
そのため、できる限り複数の業者で見積もりを取るようにしましょう。
ここでは筆耕サービスの利用例ごとの費用をいくつかご紹介します。
費用を抑える方法としてクラウドソーシングの活用事例もご紹介しますので、見積もりを取るときの参考になさってください。
筆耕サービス費用の相場
ここでは筆耕サービスの業者サイトを複数確認し、まとめた費用の相場をご紹介します。あくまで「相場」であり、実際の費用は依頼内容や依頼先の業者によって異なるため、ひとつの例として参考になさってください。
<法人・顧客への挨拶状や手紙、お礼状の本文(1枚ごと)>
100文字まで | 250~300円 |
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200文字まで | 350~400円 |
※用紙代が別途必要です
<法人・顧客への挨拶状や手紙の封筒・はがきの宛名書き(1枚ごと)>
1行 | 100円 |
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2行 | 120~150円 |
3行 | 150~180円 |
※封筒やはがき代が別途必要です
<各種賞状・感謝状の筆耕(1枚ごと)>
全文筆耕 100文字程度(A3/A4/B3/B4) | 3,000円~4,000円 |
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部分筆耕 名前のみ・企業名のみなど | 250円~500円 |
※賞状の用紙代が別途必要です
<各種式典・イベントの謝辞・祝辞・目録>
謝辞・祝辞(原稿用紙1枚分) | 5,000円~10,000円 |
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目録(50文字程度) | 3,000円~5,000円 |
※用紙代・目録代が別途必要です
大量発注時や用紙等を含めての依頼だと、費用はまた変わってきます。
具体的な依頼内容を明確にしたうえで、相見積もりを取るようにしましょう。
発注数や予算に限りがあるなら、クラウドソーシングも利用してみよう
「筆耕サービスを利用したいけど、発注数も少なく予算にも限りがある」という場合は、小規模な依頼もしやすいクラウドソーシングの利用も検討してみましょう。
クラウドソーシングとは、インターネット上で仕事を依頼したい人と依頼を受ける人を結びつけるマッチングサービスです。ランサーズなど登録者数が多いクラウドソーシングサイトを使えば、特定のスキルを持った個人を探しやすいのでおすすめです。
筆耕サービスを依頼する場合は、クラウドソーシングサイト上で「筆耕のスキルを持った人」を募集する必要があります。この場合あくまで「募集する」形になるため、対応してくれる人がすぐ見つかるかどうかはわかりません。しかしもし見つかれば、予算など依頼内容で柔軟な相談ができるかもしれません。
このように発注数が少ない場合などは、柔軟に動きやすい個人を探して依頼するのも、予算を抑える方法のひとつです。
まとめ
筆耕サービスは取引先へのお礼状から顧客へ手紙、社内行事の目録・賞状作成まで、さまざまなビジネスシーンで活用できます。
専門業者やクラウドソーシングサイトで信頼できる依頼先を見つけておけば、いざというときにすぐ依頼できるので安心です。またクラウドソーシングサイトを利用する場合は、多様なスキルを持ったフリーランスが集まるランサーズがおすすめです。
オンラインでのやり取りや印刷文書が飛び交う現代だからこそ、大事な場面で手書きを上手に活用し、好印象を与えられるようにしたいですね。
