採用戦略を実現するには、人事のリソースを適切に配分する必要がある
事業内容を教えてください。
弊社は「Technology for Sales~勘と根性の営業をテクノロジーで進化させる~」をミッションに掲げ、勘と経験に依存しない、効率的な営業活動を実現するインサイドセールスシステムを提供しています。導入後は、お客様に対してオンボードを行ったり、コンサルティングを行ったり、最近ではセールスデータの分析等も事業の一つとして行っています。
弊社の営業特化型Web会議システム「bellFace(ベルフェイス)」は、5秒でどこからでも誰とでもつながることができ、対面で商談しているときと何ら変わりない状況をつくりだせます。さらに、インサイドセールスで営業成績を高める運営方法やノウハウを提供するなど、セールス領域に新たな価値をもたらす事業を展開しています。
先端のサービスを提供しているベルフェイスさんですが、人事としても独自の戦略で新卒採用に成功されていますよね?
採用戦略において、私たちが何で勝つのかということを考えたときに、いわゆるユニーク・セリング・プロポジションという観点から、「1on1」でのコミュニケーションを自社の強みと置きました。1対1だったら、他社に負けないレベルで学生とのつながりを強められると考えたからです。
新卒だけに限りませんが、採用活動では一人ひとりとの接点を持つだけではなくて、お互いの理解を深められる関係性を築けるよう、面談にかなり多くの時間を使っています。本音で向き合う人事であることを大切にしているのですが、これは単に人材獲得という観点だけではなく、入社後のイメージギャップをできるだけなくしたいという思いもあってのことです。
この取り組みが功を奏したのか、結果として学生が複数の企業で迷ったときも、軸足をベルフェイスに置いてくれている状態で選考を進められました。2019新卒では、ほぼ計画通りに9名採用することができました。
今回、人事でLancers Assistantを導入した経緯を教えていただけますか?
今、お話ししたとおり、候補者との面談は当時の採用戦略において重要な位置づけにあり、私がしっかり時間をかけてやるべき業務でした。しかし実は前期まで、人事担当は私とアシスタントの二人体制でリソースが足りていない状況でした。
人事の業務は、採用戦略や企画などの「クリエイティブ」な仕事、面接・面談などの「エモーショナル」な仕事、日程調整などの「オペレーティブな仕事の3つに分けられると思っています。限られたリソースと時間をどこにかけるべきかを考えたときに、オペレーティブな仕事はアウトソーシングしようと決め、Lancers Assistantに依頼することにしたのが今回の経緯です。
社内外でのブランディングを推進するため、コンテンツ戦略を強化
現在、Lancers Assistantにどのような業務を依頼されていますか
「Wantedly(ウォンテッドリー)」に掲載する社員インタビュー記事の制作をお願いしています。企画やインタビューは社内で行っていますが、その後の工程である音声データからの文字起こしと執筆をLancers Assistantに依頼しています。
実は、最初の数本は自分で文字起こしから執筆までやってみたんですね。でも、あまりに時間がかかるなと実感しまして……。企画から取材まで終えれば、あとは形にするだけです。この部分をLancers Assistantにお願いすれば、記事のバリエーションを短期間で増やせると考えたんです。
人事の数ある業務のなかで、社員インタビュー記事の制作をアウトソーシングしようと決めたのはなぜですか?
自社でコンテンツを持つことを重要な人事戦略と置いているためです。理由はいくつかありますが、一つは情報を積極的に発信することで採用ブランディングにつなげられること。もう一つは、インナーブランディングになることですね。
おかげさまで現在弊社では着々と人が増えておりまして、2018年3月に25名だった社員数が、2019年4月で64名になりました。転職するタイミングって注目が集まりやすい。
かつ、転職理由やその時の思いには、それぞれストーリーがあると思うのです。「なんでそこからベルフェイスを選ぶに至ったの?」っていう風に。
そこを記事にして転職した人がシェアすれば、注目度が高い状態でストーリーを公開できるので、それだけで武器になるんですね。その記事は社内の人も読むので、社員同士のコミュニケーションにも繋がります。
社内外ともにブランディングを推進するうえで、コンテンツづくりは優先的に取り組むべきことだと考えています。
Wantedlyに掲載している記事の切り口がとても面白いですよね。企画はどのように決めているんですか?
私ともう一人、広報担当がいるんですが、二人で意見を出し合いながら決めています。弊社のスタンスとして、情報はフルオープンにして、あるがままに包み隠さず表に出そうというところにこだわっているんですね。
そこから生まれた一つが、内定辞退者へのインタビュー『なぜ私はベルフェイスを選ばなかったのか』という記事です。これは、学生が本音を話してくれる関係性をつくれていたからこそ実現できた企画だと思っています。
『平成最後の今年、ハイヒールを脱ぐ覚悟はできていますか?』という記事では、私が実際にハイヒールを履いて働いてみるという企画もやっちゃいました(笑)。記事を読んだ学生から、「自由な会社」「面白いことをやっている会社」と言われることが増えたので、企画は成功したのかなと思っています(笑)。
弊社はBtoBの事業を展開しているので、学生からすると何をやっている会社かイメージしにくいんですね。なので、記事の企画を考えるときは、どれだけ共感を得られるアウトプットができるか、エモーショナルな部分を大事にしています。
最適なライターをアサインしてくれる担当ディレクターによって記事品質が向上
アウトソーシングで自社のイメージをしっかり伝えられる記事を制作するのは簡単ではないと思うのですが、Lancers Assistantが納品する記事には満足されていますか?
品質という点では大きな手直しが必要ないレベルで納品していただいているので、本当に感謝していますよ。品質を担保できているのは、担当のディレクターさんが私の求めているニュアンスまでしっかりつかんだうえで、最適なライターさんをアサインしてくれているからだと思っています。
じつはLancers Assistantに依頼する前に、直接、ライターさんを探して依頼していたんですね。そのときに、自分で記事品質を担保するのはかなり難しいうえに効率的じゃないと思ったんです。ディレクションをするにも時間がかかりますし、手直しが多ければ余計な手間もかかってしまいます。
もちろんLancers Assistantにお願いする際も、企画の狙いや、どういう仕上がりにしてほしいのか事前に詳細を伝えるといった手数は必要になります。ただ、本数が増えるほど事例が積み上がって記事のパターンがある程度できていくので、依頼時の手間はどんどん減っていきます。
それと同時に、Lancers Assistantがより細かなニュアンスまでつかんでくれるようになっているので、記事の品質がさらに上がっていくという好循環で運用できていますね。
Lancers Assistant を活用して、具体的にどのようなメリットがありましたか?
まず大きな効果でいうと、自分の時間を正しく使えるようになったというところですね。最低限の指示出しで動いていただけるので、理想的なパワー配分で人事業務にあたれています。
もう一つは、アウトプットの質が上がったことです。たとえば細かいことですけれど、Lancers Assistantは記事のタイトル案として3つほど出してくれています。これはディレクターさんとの会話のなかで、「タイトルがいつも面白いから、3つくらい候補をもらえるとうれしい」という話をしたことから実現しました。
自分にはないアイデアをいただけて、自社の記事に新たな視点を取り入れられるというのはLancers Assistantを利用する大きなメリットだなと感じています。
記事の本数、質ともに向上したということですが、それによって採用面でも効果や変化がありましたか?
Wantedlyへの掲載実績でいうと、2018年の上半期は31本、Lancers Assistantを導入した下半期は44本出せています。採用人数では、2018年の上半期は12名、下半期では中途採用が13名、2019新卒が9名、2020新卒で5名採用できています。この結果は、記事コンテンツの量・質ともに上げられたことと、私のリソースを面談やコア業務にあてられるようになったことが大きく影響していると考えています。
新卒の母集団形成においても、2018年4月に110名ほどだったのが、現在では250名を超えています。もちろん、Wantedlyの記事だけが勝因ではないと思いますが、一年かけてコンテンツをしっかりつくってきたことは結果に大きく貢献していると思っています。さらに採用単価も下げられているので、コンテンツ戦略による効果は大きいと判断していますね。
コンテンツを持っているだけで、人事は助けられるシーンが多いんですね。記事を見て拡散してくれる学生がいたり、この会社は面白いっていうファーストインプレッションを持ってくれたり。私のなかでは応募者との接点をつくるための、一つの勝ちパターンになっています。
今後の仕事に必要なのは、一緒に事業を推進できる社外パートナー
今後はLancers Assistant をどのように活用していきたいですか?
人事でよい結果を出せたので、現在は他部署でもLancers Assistantを使い始めました。弊社のHPのなかでも重点を置いている「導入企業の成功事例」のインタビュー記事をお願いしています。
人事のほうでも、たとえば採用広報に使う資料作成を手伝ってもらうなど、今後さらに活用範囲を広げていきたいと思っています。
Lancers Assistant は、西島さんにとってどのような位置づけにありますか?
これからの仕事では、社内だけではなく社外にもコミュニティを広げていくべきだと感じています。たとえば、ここまでは自分がやる仕事、ここからは誰かに任せる仕事という線引きをするときに、社外も視野に入れた業務設計が重要になるのかなと。
とくに人事部門はコストセンターになりがちなので、どのくらいの人員を配置すべきかが悩みどころになります。私はできるかぎり社内メンバーは少なくして、社外に業務を振り分けられるよう、コミュニティを持つことが必要だと思っています。そのためには、単にアウトソーシングという枠組みで考えるのではなく、一緒に事業を推進できるパートナーシップが重要になります。
そういった意味で、Lancers Assistantはまさに、私にとって社外パートナーという位置づけにありますね。
Lancers Assistant のおすすめポイントがありましたら、ぜひお願いします!
ディレクターさんの気遣いと臨機応変な対応ですね。無茶ぶりをしても解決策を提案してくれるので、社外の人っていう感覚がどんどんなくなってくる(笑)。
都度、確認や報告もしてくれるので、安心して任せられます。リソースの確保や品質アップももちろん重要ですが、そこにプラスして、ディレクターさんの協力を得られるのはLancers Assistantを使う大きなメリットだと思いますよ。