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ECカートのサービス内容や機能とは?費用や選び方について解説

ECサイトの効率的な運営に不可欠なカート機能ですが、具体的にどのような役割やメリットがあるのか分からない人も多いのではないでしょうか。

本記事では、ECカートの概要やメリット・デメリット、ECサイトの運営に役立つ機能について解説します。ECカートを選ぶポイントやおすすめのサービスについても解説しますのでぜひ参考にしてください。

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ECカートとは?

PCで商品を落札する

ECカートとは、ECサイトの制作や運営に必要な機能を備えたソフトウェアサービスのことです。ユーザーが商品をカートに入れてから決済するまでの流れを、ひとつのプラットフォーム上で再現できます。大幅な業務効率化につながるため、ECサイトを制作する際は積極的に活用しましょう。

ECカートの種類は、大きく分けて以下の3つです。

  1. パッケージ
  2. ショッピングカートASP
  3. ECモール

それぞれの概要や特徴、メリット・デメリットについて詳しく解説します。

1. パッケージ

パッケージは、ECサイトの制作や運営に必要な機能をパッケージ化したサービスです。商品の出品や決済などの基本的なEC機能に加えて、ブログやメルマガ発信機能なども搭載しています。必要に応じて機能を追加して、独自のECサイトを制作することも可能です。

ただし、買い切り型の製品となりますので、サーバーなどのインフラ環境を自社で用意する必要があります。初期費用や月額費用がある程度かかるため、大規模なECサイトを制作する際におすすめです。

2. ショッピングカートASP

ショッピングカートASPは、ECサイトの制作や運営に必要な機能をクラウド上で提供するサービスです。ベンダー側のサーバーを利用できるため、自社でインフラ環境を用意する必要がありません。特別なスキルや知識なしで、誰でも簡単に本格的なECサイトを制作できます。

初期費用や月額費用が安く、自社で保守・メンテナンス業務を行う必要もありません。ある程度自社で管理できるECサイトをすぐに制作したいという人におすすめです。ただしあくまでベンダー側が用意した機能を利用するため、独自性のあるECサイトを作成したい人には向きません。

3. ECモール

ECモールは大手ECサイトのプラットフォームを利用して、自社ECサイトを構築したり、商品を販売したりする方法です。大手ECサイトの知名度や人気を利用できるため、自社で商品の宣伝を行う必要がありません。需要のある商品を適正価格で販売すれば、開設して間もないECサイトでもある程度の売り上げが見込めます。

ただしプラットフォームごとに登録手数料や販売手数料などを支払う必要があるため、上級プランを利用するほどコスト高になる可能性があります。ECモールを利用する際は、事前にどのくらいのランニングコストがかかるのか概算しておきましょう。

ECカートに実装されている機能6選

キーボードの隅に置かれたミニチュア

ECカートを導入すると、どの程度ECサイトの運営が効率化されるのでしょうか。ECカートに実装されている機能のうち、特に便利なものは以下の6つです。

  1. 商品ページの作成機能
  2. カート機能
  3. 受注管理機能
  4. 決済機能
  5. 顧客管理機能
  6. 販促管理機能

ECサイトに実装されている各機能の詳細を見ていきましょう。

1. 商品ページの作成機能

ECカートには、タイトルや本文の入力や画像アップロード、フォントの装飾など、商品ページを作成するための機能が一通り実装されています。直感的な操作で文字入力や装飾などを行えるため、HTMLやCSSなどの専門スキルや知識が必要ありません。

2. カート機能

カート機能は、商品をショッピングカートに入れて、購入手続きに進むために必要な機能です。商品を購入するための仕組みですので、ECサイトに必ず導入する必要があります。カート機能が導入されていないサイトはECサイトとはいえません。

カート機能は、BtoB向けのECサイトと、BtoC向けのECサイトによって必要な機能が異なります。市販されているものはBtoC向けのカート機能をベースにしていることが多くなっています。そのためBtoB向けのECサイトを制作する際は、必要なカート機能が搭載されているか事前によく確認しましょう。

BtoB向けのカート機能には、企業情報管理や掛け売りなど、BtoB取引に特化した機能が豊富に搭載されています。

3. 受注管理機能

受注管理機能は、Amazonや楽天市場、自社ネットショップなどで発生した注文情報を一括管理できる機能です。モールやショップごとに注文情報を管理するよりも大幅に業務を効率化できます。データベースにデータが保存されているため、条件を指定して特定の注文情報を検索することも可能です。

製品によっては、受注した注文情報を出荷のしやすさなどをもとに自動振り分けしたり、購入者の状況に合わせてお礼のメールを一斉送信したりする機能もあります。

4. 決済機能

決済機能は、銀行振込やクレジットカード決済、代金引換などの決済手段を、ECサイトに実装する機能です。顧客のさまざまな決済ニーズに対応するために、必要なものを導入する必要があります。

ECサイトに決済機能を導入するには各サービス会社と契約を結ぶ必要がありますが、サービス会社ごとに契約を締結するのは簡単ではありません。そのためECカートのベンダーは、事前にパートナーとなる決済代行会社と契約を結んでいることが多くなっています。

5. 顧客管理機能

ECカートには、顧客の名前や住所、購入履歴などを一括管理する機能が搭載されています。商品を購入する際に前回利用した決済手段が表示されるのも、顧客管理機能によるものです。顧客管理機能は、顧客の性格や行動特性、趣味・嗜好などを分析できるため、集客やマーケティングを行う際に役立ちます。

6. 販促管理機能

ECサイトでは、ユーザーの行動履歴をもとにクーポンを発行したり、キャンペーンを実施したりする販売促進業務が売り上げに大きく影響します。ECカートは、そのような販売促進業務を一括管理できる機能が豊富です。

販促管理機能は、新規顧客やリピーターの獲得に欠かせません。顧客管理機能によって分析した顧客の性格や趣味・嗜好をもとに、関連商品の魅力を伝える販促メールや会員登録を促すステップメールを送信することで、新規顧客やリピーターの獲得につなげます。

自社に合ったECカートを選ぶ6つのポイント

スマホで画面をタッチ操作する

ECカートのメリットや機能性について理解できたところで、自社に合うECカートを選ぶ6つのポイントについて解説します。

  1. 事業規模に合っているか
  2. 商品のイメージに合うデザインを作成できるか
  3. 自社に足りない機能を備えているか
  4. 安定してECサイトを運営できるか
  5. ECのサイトの構築や運用コストが適切か
  6. 外部ツールとの連携機能があるか

ECカートを選ぶ際のポイントの詳細を見ていきましょう。

1. 事業規模に合っているか

ECサイトの事業規模によって、適切なECカートも決まります。例えば、将来的に数億円以上の事業規模を目指している人は、多様なEC機能が搭載されているパッケージ製品を利用するのがよいでしょう。小規模から中規模のECサイトを自社で運営したい人は、必要最低限の機能が揃っているショッピングカートASPをおすすめします。

ECモールは商品の販売数が多くなるほど手数料も高くなるので、基本的に小規模もしくは中規模サイトを運営したいときに利用するとよいでしょう。

2. 商品のイメージに合うデザインを作成できるか

アパレルなどのイメージが大事なECサイトを制作する際は、ブランドに合ったデザインを構築する必要があります。そのため、カスタマイズ性に優れたショッピングASPやパッケージを利用するのがおすすめです。ECモールではプラットフォームが提供する機能を使うため、サイトのデザインを自由にカスタマイズできません。

ただしジャンルに特化したECモールは、集客における恩恵の方が大きいため、積極的に活用することをおすすめします。

3. 自社に足りない機能を備えているか

ECサイトに足りない部分は、会社によってさまざまです。ECカートを選ぶ際は、自社ECサイトにどのような機能が足りないのかをしっかりと把握し、ECカートに求める機能性を明確にしましょう。

デザインスキルに自信がない人は、デザインテンプレートが豊富でカスタマイズ性に優れたショッピングカート ASPやパッケージがおすすめです。集客力や知名度が足りない場合は、楽天やAmazonなどのプラットフォームを利用しましょう。

4. 安定してECサイトを運営できるか

ECサイトを安定して運営できるシステムやサーバーを利用しているか確認しましょう。安定して事業を運営しているように見えても、突然サービスを終了させるベンダーもいます。

ECカートを選ぶ際は、事業規模の大きさや、ここ数年の事業成長率などを確認し、サービスとしての将来性があるかを確認しましょう。

5. ECのサイトの構築や運用コストが適切か

ECサイトを構築・運用するのに、どれくらいの費用がかかるのか確認しましょう。事業規模や商品数などをもとにすれば、初期費用や月額費用、手数料などをある程度概算できます。ECカートへの乗り換えを検討している人は、現状発生している料金と、サービス導入後に発生する料金の差額を比較・検討しましょう。

6. 外部ツールとの連携機能があるか

ECカートへの乗り換えを検討する際は、外部ツールとの連携機能があるかを確認しましょう。自社ECサイトとの相性次第で、既存の決済代行サービスや受注管理システムなどを利用できない可能性があります。

おすすめのECカート9選

ノートPCとミニチュアのカート

ECカートのメリットや選び方について理解できたところで、おすすめのECカートを9つご紹介します。

  1. Shopify
  2. BASE
  3. STORES
  4. 楽天市場
  5. Amazon
  6. Yahoo!ショッピング
  7. カラーミーショップ
  8. MakeSho
  9. EC-CUBE

表と共に、詳しく説明していきます。

1. Shopify

Shopifyは、海外で人気のショッピングカートASPです。月額数千円ほどのリーズナブルな価格で、セキュリティレベルの高い本格的なECサイトを運営できます。さまざまな外貨や複数の言語に対応しているため、海外向けのECサイトを運営したい人にもおすすめです。

プラン名料金プラン概要
Shopify Lite月額費用:9ドルすでに自社ECサイトを運営している人向け
ベーシック月額費用:29ドル基本的なECサイトを運営したい人向け
スタンダード月額費用:79ドルレポート機能や海外ドメインの設定機能などが追加
プレミアム月額費用:299ドル高度なレポート機能などが追加
Shopify Plus月額費用:2,000ドル~大規模なECサイトを運営したい人向け

Shopifyの公式サイト

2. BASE

BASEは、無料で本格的なECサイトを作成できるショッピングカートASPです。メルマガの配信やクーポンの発行といったマーケティング機能や、SNSからのアクセス数がわかる解析機能などを提供しています。さまざまなジャンルに最適化されたデザインテンプレートも豊富です。

プラン名料金プラン概要
通常プラン・BASEかんたん決済手数料:3.6%+40円
・サービス利用料:3%
・無料で始められる
・コストを抑えられる
・サポート体制が充実している

BASEの公式サイト

3. STORES

STORESは、誰でも簡単にECサイトを制作できるショッピングカートASPです。豊富な決済手段や便利なEC機能が搭載されているため、あらゆるジャンルのECサイトを構築できます。無料プランが用意されているため、ECサイトを試験運用したい人にもおすすめです。

プラン名料金プラン概要
フリープラン・決済手数料:5%・無料でECサイトを制作できる
・基本的なEC機能を搭載している
スタンダードプラン・月額費用:2,178円
・決済手数料:3.6%
・決済手段のカスタマイズが可能
・売上が月20万円を超えるとお得

STORESの公式サイト

4. 楽天市場

楽天市場は、国内トップクラスの集客力と売上高を誇るECモールです。実店舗を所有していなくても、簡単に自社専用のECサイトを構築できます。会員IDの数が1億2380万個もあるため、自社で集客やマーケティングを実施する必要がありません。

プラン名料金プラン概要
がんばれプラン・月額費用:19,500円
・システム利用料:3.5~7.0%以下、全プラン共通料金・楽天ペイ利用料:月間決済高の2.5~3.5%
・楽天ポイント:楽天会員が購入した代金の1.0%
・モールにおける取引の安全性/利便性向上のためのシステム利用料(税別):月間売上高の0.1%
・楽天スーパーアフィリエイト(税別):アフィリエイトを経由した売上の2.6%~
・R-Messe(税別):3,000円/月~
ECサイトの制作経験が少ない人向けのプラン
スタンダードプラン・50,000円/月
・システム利用料:2.0~4.5%
・共通料金
月収140万円以上ECサイトを運営したい人向けのプラン
メガショッププラン・100,000円/月
・システム利用料:2.0~4.5%
・共通料金
大規模なECサイトを運営したい人向けのプラン

楽天市場の公式サイト

5. Amazon

Amazonは、テナント型と呼ばれるECモールです。ECサイトを構築せずに自社商品を出品するだけなので、誰でも簡単に利用できます。Amazonのブランドや知名度を利用できるため、自社で集客やマーケティングを行う必要もありません。自社ECサイトの販路を増やしたいときにおすすめです。

プラン名料金プラン概要
小口出品・100円/商品
・販売手数料:8~15%
ECサイトの制作経験が少ない人向けのプラン
大口出品・月額費用:4,900円
・販売手数料:8~15%
・商品の広告を出せる
・毎月の販売数が50個以上でお得

Amazonの公式サイト

6. Yahoo!ショッピング

Yahoo!ショッピングは、初期費用や月額費用が無料のECモールです。ソフトバンクやLINE、PayPayなどの顧客基盤を利用できるため、自社でブランディングやマーケティングを行う必要がありません。ソフトバンク会員やYahoo!プレミアム会員向けのECサイトを運営したい人におすすめです。

プラン名料金プラン概要
通常プラン・ストアポイント原資負担:1~15%
・キャンペーン原資負担:1.5%~
・アフィリエイトパートナーの報酬原資:1~50%
・アフィリエイト手数料:アフィリエイトパートナーの報酬原資の30%
・クーポン発行やポイント倍率の設定、メルマガ配信など、便利なEC機能を利用できる
・無料で複数のストアを運営できる

Yahoo!ショッピングの公式サイト

7. カラーミーショップ

カラーミーショップは、さまざまな機能を実装できるショッピングカートASPです。HTML・CSSの編集や独自ドメインの設定、メルマガ配信などの便利機能を無料で利用できます。需要のある商品を手間なくインターネット上で販売したい人におすすめです。

プラン名料金プラン概要
フリー・0円/月
・決済手数料:6.6%+30円
ECサイトを制作・運営するための基本的な機能を搭載
レギュラー・3,300円/月
・初期費用:3,300円
・決済手数料:要問い合わせ
フリープランに、名入れや電話サポート、商品レビューなどの便利機能が追加
ラージ・7,945円/月
・初期費用:3,300円
・決済手数料:要問い合わせ
定期購入で利用できる決済方法にクレジットカードが追加

カラーミーショップの公式サイト

8. MakeShop

MakeShopは、機能性に優れたショッピングカートASPです。メルマガ配信やレビュー投稿、人気ランキングの表示など、マーケティングに役立つ機能が豊富に搭載されています。カスタマイズにも優れており、任意の場所に動画コンテンツを埋め込んだり、サイトのレイアウトを注文フォームに改修したりすることも可能です。

プラン名料金プラン概要
プレミアムプラン・初期費用:11,000円
・月額費用:11,000円
・カード決済手数料:3.19%~
・カスタマーサポート、HTML/CSS入力サポート、運営サポートを受けられる
・API連携が可能
MakeShopエンタープライズ・初期費用:110,000円~
・月額費用:55,000円
・カード決済手数料:3.14%
・専任のサポート担当がつく
・HTMLメールを無制限に配信可能

MakeShopの公式サイト

9. EC-CUBE

EC-CUBEは、カスタマイズ性とコストパフォーマンス性に優れたECパッケージです。HTMLなどのソースコードを自由に編集できるため、独自性のあるECサイトを制作できます。必要に応じてクーポン発行などの便利機能を実装できるため、コストパフォーマンスも抜群です。

プラン名料金プラン概要
Liteプラン・初期費用:無料
・月額費用:6,800円〜
・スモールスタートしたい人向けのプラン
・現在は新規受付停止中
・2週間の無料トライアルあり
Standardプラン・初期費用:70,000円
・月額費用:49,800〜84,800円
・ソースコードのカスタマイズ機能が使える
・事前に変更箇所の確認やテストができる

EC-CUBEの公式サイトはこちら

比較ポイントをしっかりと押さえて自社に合ったECカートを導入しよう

ECカートは、自社の目的や状況によって最適な手法が異なります。導入後にミスマッチが生じないよう、事前にパッケージやショッピングカートASP、ECモールのメリット・デメリットをしっかりと把握しましょう。

本記事でご紹介したそれぞれの特徴やポイントをしっかりと押さえて、自社に合ったECカートを導入してください。

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