動画編集を自社の希望や条件に即した方法で実施できているでしょうか?自社サイトやSNSの公式アカウント、動画共有サイトなどに投稿する動画コンテンツの品質や作成量に不満を感じている方もいるかもしれません。
動画コンテンツのクオリティ向上や作成量を増加させるには、動画編集に関する基礎知識を理解した上で、さまざまなポイントを整理・分析して、自社に最適な動画編集方法を検討する必要があります。
本記事では、動画編集の定義から取り扱う作業範囲・項目、動画編集アプリを選定する際の注意点、おすすめ動画編集アプリの特徴、動画編集を外部委託することで得られるメリットまでを、わかりやすく解説します。

目次
動画編集とは
まず動画編集の定義を示した上で、動画編集の作業範囲と主な作業項目について説明します。
1. 動画編集の定義
動画編集とは、動画素材から不要な部分をカットして、エフェクトやBGM、効果音、テロップなどを追加する、動画コンテンツの作成作業を指します。
2. 動画編集の作業範囲
動画編集の作業範囲には、動画や音声素材の準備から、動画素材のカット・トリミング、各種エフェクトや音楽、テキストの追加、作成した動画の出力を行う書き出しまでが含まれます。
3. 動画編集の主な作業項目
動画編集の基本的な作業には、以下の項目があります。動画編集を始める前に、主な作業項目を確認しましょう。
- 動画素材のカット・トリミング
- 画質調整
- BGM・効果音の追加
- 音量調整
- タイトル・テロップの追加
- 各種エフェクトの挿入
- 動画データを動画ファイルに変換(書き出し)
利用する動画編集アプリを選定する際の6つのポイント
動画編集に使用するアプリを選ぶ際には、以下の6つのポイントを確認しましょう。
- 動画編集に使う端末のOSとスペックへの対応
- 必要な機能の有無
- 操作のしやすさ
- 製品ロゴや透かし表示の有無
- 利用するファイル形式への対応
- セキュリティ対策の充実度
それぞれのポイントについて具体的に説明します。
1. 動画編集に使う端末のOSとスペックへの対応
動画編集に使用するパソコンやスマホなどのOSとバージョンが、アプリのシステム要件に対応していることを確認しましょう。特にバージョンに関しては、動画編集アプリのアップデートによって要件が変更されることがあるので、アプリの公式サイトで最新情報をチェックすることをおすすめします。
2. 必要な機能の有無
主な動画編集アプリは、無料・有料を問わず動画編集の基本機能を備えています。各機能の詳細やテンプレートの充実度などはアプリごとに異なるので、重視する機能についての比較・検討が必要です。
3. 操作のしやすさ
アプリの操作がシンプルで簡単であることは、動画編集を円滑に進めるための重要ポイントです。動画編集アプリの公式サイトで操作方法を確認し、チュートリアルやヘルプページの内容や日本語対応の有無についてもチェックしましょう。
4. 広告やウォーターマーク表示の有無
無料で利用できる動画編集アプリには、編集した動画に広告やウォーターマークと呼ばれる半透明のロゴが表示されるものがあります。無料アプリの利用を検討する際には、広告やロゴ表示の有無を確認しましょう。有料プランへのアップグレードやアプリ内課金によって、これらの表示を削除・非表示にできます。
5. 利用するファイル形式への対応
動画をアップロードするメディアのファイル形式に対応したアプリを選ぶことも、注意点のひとつです。MP4やMOVといった代表的なファイル形式には、ほぼ全ての動画編集アプリが対応しています。無料アプリには、出力できるファイル形式が少ないものもあるので、事前にチェックすべきです。
6. セキュリティ対策の充実度
動画データの破損や不正アクセス、個人情報の流出といったリスクを回避するには、信頼性の高い企業が提供する動画編集アプリを選定しましょう。メンテナンスやセキュリティ対策の実施状況を、アプリの公式サイトで確認することをおすすめします。
おすすめ動画編集アプリ12選
機能の充実度や操作性、提供元の信頼性などを鑑み厳選した、12種類のおすすめ動画編集アプリを紹介します。
- PowerDirector
- Adobe Express
- Lightworks
- OpenShot Video Editor
- iMovie
- DaVinci Resolve 18
- Microsoftフォト
- VideoPad
- Filme
- Movavi Video Editor 2023
- VivaVideo
- InShot
各アプリの特徴や利用料金などを見ていきましょう。
1. PowerDirector
PowerDirectorは、豊富な利用プランを持つ高機能で操作も簡単な動画編集アプリです。テンプレートやBGM、効果音などのフリー素材の充実度は圧倒的で、毎月新しい素材が追加されます。
PowerDirectorの概要は以下のとおりです。
利用料金 | ・PowerDirector Essential:無料 ・PowerDirector 365:6,200円/年 ・Director Suite 365:11,980円/年 ・PowerDirector 365ビジネス:16,800円/年 ・PowerDirector 21 Ultra:12,980円(買い切り) ・PowerDirector 21 Ultimate:16,980円(買い切り) |
対応OS | Windows7、8、8.1、10、11、macOSX10.14以降 |
主な特徴 | ・自由度の高い動画編集を簡単に実施できる ・最新機能を3か月ごとに追加 ・動画テンプレート数:8,300以上 ・写真テンプレート数:9,300以上 |
2. Adobe Express
Adobe Expressは、10万点以上のテンプレートやAdobe Stockの写真素材を使った動画編集を無料で行うことができるアプリです。Adobe Acrobatの機能によって動画ファイルを共有して、共同編集を行うこともできます。
Adobe Expressの概要は以下のとおりです。
利用料金 | ・無料 ・プレミアム:1,078円/月、10,978/年 |
対応OS | Windows8.1 以降、macOS10.13以降、Chromebook、iOS14以降、Android9.0Pie以降 |
主な特徴 | ・テンプレート数:10万以上 ・フォント数:2,000以上 ・Adobe Stockの画像素材を利用できる ・Web版とモバイルアプリの両方で作業可能 |
3. Lightworks
Lightworksは、高品質な動画コンテンツを効率よく作成できる、パソコン向け動画編集アプリです。入力・出力ともに、ほぼ全てのファイル形式に対応しています。
Lightworksの概要は以下のとおりです。
利用料金 | ・Lightworks CREATE:9.99ドル/月 ・Lightworks PRO:23.99ドル/月 |
対応OS | Windows8、8.1、10、macOSX10.11以降、Linux |
主な特徴 | ・スピーディーな作業を実現するタイムライン ・プロキシファイルによるパフォーマンス向上 ・独自のキーボードテンプレート ・音量調整の自動化 |
4. OpenShot Video Editor
OpenShot Video Editorは、動画編集を簡単に実施できるオープンソースの無料アプリです。動画や画像、音声フォーマットのほぼ全てに対応しており、操作方法を覚えやすいタイムラインを採用しています。
OpenShot Video Editorの概要は以下のとおりです。
利用料金 | 無料 |
対応OS | Windows7、8、10以降、macOSX10.15以降、Linux |
主な特徴 | ・リサイズ、スケーリング、トリミング、回転などをシンプルな操作で実施できる ・トラックとレイヤー数の制限なし ・トランジションエフェクト数:400以上 ・豊富な音声編集機能 |
5. iMovie
iMovieは、シンプルな操作で本格的な動画編集ができる、初心者におすすめの動画編集アプリです。iPhoneやiPad上での数回のタップだけで、さまざまな編集作業を実施できます。
iMovieの概要は以下のとおりです。
利用料金 | 無料 |
対応OS | iOS16.0以降、iPadOS16.0以降、macOS Monterey |
主な特徴 | ・スタイルを選択するだけで動画素材を自動編集するマジックムービー機能 ・ビデオテンプレート数:20 ・画像フィルター数:13 ・タイトル、テロップのカスタマイズ可能 ・4K動画に対応 |
6. DaVinci Resolve 18
DaVinci Resolve 18は、ハリウッドの映画・テレビ制作現場で幅広く利用されていることで知られる、高機能の動画編集アプリです。トリミングから仕上げ調整まで、動画制作の全てのプロセスをこのアプリだけで実施できます。
DaVinci Resolve 18の概要は以下のとおりです。
利用料金 | ・DaVinci Resolve:無料 ・DaVinci Resolve Studio:47,980円(買い切り) |
対応OS | macOS10.15 Catalina以降、Windows10 |
主な特徴 | ・特許取得済みのYRGBカラーサイエンス ・高品質なサウンド作成のためのFairlightオーディオ処理 ・複数ユーザーとタイムラインを共有するマルチユーザー・コラボレーション ・テーマ別トレーニングビデオあり |
7. Microsoftフォト
Microsoftフォトは、動画や写真の編集をシンプルな操作で実施できる、Windowsデバイス向けアプリです。基本的な編集機能に加えて、音楽やエフェクトなどを追加することもできます。
Microsoftフォトの概要は以下のとおりです。
利用料金 | 無料 |
対応OS | Windows11 バージョン 22000.0 以降 |
主な特徴 | ・全ての画像・動画をギャラリーに表示 ・OneDriveを用いた動画ファイル共有 ・複数動画間の移動をスムーズに行うフィルムストリップ機能 ・複数画像を比較できるマルチビュー |
8. VideoPad
VideoPadは、簡単なドラッグとドロップ操作で本格的な動画編集作業を行えるアプリです。入力・出力ともにほぼ全ての動画フォーマットに対応しています。
VideoPadの概要は以下のとおりです。
利用料金 | ・無料(非営利目的での利用のみ) ・マスター版:195ドル(買い切り) ・ご家庭版:129ドル(買い切り) ・マスター版3か月プラン:7.72ドル/月 |
対応OS | Windows10、XP、Vista、7、8、8.1、11、macOSX 10.5以降、iOS 6.0以降 |
主な特徴 | ・エフェクト数:50以上 ・DVDへの書き込み可能 ・3D動画編集、2Dから3Dへの変換可能 ・フリー音楽素材をダウンロードできる音声ライブラリ |
9. Filme
Filmeは、初心者からプロまでの幅広い利用者のニーズに対応する簡単で高機能な動画編集アプリです。無料版のみ、編集した動画に透かしが表示されます。
Filmeの概要は以下のとおりです。
利用料金 | ・無料 ・月間ライセンス:2,380円/月 ・年間ライセンス:3,280円/年 ・永久ライセンス:5,280円(買い切り) |
対応OS | Windows7、8、8.1、10、macOSX10.10~15 |
主な特徴 | ・ワンクリック編集機能 ・動画テンプレート数:50以上 ・フリー音楽素材数:200以上 |
10. Movavi Video Editor 2023
Movavi Video Editor 2023は、直感的に利用できる操作画面と機能の豊富さに定評がある動画編集アプリです。豊富なフリー素材やテンプレートに加え、プロのクリエイターが制作した有料コンテンツも提供されています。
Movavi Video Editor 2023の概要は以下のとおりです。
利用料金 | ・1年ライセンス:5,700円/年 ・永続:8,300円(買い切り) ※7日間の無料体験あり(透かし表示あり) |
対応OS | Windows7、8、10、11 |
主な特徴 | ・操作方法を理解しやすいインターフェイス ・豊富なフィルター、エフェクト ・AIによる背景やノイズ除去機能 |
Movavi Video Editor 2023の公式サイト
11. VivaVideo
VivaVideoは、手軽な操作で動画編集を実施できるスマホ向けアプリです。編集した動画には透かし表示がありますが、アプリ内課金によって削除できます。
VivaVideoの概要は以下のとおりです。
利用料金 | 無料(アプリ内課金あり) |
対応OS | iOS12.0以降、iPadOS12.0以降、Android5.0以降 |
主な特徴 | ・スライドショー作成機能 ・動画テンプレート数:100以上 ・フリー音楽素材数:500以上 ・音声変換機能 |
12. InShot
InShotは、主要SNSや動画投稿サイトに対応したアスペクト比の動画を簡単に編集できるアプリです。編集した動画には透かしと広告が表示されますが、アプリ内課金によって消すことができます。
InShotの概要は以下のとおりです。
利用料金 | 無料(アプリ内課金あり) |
対応OS | iOS11.0以降、iPadOS11.0以降、macOS11.0以降、Android6.0以降 |
主な特徴 | ・動画内に別の動画や写真を追加するピクチャー・イン・ピクチャー機能 ・テキストや絵文字の追加 ・豊富な効果音、フィルターを提供 |
動画編集を外部委託することで期待できる3つのメリット
動画編集を外部のプロに委託することで得られる主なメリットには、以下の3つがあります。
- 社内の負担軽減
- 作成する動画本数の増加
- 動画のクオリティ向上
それぞれの概要について説明します。
1. 社内の負担軽減
動画編集に精通したプロに委託することによって、社内スタッフの負担を軽減できます。将来的には社内で動画編集を行いたいという希望がある場合は、動画編集のスキルやノウハウを社内に蓄積する方法について委託先に相談しましょう。
2. 作成する動画本数の増加
高度なスキルを持つプロは、高品質な動画を効率よく編集します。これまで試行錯誤を繰り返しながら編集してきた動画を迅速に作成できるようになり、自社メディアやSNSに投稿する動画本数の増加を実現できます。
3. 動画のクオリティ向上
動画編集のプロは、動画のテーマや目的に合った編集手法を選択し、依頼者と動画を視聴するユーザーから高く評価される動画コンテンツの作成に取り組みます。プロの手による高品質な動画は、自社のブランディングやプロモーションなどに役立つものです。
動画編集の委託先を検討する際の3つのポイント
動画編集に関する課題や疑問の相談先や業務委託先を選ぶ際のポイントには、以下の3点があります。
- 委託先の担当実績と保有スキル
- 費用やスケジュールなどの条件が自社の希望と合致している
- コミュニケーションのとりやすさ
1つずつ詳しく説明していきます。
1. 委託先の担当実績と保有スキル
動画編集の外部委託を検討する際には、Web上に公開された情報を詳細に確認して、自社の業界や商品、動画の題材などに関連する実績を豊富に持つ委託先を選定しましょう。課題解決に役立つスキルを持っていることも、重要なチェックポイントです。
2. 費用やスケジュールなどの条件が自社の希望と合致している
費用やスケジュールなどの具体的な条件が、自社の希望と合致する委託先を選ぶ必要があります。
ランサーズには動画編集関連のパッケージが多数出品されています。パッケージごとに作業範囲や条件は異なりますが、検索上位のパッケージの料金から算出した、動画編集の費用相場は以下のようになります。
業務内容 | 費用相場 |
5~10分の動画編集(企画提案から編集まで) | 1万~3万円 |
30分程度の動画編集(企画提案から編集まで) | 3万~6万円 |
3. コミュニケーションのとりやすさ
相談対応から見積作成、受注、作業、納品までを全て自分自身で担当する、経験豊富なフリーランスの多くは、高度なコミュニケーションスキルや柔軟な対応力を備えています。
自社の課題を理解した上で、希望に即した解決策を提示・実践する動画編集のプロを、ぜひランサーズで見つけてください。
自社に最適な動画編集の方法を探ってブランディングや販売促進に役立てましょう
本記事では、動画編集の作業項目や動画編集アプリの選定ポイント、おすすめアプリの特徴、動画編集の外部委託に関する重要点などを解説しました。ここで取り上げた情報を参考にしていただき、動画を活用したブランディングやプロモーション活動を実践してください。
動画編集に関して、自社での解決が難しい場合は、ランサーズで活動する動画編集のプロへの相談をおすすめします。
