ECの需要が高まり、さまざまな業種のECサイトが日々誕生しています。ECサイトの売上や集客を増やすためには、同業種の競合とECサイトの差別化を図ることが重要です。
ECサイトの第一印象を決める、おしゃれなECサイトを構築したいと考える人も多いでしょう。おしゃれなECサイトは、企業や商品、ブランドのブランディングにも有効です。
本記事では、おしゃれなECサイトを制作するためのデザインや構成のポイントに加えて、見落としがちな売れるECサイト作りのポイントについても解説しています。おしゃれなECサイトを制作するための方法も解説していますので、ぜひ参考にしてください。
目次
おしゃれで売れるECサイトを作る7つのポイント
ECサイトで、デザインがおしゃれであることのみを重視しすぎると、「商品が探しにくい」「全体的に重い」など閲覧者や顧客に優しくない構成になってしまうことがあります。デザインがおしゃれであることに加えて、閲覧者に優しいECサイトの構成やデザインにすることが、売れるECサイト作りにつながるでしょう。
おしゃれ、かつ売れるECサイトを作るためのポイントは以下の通りです。
- 情報を整理する
- ブランドイメージやテーマを明確にする
- 規則性のあるデザインにする
- 顧客の動線を考える
- ファーストビューを意識する
- 操作性に配慮する
- 閲覧環境を問わないデザインにする
それぞれにポイントの詳細を解説します。
1. 情報を整理する
購入をうながすために、商品やブランドコンセプトなどの情報を多く取り入れたい人も多いでしょう。ところが、ひとつのページ上に情報が多すぎると見にくくなります。情報を整理してシンプルな構成にすると、閲覧者が得たい情報を拾いやすくなります。
ECサイト上の情報を整理するには、以下の方法が有効です。
- カテゴリ分けをする
- 余白を取る
- 段落や見出しをつける
- フォントサイズを調整する
- ブランドイメージやテーマを明確にする
掲載する商品を大・中・小のカテゴリに分ける方法が有効です。例えばアパレル商品ならメンズ、レディース、キッズ(大カテゴリ)→トップス、ボトムス、アウター、小物類(中カテゴリ)→ジャケット、コート、パンツ、スカート、ブーツ(小カテゴリ)となります。カテゴリ分けをすると、ページ上の情報を最小限にまとめられます。
商品の画像や文章を記載するときには余白を取りましょう。余白がなく詰めている状態だと、見にくく読みづらいです。余白を取ることで「記載されている情報の内容が変化する」ということも閲覧者に提示できます。
適度に段落や見出しを付けましょう。余白と組み合わせることで閲覧者に提供する情報を整理できます。見出しに合わせてフォントサイズを調整するのも重要です。
2. ブランドイメージやテーマを明確にする
情報を整理してシンプルな構成やデザインにすると、見やすくなりますが他のECサイトとの差別化が図れません。商品やブランドのイメージ、テーマ、コンセプトを明確にしておきましょう。テーマに沿ったデザインを取り入れることで、見やすくおしゃれなデザインが実現できます。
ブランドイメージやテーマを壊すようなデザインや表現は避けましょう。
例えばクール、シャープ、スタイリッシュなどがブランドや商品のイメージである一方、ECサイトは温かみのあるかわいいデザイン、「ほっこりとした~」などの表現を採用してしまうと、イメージとECサイトとが食いちがい、閲覧者の混乱を招きます。
3. 規則性のあるデザインにする
ECサイトのデザインは、すべてのページで規則性のあるデザインにするのが重要です。規則性のあるデザインにすることで、整列性が出て洗練されたECサイトを構築できます。
ページが変遷するたびにデザインが変わってしまうと、ページの内容が複雑になってしまいます。例えば丈夫に設置された他ページへのリンクが、次のページではサイドになるなどは避けましょう。操作性も落ちてしまうため、顧客が離脱する原因となります。
4. 顧客の動線を考える
ECサイトのデザインを整え、すっきりとさせるだけでは商品の購入にはつなげられません。顧客の動線を考えた構成とデザインを取り入れることで、コンバージョン率が上げられます。
顧客がECサイトにアクセスしてから、購入するまでには、以下の動線を取ることを把握しておきましょう。
- TOPページ
- 商品ページ
- カートページ
- 決済ページ
- 購入完了
顧客の動線を考えて、回遊性の高い構造にします。ページの構造が何重にもなっていると回遊しにくいため、注意しましょう。
5. ファーストビューを意識する
ファーストビューとは、顧客がECサイトにアクセスして最初に見る部分です。顧客がECサイトにとどまるかは「アクセスしてから3秒間で決まる」といわれています。そのため、ファーストビューを意識した構成やデザインをすることで、顧客のアクセスからの離脱を防げるでしょう。
おしゃれ、かつ顧客をとどまらせるファーストビューを作るポイントは以下の通りです。
- おしゃれなバナーを配置する
- キャッチーな言葉や情報を取り入れる
- クーポン、セール情報など魅力的な情報を記載する
ファーストビューでアニメーションを取り入れる場合は、重くならないように注意しましょう。ページ読み込みが遅いと離脱する可能性が高くなります。
ファーストビューは定期的に更新するようにしましょう。ファーストビューがいつも同じままだと閲覧者が飽きてしまいます。バナーや情報を定期的に取り換えてみるのも有効です。
6. 操作性に配慮する
おしゃれなデザイン、魅力的な情報などでECサイトの滞在率が上がっても、操作性が悪いと離脱やカート落ちの原因となります。商品ページやカートページ、決済画面での操作性もかならず見直しておきましょう。購入ボタンは「見やすいか」「押しやすいか」「個人情報の入力に手間を感じないか」などをチェックします。
7. 閲覧環境を問わないデザインにする
ECサイトの閲覧環境は、PC、タブレット、スマートフォンがあります。特にECサイトは空いている時間にスマートフォンを利用して閲覧する人も多いです。
そこでどのデバイスからも閲覧できるレスポンシブデザインを採用しましょう。PC向けのECサイトのままでは、スマートフォンやタブレットから閲覧したときに文字が小さい、タップしにくいなどの問題が発生します。PC向けとスマートフォン向け両方のページを制作し、閲覧環境に応じて切り替わるようにしましょう。
おしゃれなECサイト制作に役立つトレンド手法やデザイン
閲覧者にとって優しいECサイトの構成やデザインを把握したあとに、おしゃれなデザインのECサイト制作に進みます。おしゃれなデザインを構築するには、ECサイトのデザインにおけるトレンドを把握しておくのも重要です。ECサイトデザインのトレンドの手法やデザインには、以下のものがあります。
- カルーセル
- 無限スクロール
- タイポグラフィ
- グラデーション
- パララックスアニメーション
- アブストラクト
- 3Dグラフィック、アニメーション
- 手書き風デザイン
- レトロモダン
それぞれの特徴の詳細を解説します。
1. カルーセル
複数のコンテンツを並べて配置し、スライドショーのように見せる手法です。小さいスペースで多くの情報を記載できるため、ファーストビューにカルーセルを導入するECサイトが多くなっています。
2. 無限スクロール
ページをスクロールさせると新たなコンテンツが表示される手法です。同一ページで多くの情報を取得できるため、顧客の滞在時間の伸びが期待できます。特にスマートフォンユーザーの場合、タップによるリンクよりもスクロールのほうが操作性が高いです。LPのデザイン手法としても使用されています。
3. タイポグラフィ
テキストによるデザインの手法です。デザイン性の高いフォントを取り入れることで、情報を明確に伝えたり、インパクトを与えたりが可能になります。トップページに巨大なタイポグラフィを取り入れたECサイトもあります。
4. グラデーション
複数の色を組み合わせて色彩の変化を出す手法です。単色では表現できない色も表現できるため、ECサイトに取り入れることで個性を出し、他のECサイトとの差別化ができます。
5. パララックスアニメーション
近くにあるものは、遠くにあるものよりも動きが早く見える現象をパララックスと呼びます。パララックスを取り入れたアニメーションの手法が、パララックスアニメーションです。ECサイトでは、スクロールをした際にパララックスアニメーションが実行されることが多くみられます。
主なパララックスアニメーションには以下のものがあります。
- スクロールに応じて画像が動く
- 画像がずれてスクロールする
- セクションが紙芝居のように重なってスクロールされる
6. アブストラクト
自由な線や形を使って抽象的に描いた作品をアブストラクト・アートと呼びます。アブストラクトの手法を取り入れたECサイトも増えています。アブストラクトの背景素材もあるため、ECサイトにおしゃれな雰囲気を取り入れたいときに取り入れるのも有効です。
7. 3Dグラフィック、アニメーション
2DであるWebの世界に3Dを取り入れることで、奥行きや表現が広がります。以前は3Dを再生するには特定のプラグインが必要でしたが、現在PCやスマートフォンでもプラグインなしで3Dグラフィックやアニメーションを再生できるようになりました。
8. 手書き風デザイン
手書き風デザインは、温かみや優しさなどの印象を与える効果が期待できます。ECサイトのデザインはシンプル、クール、スタイリッシュなデザインがトレンドでしたが、EC化する業種も多様化しました。よって、手書き風デザインもトレンドになっています。
9. レトロモダン
1980~1999年ごろのWebデザインを現在のWebページやサイトデザインに取り入れ、現在のスタイルを組み合わせた手法がレトロモダンです。懐かしさとスタイリッシュさを合わせ持つデザインが完成します。
おしゃれなECサイトを実現するための3つの方法
おしゃれなECサイトを実現する方法には以下の3つがあります。
- プラットフォームを見直す
- デザインテンプレートやパッケージを使用する
- ECサイトのデザインを依頼する
それぞれに方法の詳細を解説します。
1. プラットフォームを見直す
自社のECサイトを構築するとき、プラットフォームによってはデザインによる柔軟性を得られないことがあります。例えばAmazonや楽天などのモール型ECサイトの場合、モール内でのページデザインには規則性が持たされています。統一感のあるデザインのECサイトは開業できるものの、他のECサイトと差別化がしにくいでしょう。
デザインに柔軟性を持たせたいときには、自社ECサイトの構築も検討しましょう。
2. デザインテンプレートやパッケージを使用する
デザイナーのようにデザインの知識やスキルがないと、何もない状態からおしゃれなデザインを構築するのは難しいです。あらかじめテーマに沿ったデザインのECサイトが構築できるテンプレートやパッケージを利用する方法があります。
デザインテンプレートは、ECプラットフォームサービスで配布または購入できるものやWordPressのオープンソースとして配布されているものがあります。デザイン込みのECサイト構築パッケージソフトウェアを購入して構築する方法も選択肢のひとつです。
ECサイトのデザインを依頼する
自社でECサイトのデザインリソースがない場合には、外注する方法もあります。おもに依頼先として候補に挙がるのが、制作会社やフリーランスです。
おしゃれなECサイトのデザインを得意としている先や、自社の商品やブランドイメージに合致するものを制作してくれる先を探しましょう。既存のECサイトをおしゃれなECサイトにリニューアルしたいときにも依頼できます。
おしゃれなECサイトで売上アップやブランディングを実現しよう
おしゃれで売れるECサイトを構築するためのポイントやトレンドの手法、具体的な方法を解説しました。ただデザインをおしゃれにするだけでなく、閲覧者の目線に立った優しいサイトデザインにすることも重要です。デザインと操作性、閲覧性を兼ねたECサイトを構築すれば、売上アップやブランディングも実現できるでしょう。
なお、おしゃれで売れるECサイトを構築するには、外注するのも有効です。例えばランサーズのフリーランスには、ECサイトのデザインのほか、ECサイトのプラットフォームの移行、テンプレート選びのサポートなどを得意としているフリーランスもいます。おしゃれなECサイトの実現にぜひ活用してみましょう。