ウェビナーは、Web上で行われるオンラインのセミナーを意味します。対面でのセミナーに比べ簡単に開催できるウェビナーは、顧客獲得のための重要なツールとなりつつあります。
しかし事前準備やフォローアップなど開催までに必要な業務は多く、自社で開催するには人的コストや経験不足などが課題になることも多いのではないでしょうか。
そういったときに活用したいのがウェビナーの運営代行です。集客や配信などの開催支援サポートを活用すれば、コストを削減しつつ満足度も効果も高いウェビナーが開催できます。

目次
ウェビナー運営代行の依頼前に確認しておきたいポイント
ウェビナー運営代行を依頼する前に、自社のリソースやウェビナーの目的、集客目標、配信日などを決めておきましょう。依頼時にこれらの情報を提示できれば、運営方法や代行内容もより具体的になり、イメージ通りのウェビナーを開催できます。
自社に足りない経験・マンパワーを確認
ウェビナー運営代行をすべて依頼するのは簡単ですが、その分多くの費用も必要です。どういった内容を依頼するのか確定するためにも、自社に足りない経験や、開催に対応できるマンパワーを確認しておきましょう。
例えば、講師対応や当日の司会は自社で対応できるが、集客や配信の経験がないということであれば、当日配信に関する技術的なサポートを依頼すればよいことになります。
自社ではどの業務が対応可能で、通常業務に支障がない範囲で対応できるマンパワーはどのくらいあるかを確認しておきましょう。
ウェビナーの目的とマーケティングプラン
ウェビナーの運営代行を依頼するにせよ、自社開催にせよ、最初に考えておくべきことが、ウェビナーの目的とマーケティングプランです。
なぜウェビナーを開催するのかという開催の目的を明確にしておかなければ、内容も集客ターゲットも決まりません。
資料請求などの問い合わせを増やすためなのか、または商談申込を増やすためなのかなど、目的をまず明確にします。さらにその目的を達成するために必要なターゲット選定やウェビナーの内容、集客方法などのマーケティングプランを決めておきましょう。
ウェビナー開催時の集客目標
ウェビナーの目的達成のためにどのくらいの集客が必要かについても考えておきましょう。ウェビナーの目的が成約数であれば、成約数目標と成約率から集客目標が算出できます。
世界的なコンテンツマーケティングの調査ツールであるバズスーモ(BuzzSumo)は「平均してウェビナー視聴率の20%が有料顧客に転換する」という調査結果を発表しています。つまり満足度の高いウェビナーであれば20%前後の成約率があることが世界的な定説です。
例えば、10件の成約が目標で、参加者数の20%の成約率とすれば、
目標集客数×0.2=目標成約数10件
なので、50人以上の集客が目標となります。
配信日と配信頻度
ウェビナーの目的とターゲットが決まれば、準備までにかかる期間やターゲットが参加しやすい日などが把握できるため、具体的な配信日が決まります。
また、定期的な配信を予定する場合は、準備を無理なくできる配信頻度も検討しておきましょう。
ウェビナーの運営代行会社の選び方
ウェビナーの運営代行の依頼先を検討するには、実績や体制などのほか利用を検討しているソフトウェアについて熟知しているか、配信機器が十分か、などを確認します。
対面型のセミナーに対し、オンラインで実施するウェビナーでは必要な機材が準備できるかどうかが、成功のための重要なポイントです。
ウェビナーの代行実績の数や規模
運営代行を依頼する先を選ぶ際は、実績だけでなく代行したウェビナーの規模も確認しておきましょう。
ウェビナーではセミナー自体の運営だけでなく、使用する機材操作や通信に関する知識など専門的な知識や技術が必要です。さらに参加する人数の規模によって、配信システムの精度など運営に必要な技術が異なります。
また代行会社によっては、ウェビナーの種類による得意不得意もあるでしょう。どういったウェビナーを運営してきたか、実績の内容についても具体的に聞いておくと安心です。
Zoomなどの希望のソフトウェアによるウェビナー代行経験
ウェビナーに使用するオンライン会議用ソフトウェアには、さまざまなものがあり、代表的なものはZoomやMicrosoft Teams、Cisco Webexなどです。それぞれに特徴があり、画面構成や参加可能人数、利用環境のほか、ソフトによって対応していない機能などもあります。
例えば双方向性を重視するウェビナー開催予定であるのに、1対多型のツールしか使えない会社に依頼した場合には求めるウェビナー開催は難しくなります。
途中で参加者同士の交流を行うなど、やりたいことが決まっているウェビナーや、どのツールを使用したいのかが決まっているウェビナーであれば、希望のするソフトウェアの使用経験が豊富な依頼先を選定しましょう。
配信機器・設備の有無
ウェビナーは、カメラ・マイク付きパソコンと通信環境があれば開催が可能です。しかし、質の高い配信を安定した通信環境で実施するためには、ピンマイクやミキサーなどの音響機材、照明、画質のよい業務用カメラやカメラとPCをつなぐキャプチャーボードなどが必要になります。
参加人数やウェビナーの内容などを伝え、どんな機材があるとよいか依頼先に確認してみましょう。必要機材がわからない場合は、複数の依頼先候補に使用機材を確認し、コストと合わせて検討するのもおすすめです。
スタッフのサポート体制
社内で対応できる人材が少ない場合は、自社のスタッフで対応できない人数を代行会社に依頼することになります。
本来必要な実施するウェビナー開催のために、どのくらいのスタッフが必要なのかを想定した上で、代行会社でどのくらいの人数が対応してくれるのかを事前に把握しておくことが重要なポイントになります。
特に配信機材の操作のサポート体制は重要です。事前確認しておかないと、いざ、配信当日に対応してくれるスタッフが1人だった、となるとトラブル対応まで手が回らないかもしれません。
当日の配信スタッフだけでなく、集客や講師対応スタッフの有無など、依頼したい内容に応じて、体制を具体的に確認しておきましょう。
ウェビナー代行はどこまでサポートしてくれる? 依頼できる5つの業務
ウェビナー代行にサポートを依頼できるのは、大きく分けて以下の5つの業務です。
- トータルで依頼できる「開催支援」
- 開催までの準備を依頼できる「事前準備」
- ウェビナー設営から配信まで依頼できる「配信代行」
- ウェビナー参加者を集める「集客代行」
- 開催後もサポートしてくれる「フォローアップ」
それぞれの具体的な支援内容について説明します。
1. トータルで依頼できる「開催支援」
目的にあったウェビナー開催の総合的な支援が「開催支援」です。
ウェビナーのタイトルや内容などの企画立案から、ウェビナー詳細を記載して募集を行うためのWebページの作成、当日の台本作成、会場手配、配信ツールの手配など、開催に必要なさまざまな業務を代行します。
2. 開催までの準備を依頼できる「事前準備」
参加者の管理や参加費などの料金回収など、事前に不可欠な事務局業務が「事前準備」です。
参加申込をした方に、確実な参加を促す事前のリマインドメール送付など、事前準備には予想以上に手間がかかります。この部分を依頼すれば、社内人材をウェビナーの内容に関する準備に集中させられます。
3. ウェビナー設営から配信まで依頼できる「配信代行」
会場設営や機材搬入、設置だけでなく、配信本番の機材対応を依頼するのが「配信代行」です。機材やソフトウェアの操作、当日に発生した通信トラブル対応など、専門的な知識が必要な部分だけでなく、ウェビナー中の参加者からの問い合わせへの対応も依頼できます。
いずれも、経験や知識が問われる業務なので依頼しておけば、当日のウェビナー運営に集中できます。
4. ウェビナー参加者を集める「集客代行」
ウェビナー成功へのカギを握っているのは集客です。「集客代行」では、集客目標を達成するためのさまざまな集客施策を依頼できます。
集客には広告だけでなく、既存顧客や潜在顧客に集中して募集を行うナーチャリングコール集客など多くの方法があります。どの方法が有効かは、経験に基づく専門知識が必要です。
ターゲットや開催目的に合わせてどういった方法が効果的か、ノウハウを持つウェビナー代行に提案してもらえるのは大きなメリットです。
5. 開催後もサポートしてくれる「フォローアップ」
ウェビナーを開催して終わりではありません。問い合わせや商談、成約につなげるためにも、開催後の参加者フォローアップが重要です。
ウェビナーの満足度や次回以降の内容に関するアンケートの送付や回収促進などは、開催後から日数が空くと効果が薄れます。早めの対応が必要ですが、通常業務の中で対応することが難しいこともあるでしょう。
サポートを依頼しておけば、アンケートの集計もスムーズに確認できます。
検討済み?ウェビナー運営代行会社以外にも選択肢がある
ウェビナーの運営代行を探すと、代行会社が多く見つかるでしょう。しかし代行会社に依頼すると、当日運営だけ、集客代行だけ、など一部の業務だけを依頼できない場合もあります。
自社にある程度の経験が蓄積されているときは、自社に足りない一部の業務だけをフリーランスに依頼し、ウェビナーを開催するという方法もあります。一括で会社に依頼する場合と比較し、コストパフォーマンスを高めながら、効率よく効果的なウェビナー開催ができるでしょう。
ウェビナーの開催を運営代行会社(業者)に依頼した際の相場
ウェビナー開催を運営代行会社に依頼した際の相場は以下のようになります。
依頼内容 | 料金相場 |
---|---|
開催支援 | 80,000円~ |
事前準備 | 40,000円~ |
配信代行 | 100,000円~ |
集客代行 | 15,000円~/1件獲得 |
フォローアップ | 1名あたり10,000円~[5] |
2種類の代行依頼先のメリット・デメリット
ウェビナー運営代行の依頼先には、運営代行会社、フリーランスがあります。それぞれにメリットとデメリットがあるので、確認した上で選定しましょう。
ウェビナー運営代行会社に代行依頼する際のメリット・デメリット
ウェビナー運営会社に代行依頼する際のメリットとデメリットは以下の通りです。
メリット | デメリット |
---|---|
・人員体制が充実している ・実績が豊富 ・機材が充実している | ・代行費用が高価 |
フリーランスに代行サポートを依頼する際のメリット・デメリット
フリーランスに代行依頼する際のメリットとデメリットは以下の通りです。
メリット | デメリット |
---|---|
・専門性が高い ・担当者と直接コミュニケーションがとれ、対応能力を確認して依頼できる ・会社では断られるような依頼でも柔軟に対応してくれる ・コストパフォーマンスが高い | ・人的リソースが限られる ・保有機材や経験が限定される |
ウェビナー代行を活用して満足度の高いウェビナーを開催しよう
新規顧客の獲得につながりやすいウェビナー開催は、運営代行を活用することで、社内人材をウェビナー自体の内容に集中できます。
配信の質だけでなく内容の満足度の高いウェビナーは、開催の真の目的である問い合わせや顧客の獲得に効率的につながるでしょう。専門知識が豊富なフリーランスの活用も検討して、効果的なウェビナー開催を実現してください。
