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EC戦略の基本的な考え方とは?EC事業を成功させる7つの手法

ランサーズ株式会社|2021年12月27日
KNOWHOW

EC事業を成長させるためには、ユーザーのニーズに対応した戦略が不可欠です。しかし、ECサイトの売り上げに影響する要素は数多く存在するために「何から手をつければよいのか分からない」という方も多いのではないでしょうか。

特にEC事業をはじめて間もない企業の場合には、ノウハウやデータが十分に蓄積されていないことで、効果的な施策をなかなか見つけられずに苦戦するケースも少なくありません。

データを集めるためにもECサイト立ち上げ後は、広告を利用してアクセスを増やすなどの対策が必要です。

本記事では、EC戦略の基本的な考え方やEC戦略の手法について解説します。EC戦略の立案でお困りの方は、ぜひご覧ください。

EC戦略の基本的な考え方

ECサイトの売り上げを増やすためには、新規顧客の獲得とリピーター化の両方に取り組む必要があります。EC戦略の基本的な考え方について解説しましょう。

ECサイトの売り上げは3つの要素で決まる

ECサイトの売り上げは、次の3つの要素で決まります。

  • 集客人数
  • 購入率(CVR)
  • 客単価

3つの要素で、下記のようにECサイトのサイトの売上を算出できます。

ECサイトの売上 = 集客人数 × 購入率 × 客単価

多くのユーザーを集客できれば、注文数も増加します。購入率は、ECサイトにアクセスしたユーザーの内、商品を購入した人の割合を示す指標です。購入率を高めると、同じアクセス数でも効率的に売り上げを伸ばせます。

客単価は、ユーザーが1回の注文で支払った金額の平均値です。また、客単価の向上も売り上げアップにつながります。

購入率や客単価を高める施策を検討するには、データを集めなければなりません。ECサイトを立ち上げた直後はデータを集めるためにも、集客に専念してECサイトへのアクセスを集めましょう。

競合ECサイトの分析

効果的なEC戦略を立案するためには、競合ECサイトの分析が不可欠です。自社のECサイトへユーザーを集めるには、競合サイトと差別化して、EC市場での自社のポジションを明確にする必要があります。

例えば、ペット用品を幅広く扱っている競合ECサイトが存在する場合には、自社では犬用品に特化したECサイトを立ち上げるという案が考えられます。競合を上回る数の犬用品を揃えれば、競合サイトでは対応できないユーザーの細かなニーズに対応できます。

EC戦略を立てる前に競合サイトをチェックして、他社がどのようなユーザーをターゲットにしているのかを分析する必要があります。

Web広告で新規ユーザーを集める

ECサイトをネット上に公開しても、アクセスを集められるとは限りません。特に立ち上げ直後のECサイトの場合には、検索流入は期待できません。効率的に新規ユーザーを集めるためにも、Web広告を活用しましょう。ECサイトの集客でよく使用されるWeb広告は以下のとおりです。

広告の種類 広告の特徴
リスティング広告 検索エンジンの検索結果一覧ページに表示されるテキスト広告です。ユーザーが指定したキーワードで検索した時に表示されます。
ディスプレイ広告 アプリやWebサイトの広告枠に表示される広告です。画像やテキスト、動画を表示できます。
リターゲティング広告 1度自社のECサイトへアクセスしたユーザーに対して表示する広告です。自社の商品に関心があるユーザーとの接触機会を増やせます。

一口にWeb広告といっても、さまざまな媒体が存在するため、目的に合わせた広告を選ぶことが大切です。

メールマガジンでリピーター化

ECサイトユーザーのリピーター化には、メールマガジンがよく利用されます。1度自社のサイトで商品を購入したユーザーに対して、セール情報やクーポンなどを送信すれば、サイトへの再訪を促せます。

メールマガジンを成果につなげるためには、ターゲットに合わせたメールを送る必要があります。セールを企画しているのであれば、ターゲットの年代や性別、ライフステージなどをもとに顧客を分類し、セールを利用する可能性が高い客層に向けてメールを配信しましょう。

EC事業を成功させる7つのEC戦略

EC戦略にはさまざまな手法があります。EC戦略の中でも、よく採用されている手法を7つ紹介しましょう。

1. ネット上での多店舗展開

多店舗展開は、ネット上でユーザーとの接点を増やしたい場合に有効な手法です。ECサイトは大きく2種類に分けられます。

ECサイトのタイプ ECサイトの特徴
モール型EC 複数のショップを1つのサイトに集めたECサイトです。Amazonや楽天が代表的なモール型ECサイトです。
自社EC 企業が独自に運営するECサイトです。小中規模のECサイトではパッケージを利用してサイトを構築するケースが多くなります。大規模なECサイトは、フルスクラッチで構築されることもあります。

複数のモール型ECサイトへ出店すれば、ネット上で多店舗展開できます。自社ECサイトとモールを同時に運営する場合もあります。多店舗展開を検討する場合、業務量や運営コストも増加するため、十分な人員や予算を確保できるかどうかを考慮する必要があります。

2. オムニチャネル化で顧客満足度を高める

オムニチャネル化はECサイトや実店舗など、複数の販売チャネルを用意して、顧客の利便性を高める戦略です。自社の店舗やサービスの利便性が向上すれば、顧客満足度を高められます。

実店舗に在庫がない商品をECサイトで購入できるようにしておけば、ユーザーは希望する商品を入手できます。企業側にも、機会損失を防げる利点があります。

オムニチャネル化は、単に販売チャネルを増やす戦略ではありません。各販売チャネル同士をうまく連携させて、はじめて効果を発揮する戦略です。

在庫管理や流通、基幹システムの見直しなど、横断的な仕組みづくりが欠かせません。EC部門だけで実現できる戦略ではないため、関係部署とオムニチャネル化の方向性をしっかり共有しておきましょう。

3. 既存ユーザーをアプリで囲い込む

スマートフォンの普及に伴って、ユーザーがアプリで商品を購入するケースが増加しています。自社アプリを用意する利点は、既存のユーザーを囲い込める点にあります。

検索エンジンや広告を使った集客では、他社のページや広告も表示されるため、ユーザーが他社に流れる可能性があります。自社アプリであれば、ユーザーが他社のサイトへ流れてしまう心配もありません。加えて、アプリはクーポンの配信やプッシュ通知など、販促にも利用できます。

4. マーケティングオートメーションで省力化

マーケティングオートメーションとは、マーケティング業務を自動化できるツールです。業務量を減らせるため、ECサイトの運営を省力化できます。消耗品を購入したユーザーに、商品がなくなるタイミングでメールを送信する、お気に入りに登録した商品の再入荷をアプリへ通知するなどの作業を自動化できます。

業務を効率化できるので、社員を重要度の高い業務に専念させられるでしょう。ただし、マーケティングオートメーションを導入するだけでは、十分な効果を得られません。ユーザーの動向に合わせて、定期的にシナリオ設定を見直すことが重要です。

5. SNSで情報を拡散

SNSをうまく活用できれば、自社の情報を多くのユーザーに届けられます。SNSでは、企業による露骨なプロモーションを好まないユーザーも少なくありません。一方で、商品の便利な使い方など、ユーザーの役に立つ情報を発信し、共感を得られれば投稿を拡散してもらえる可能性があります。

SNSを活用したプロモーション方法として近年注目されているのが、インフルエンサーマーケティングです。インフルエンサーマーケティングは、SNS内で影響力を持つ人に自社の商品を紹介してもらう手法です。企業が直接情報発信するよりも、多くのユーザーに情報を届けられます。

6. SEO対策で検索流入を増やす

SEO(検索エンジン最適化)対策は、検索流入を増やすための手法です。検索エンジンの検索結果ページの上位に表示されているページほど、ユーザーにクリックされやすい傾向にあります。SEO対策による集客は、成果が出るまでに時間がかかりますが、広告費を削減できるメリットもあります。

商品ページだけではなく、商品の選び方を解説するページやおすすめ商品のレビュー記事など、ユーザーの役に立つコンテンツも用意しておきましょう。

7. 越境ECでマーケットを広げる

越境ECとは、海外向けのECサイトを運営することです。国内だけではなく、海外にも目を向ければ、より多くのターゲットにアプローチできます。越境ECを成功させるには、ターゲットとなる国の文化やユーザーに対する理解が不可欠です。

現地の言語をネイティブと同レベルで扱える人材の確保や関税・法律についても理解しておかなければなりません。越境ECは、国内向けのECサイト運営よりも難易度は上がりますが、売り上げを大幅に伸ばせる可能性もあります。

EC戦略を評価する4つの視点

自社のEC戦略を見直す際は、以下の4点に目を向けましょう。

  • 商品の供給体制
  • 露出を増やす仕組み
  • 購入を後押しする情報
  • リピートを促す仕組み

それぞれのポイントについて解説します。

1. 商品の供給体制

ECサイトの売り上げを向上させるためには、商品の供給体制を最適化する必要があります。ユーザーの需要に対応できずに在庫が不足すれば、機会損失が発生します。反対に、需要のない商品を大量に仕入れてしまうと、不良在庫を抱えてしまうことになります。

商品の生産を内製化している場合、製造部門と連携できる体制を整えておなかければなりません。EC戦略を変更する際は、現状の供給体制で対応可能かどうかも考慮しましょう。

2. 露出を増やす仕組み

他社より優れた商品を扱っていても、ユーザーに商品の存在を知ってもらわなければ、ECサイトの売り上げは伸びません。EC戦略を見直す際は、商品の情報がユーザーにしっかり届いているかチェックする必要があります。

ECサイトのアクセス数が頭打ちになっている場合は、広告を出稿するキーワードのバリエーションを増やす、SNSを活用するなど、サイトへの流入経路を増やす方法を考えましょう。

3. 購入を後押しする情報

ユーザーに商品を購入してもらうためには、商品ページに購入の判断に必要な情報を記載しておく必要があります。ECサイトでは実物の商品を手に取ってチェックできないため、商品の情報が不十分な場合は、ユーザーに不安を感じさせてしまいます。

ユーザーの不安や疑問を解消できるように、少なくとも以下の情報は掲載しましょう。

掲載情報 情報の具体例
価格 商品の価格・送料など
商品画像 商品の詳細・使用場面がイメージできる画像を複数用意
商品説明 仕様、メーカー、メリットなど
配送情報 配送エリア、配達までの期間など
自社のECサイトで購入する利点 クーポン、セール情報など

アクセス数が増えても離脱するユーザーが多ければ、効率的にECサイトの売り上げを伸ばすことはできません。優れたEC戦略を立てたとしても、十分に効果を発揮できない恐れもあります。商品ページのフォーマットを決めて、すべてのページに必要な情報を記載しましょう。

4. リピートを促す仕組み

ECサイトの売り上げを安定させるには、リピーターを増やす必要があります。単に優れた商品を扱うだけでは、リピーターは増えません。ECサイトの運営において、新規ユーザーをリピーター化する戦略は必須です。

季節商品を扱っている場合は、シーズン前にアプリやメールマガジンでセールの開催を告知すると再訪を促せます。クーポンやポイントの付与など、次回の買い物で割引を受けられる仕組みを用意する方法も効果的です。一方的なプロモーションではなく、ユーザーの満足度が高められる施策を検討しましょう。

有名企業のEC戦略の事例3選

他社ではどのようなEC戦略を採用しているのか気になる人も多いのではないでしょうか。
有名企業のEC戦略の事例を紹介します。

1. 花王

化粧品や洗剤などを製造・販売する花王株式会社では、小売店とECサイトによるオムニチャネル戦略を採用しています。花王では、モール型ECサイトのランキング上位を獲得して、商品認知の拡大を図っています。

加えて、ECサイトでの売れ行きをもとに、小売店での商品展開を見直すなど、ネット上で収集したデータを実店舗でのマーケティングにも活用しています。

2. ユニクロ

ユニクロを運営する株式会社ファーストリテイリングでは、越境ECとオムニチャネル戦略を採用しています。中国におけるECサイトの売り上げは、2021年8月時点で海外事業売り上げの25%にも上ります。

ユニクロでは、実店舗とECサイトを連携させるO2O(Online to Offline)と呼ばれるサービスを提供しています。ECサイトで注文した商品を店舗で受け取れるほか、店舗に在庫がない場合は、店舗スタッフがECサイトでの注文をサポートして利便性を高めています。

3. ニトリ

インテリア・家具を販売する株式会社ニトリでは、アプリを活用したO2Oサービスを提供しています。今後は、アプリを中心に据えた顧客への個別対応に積極的に取り組むほか、O2Oによる店舗の省人化を目指すとしています。

ECサイト「ニトリネット」を運営しており、2021年2月時点でのネットショップの売り上げは、前期比で159.3%増加しています。アプリ会員数も900万人に達しています。アプリ会員は、売り上げへの貢献度が高いため、2022年度は会員数1,300万人を目指すとしています。

EC戦略を見直してEC事業を成長させよう!

EC戦略の基本的な考え方とEC事業を成功させる7つの手法について解説しました。EC戦略は、ターゲットに合わせて立案することが重要です。ユーザーや市場の状況が変化すれば、EC戦略を変更しなければならない場合もあります。しかし、EC事業をはじめて間もない企業にとって、EC戦略の立案は難しい業務でもあります。

ランサーズには、ECサイトの構築・運用経験が豊富なフリーランスが多数登録しています。EC戦略の立案でお困りの方は、お気軽にお問い合わせください。