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国内外のECサイト売上ランキング!具体的な改善策も17つ紹介

ECサイトで思うように売上が伸びずにお困りの方も多いのではないでしょうか。自社のECサイトが業界内でどのくらいのポジションにいるのか気になる人もいるでしょう。自社ECサイトの売上をアップさせるためにはECサイトの将来性や市場規模を踏まえたサイト運営が欠かせません。

この記事では、ECサイトの市場規模や国内外のランキング、売上を決める要素について解説します。売上を上げるための施策も17つ解説していますので、自社ECサイトの運営に役立ててください。

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ECサイトの市場規模は右肩上がり

2021年に経済産業省が発行した「令和2年度産業経済研究委託事業(電子商取引に関する市場調査)」によると、2010年から2019年までのBtoC市場規模は年平均数%ずつ上昇していることがわかります。

2020年度は新型コロナウイルス感染症の影響をうけて若干減少していますが、それでも物販系分野の市場規模が大きく伸びており、EC市場自体は今後さらに成長することが予想されます。

物販系分野の市場規模は、以下の4ジャンルが全体の73%を占めています。

  • 生活家電、AV機器、PC、周辺機器等
  • 衣類、服装雑貨等
  • 食品、飲料、酒類
  • 生活雑貨、家具、インテリア

この中で「生活家電、AV機器、PC、周辺機器等」と「生活雑貨、家具、インテリア」は、EC化率は3割前後と比較的高くなっており、ECサイトとの相性もよいです。

BtoC市場・BtoB市場ともに伸びしろが大きい

ECサイトは、BtoC市場のEC化率が8.08%、BtoB市場のEC化率が33.5%と、まだまだ発展途上で伸びしろが大きいことがわかります。市場規模もBtoC市場・BtoB市場ともに2020年を除いて増加傾向にありますので、今後もさらなる成長が期待できるでしょう。

主要な国内ECモールの売上高

ショッピングサイトの画面

下表は2020年の国内のECモールの売上高です。

モール名売上高(概算値)
楽天市場4兆5,000億円
Amazonジャパン2兆1893億円
Yahoo!ショッピング8,519億円
ZOZOTOWN3,557億円

国内ECモールの売上規模は、楽天市場とAmazonジャパンが群を抜いて大きくなっています。各売上高の数値は、企業の決算データなどをもとにした概算値です。

国内ECサイトの売上ランキング

下表は2019年の国内ECサイトの売上トップ30と売上高です。

順位社名売上高
1位Amazonジャパン1兆7,443億円
2位ヨドバシカメラ1,386億円
3位ZOZO1,255億円
4位ビックカメラ1,081億円
5位ユニクロ832億円
6位デル630億円
7位オイシックス・ラ・大地613億円
8位ディノス・セシール582億円
9位ジャパネットたかた580億円
10位上新電機571億円
11位千趣会490億円
11位ジュピターショップチャンネル490億円
13位アスクル486億円
14位マウスコンピューター470億円
15位イトーヨーカ堂452億円
16位キタムラ450億円
16位ヤマダ電機450億円
18位ニトリ443億円
19位MOA371億円
20位QVCジャパン336億円
21位ベルーナ301億円
22位アイリスプラザ300億円
23位ベイクルーズ284億円
24位オルビス257億円
25位オンワードホールディングス253億円
26位ニッセン250億円
27位CROOZ SHOPLIST246億円
28位マガシーク244億円
29位サードウェーブ235億円
30位セブン・ミールサービス233億円

国内ECサイトの売上規模は、Amazonジャパンが2位以下を大きく引き離してトップになっています。売上の高いECサイトが独自の強みを活かして行っている戦略をご紹介します。

Amazonジャパン

Amazonジャパンは、品揃えが豊富でプライベートブランドなどの専属商品も多く取り扱っているECサイトです。会員費を支払うと、お急ぎ便やお届け日時指定便、返品送料無料などの各種配送特典を利用できます。そのほかPrime VideoやPrime Music、Amazon Photosといったデジタルサービスも充実しています。

ヨドバシカメラ

ヨドバシカメラはどのような商品でも送料無料にするなど、物流基盤の強さを活かしたサービスを提供しています。最短で注文当日に配送できますので、メインのECサイトとして利用しているユーザーも多いです。

ユニクロ

ユニクロは、オムニチャネルの成功例として知られています。オムニチャネルとは、あらゆる販売チャネルを統合してリアルとネットの垣根をなくす販売戦略のことです。実店舗とECサイトをうまく融合させていますので参考になる部分も多いでしょう。

国別のECサイト売上ランキング

スマホで買い物

下表は2020年の全世界のECサイトの売上トップ10と売上高です。

順位売上高
1位中国22,970億ドル
2位米国7,945億ドル
3位英国1,804億ドル
4位日本1,413億ドル
5位韓国1,106億ドル
6位ドイツ969億ドル
7位フランス738億ドル
8位インド554億ドル
9位カナダ392億ドル
10位スペイン364億ドル

 

国別のECサイト売上高では、中国が2位以下を大きく突き放してトップになっています。全体の半数以上の割合を占めていますので、非常に大きな市場といえるでしょう。

ただし、このランキングでは旅行やイベントのチケット、税金など、一部のジャンルが測定対象に含まれていません。そのため測定の方法によっては、多少順位に変動がでる可能性もあります。

世界の越境ECサイトの売上高

下表は2020年の越境ECの売上高と前年比伸び率です。

越境EC売上高伸び率
日本3,416億円7.6%
米国1兆7,108億円9.9%
中国4兆2,617億円16.3%

2020年に日本のECサイトが米国や中国経由で商品を販売した金額は、3,416億円と推計されています。その内訳は、米国経由で3,076億円、中国経由で340億円です。米国や中国と比べるとまだまだ少ないというのが現状ですが、国内のEC化が進むにつれ今後さらに増大していくでしょう。

ちなみに、中国のECサイトから日本に商品を購入した金額は1兆9,499億円、米国のECサイトから日本に商品を購入した金額は9,727億円でした。

有名な海外のECサイト

下表は世界的に有名なECサイトの概要・特徴です。

サイト名概要
Tmall (天猫)中国アリババグループが運営していて、過半数のシェアを獲得している
JD.com(京東)中国中国シェアNo.2
vip.com (唯品会)中国特定のブランドを期間限定セールで販売するフラッシュセールが盛ん
Amazon米国世界的に有名なECサイトで、展開地域の数は世界トップクラス
Walmart米国世界最大のスーパーマーケットチェーン
eBay米国世界中で約1.8億人以上が利用するインターネットオークションサイト
G-Market韓国韓国最大のECサイト
Yahoo!奇摩購物中心台湾台湾版のYahoo!ショッピング

中国のECサイト市場は世界トップです。特にアリババグループのTmall (天猫)は、過半数の国内シェアを獲得しており、桁違いの売上規模になっています。

中国に次いで売上規模が大きいのが米国です。中でもAmazonは、国内シェアの約4割を獲得しています。世界のECサイト市場は、中国がトップを牽引しているといってよいでしょう。

ECサイトの売上を決める要素は3つ

ECサイトの買い物かご

ECサイトの売上を決める要素は、「アクセス数(集客)」「購入率(CVR)」「客単価」の3つです。

いずれの要素もECサイトの売上に大きな影響を与えますので、どれかひとつの指標に特化するのではなくそれぞれをバランスよく伸ばす必要があります。具体的な計算式は以下の通りです。

ECサイトの売上 = アクセス数(集客) × 購入率(CVR) × 客単価

例えば月間10万アクセスで購入率が3%で、客単価が3,000円なら、900万円の売上が見込めます。

ECサイトの売上をあげる方法17選

スマホでレビュー

ECサイトの売上をあげる方法を17個ご紹介します。

1. 競合の少ないサジェストキーワードを見つける

ECサイトの売上を上げるには、できるだけ競合の少ないサジェストキーワードを見つけることが重要です。商品名やカテゴリ名などのシンプルなキーワードではSEOに強い大手モール店やECサイトが検索上位に表示されますので、検索エンジンからの自然流入がほとんど見込めません。

基本的にサイト内のページは、メインキーワードとあわせて使用されているサジェストキーワードをもとに作成しましょう。

2. 売上のある商品から隠れたSEOキーワードを見つける

「理由はわからないけどなぜか安定した売上がある」という商品は、自分たちが気づいていないキーワードで上位表示されている可能性があります。Google Search Consoleの検索パフォーマンスから、どのようなキーワードで上位表示されているかを確認しましょう。

隠れたSEOキーワードが見つかったらそのキーワードを使用したコンテンツを随時追加していきます。

3. リマーケティング広告で再購入を促す

リマーケティング広告とは、自社ECサイトにアクセスしたユーザーに対し、自社バナーを表示する広告のことです。ユーザーが他のサイトにアクセスしたときに表示されますので、自社ECサイトに再度訪問してもらうきっかけになります。

4. 見込み顧客のメールアドレスを取得して直接営業をかける

無料のPDF資料などの特典を提供して見込み顧客のメールアドレスが取得できれば、メルマガを配信して直接営業をかけることも可能です。ECサイトには「今すぐ商品が欲しい」という顧客よりも「まだ検討したい」という顧客の方が多くいます。

メールマーケティングは、ユーザーと継続的に関係を構築できるため売上向上に効果的な施策のひとつです。

5. キャンペーンを積極的に活用する

ほとんどのユーザーはキャンペーン情報に興味を持つ傾向がありますので、キャンペーンを積極的に実施すれば集客力をアップできる可能性があります。Web接客ツールを導入して、クーポンを配布したり、サービスポイントをプレゼントしたりして、ユーザーの興味関心を引きましょう。

6. 購入した商品と関連する商品を掲載する

購入した商品と関連する商品を同じページ内に掲載することで、2つ一緒に購入される可能性が高くなります。関連商品の掲載に特化したレコメンドツールも販売されていますので、商品数が多くなる場合は積極的に活用してみてください。

取り扱う商品が限られている場合は、関連する商品自体が少なくなりますのでツールを導入してもあまり効果が見込めないかもしれません。

7. 多様な決済手段を用意する

ユーザーの中には自分が使っている決済手段がないと途中で離脱する人が多くみられるため、ECサイトにはできるだけ多くの決済手段を用意しましょう。しかしあまり多すぎると手数料などの負担が大きくなりますので、ターゲットユーザーの属性にあわせて必要なものを厳選した導入が重要です。

クレジットカードは最も使用頻度の高い決済手段ですので、必ず用意が必要です。Amazonペイや楽天ペイ、ペイペイなどの電子決済も利用者数が多いため導入をおすすめします。

顧客が10代~20代の若い層の場合は、クレジットカードを持っていない可能性がありますので、キャリア決済や後払い方式などがよいでしょう。

8. 商品の状態がよくわかる写真を使用する

ECサイトでは実店舗のように商品を手に取って確認できませんので、商品の状態がよく分かる写真を使用する必要があります。モデルと商品をセットで撮影するなどして、サイズや使用感が正確に伝わるようにしましょう。ファッション系のサイトでは、ひとつの商品につき10枚以上の写真を使用することも珍しくありません。

9. 商品の説明文を充実させる

商品の説明文は、ユーザーが具体的なベネフィットをイメージできるように作成するべきです。

例えば防刃グローブを訴求する際に「耐切創レベル5」とするよりも、「ナイフの刃が直接当たってもまったく傷がつきません」と説明する方が具体的なベネフィットを相手に伝えられます。

商品を説明する際は、「ユーザーがこの商品を使ってどのようなメリットを得られるか」を基準に内容を考えましょう。

10. 高評価のレビューや口コミを掲載する

高評価のレビューや口コミをページ内に掲載すると、ユーザーの購買意欲が上がり購入される可能性が高くなります。ECサイトの利用経験が豊富なユーザーほど、レビューや口コミを確認する傾向がありますので積極的に活用しましょう。

高評価のレビューや口コミを増やすには、サンプル文を用意してユーザーの入力する手間を減らしたり、「レビューをしてくれたら送料無料」というような特典をつけたりする方法が効果的です。

11. カゴ落ち対策をして購入しやすくする

カゴ落ちとは、ショッピングカートに入ったまま商品が購入されない状態です。ECサイトの売上を下げる大きな要因となりますので、ツールを活用してできるだけ防止する必要があります。具体的な施策については、以下の記事を参考にしてください。

ECサイトのカゴ落ち対策13選!10個の原因やポイントを徹底解説

12. 魅力的な定期商品を開発する

定期的に売れる商品を開発すれば、継続的に商品を購入してくれるリピーターが増え売上も安定します。サンプル品を無料で提供したり、電話で営業をかけたりするなどして、定期的に購入してくるユーザーを増やしましょう。定期商品はユーザーの金銭的な負担を大きくしますので、地道に販路を広げていくことが重要です。

13. 顧客サポートを充実させる

チャットボットツールを導入して問い合わせ業務を効率化するなどして、顧客サポートを充実させることも重要です。一定期間決済ページからの動きがないユーザーに対し「何かお困りのことはありませんか?」というポップアップを表示するだけでも、顧客に安心感を与えられます。

顧客サポートは競合サイトと差別化できる大きなポイントですので、ユーザー目線に立って内容を充実させましょう。

14. 顧客満足度を向上させる

顧客満足度の向上は、ECサイトの売上を改善するうえで非常に重要です。リピーターを増やすことにもつながりますので常に意識しておきましょう。

配送時に手書きのメッセージカードを添えるといった細かな配慮も、売上に影響を与える可能性があります。「これはいける」と思った施策は、まず試してみることをおすすめします。

15. SNSをマーケティングに活用する

SNSは、多くのユーザーの生活に根付いたコミュニケーションツールです。欲しい情報を取得するために利用しているユーザーも多くいますので、積極的にマーケティング活用しましょう。

SNSマーケティングでは、セールス色をできるだけ抑えることが重要です。魅力的な画像を使いつつ日常的な情報発信を意識して、自然な形で商品を訴求しましょう。

16. サイト構造をみなおして使いやすくする

サイト構造は、売上に大きく影響を与える要素です。検索性能を高めて目的の商品を見つけやすくしたり、トップページのレイアウトを変更して商品を比較しやすくしたりするなどして、ユーザーの利便性を第一に考えましょう。

17. 競合サイトのよいところを参考にする

自社分析だけでは把握できることも限られていますので、たまには競合サイトのよいところも参考にするとよいでしょう。競合サイトには、売上を増やすためのヒントが数多く隠されています。狙っているキーワードやページデザイン、サイト構造などで優れている部分がないか確認してください。

ユーザーファーストのECサイトを構築して売上をアップさせよう

ECサイトの売上は、サイトの使いやすさやユーザーの利便性を第一に考えることで改善できます。一度ユーザー目線でサイトを利用してみて、使いにくい部分やストレスを感じる部分を実体験することをおすすめします。自社に合ったやり方でサイトを構築して、売上を改善させてください。

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