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2023年04月03日

メキシカンラプソディー その5(初めての出張現場で初調整)

メキシカンラプソディー その5(初めての出張現場で初調整)
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昨日見て回ったサイトで数ヶ所据付がほぼ終わっている処から先ず保守モードで動かす(手動モード)点検を始める。作業項目は、
1.制御盤と主電源の動力配線が正常に結線されているか(誤結線や絶縁が正常か)。
2.確認後、機械室で強制的に駆動モーターが動くかの確認。
3.エレベーター上部に乗り手動モードで動かすための配線チェック。
4.自動運転の為に必要な昇降路内部の器具の取り付け。
5.制御盤と昇降機間の結線チェック。
6.機械室と各階の配線チェック。
7.自動運転の動作確認(エレベーター内の各操作(ドア開閉、各階の停止操作)
8.各階のエレベーター呼びボタンや表示の確認。
9.ドア開閉の微調整、停止位置の微調整
10.最上階・最下階で止まらなかった時の緊急停止動作確認(これは寿命が縮まる、何故かというと通常の停止制御をワザと殺して最上階・最下階を通過させるから)。止まらなかったら、ピットのバッファーに衝突して止まる(先ずないが)、最上階はピットの様なバッファーが無いのでヤバい。因みに最上階へ上る方が危ない。エレベーターの天井がぶつかって止まる(最悪の場合でこれも先ずない)。安心して下さい。






作業項目1.を始める。
1.制御盤と主電源の動力配線が正常に結線されているか(誤結線や絶縁が正常か)。
取り敢えず、停止回数が少なく単体のエレベーター(二台以上は群管理用の制御盤が追加)の現場から始めた。太い電線を夫々の端子から外して絶縁を測定したところ異常なし。再結線して、主電源boxのスイッチレバーを入れた途端、ぶっといヒューズから!パン!と破裂音が鳴り、終了。「え!絶縁測定で以上なかったのに、何でヒューズが飛ぶんや?!」と最初っから躓いてしまった。そもそも電気は見えないから嫌い、機械は目で見えるから安心で分かりやすいと、大学は機械科を選んだ俺が、嫌いな電気を扱う事をすっかり忘れていた。一服しに、海岸際までブラブラ歩きながら頭の中はどうしたらこの問題を解決出来るんだと、大忙し!。
機械室に戻って来て、配線図を拡げ図面と実際の電線を見比べながら調べて行くと、制御盤側でアース線が間違って三相電源端子の一つに繋がっていた。主電源box側だけで絶縁確認した結果の始末。一つ勉強になった、とわ言えヒューズを手に入れる迄此処のサイトでは作業が進められない。なので、次のサイトへ移って、作業項目1に再び着手。
項目1を終えたところで、昼ご飯となる。作業現場で周辺には食べ物屋など一切ない。作業者に昼食は何処で食べているか聞くと、ダットサンで持ってくる食事を食べるという。町まで食べに帰ると往復のタクシー代で出張費が少なくなるし、そもそも町まで往復一時間で行って帰るだけで休憩時間が無くなってしまう。仕方なく、作業者たちと同じ食事を買って食べるしかない。安いだけで、少しも美味しくない昼飯だ。それでもまだ食べられるだけましだ。しかし、一度だけ煮ても焼いても食べられないおかずが出た事があった。流石に一口食べて、残りは昼食時におこぼれを貰う為に寄って来る野良犬にも、匂いを嗅がれただけで跨いで行くではないか。あ〜情けナや!

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昼食時間が終わり、作業再開。今度は無事に電源を投入出来てイザ、強制的に機械室で駆動モーターを入れると、一瞬にしてモーターが回転しかけて、ブレーキが作動する動作を繰り返す。は〜!訳分かれへん!ここで又躓く。先輩に言われたタオルを持って行けの言葉が蘇る。未だ、無く程ではない。少しづつ配線図面を眺めながら、制御盤からモーターへ行く線を辿って行く。考え込むの繰返しを何度かしているうちに、ふと、モーターのブレーキ接点にアース線が結線されているのが目についた。お!これかもと思いながら配線を直してから図面と比較し動かしてみると正常にUP−Downしたではないか!やったー!と少しだけ自信がついてきた。このご結線がシーケンス図面を読み解く最初のノウハウとなった。因みにシーケンス図はラダー図とも別名呼ばれ図面の左右の縦線の間にリレーや他の部品が置かれ左の縦線がプラス、右の縦線がマイナスの共通線でその間を電気が通じる。とはいってもこの記事を読んでいる皆さんにはピンとこないだろう。説明不足ですみません。
機械室での作業を終えて、エレベーターの天井に乗り込み3〜9迄の作業項目をこなしていくのに一週間くらいかかったと記憶している。兎に角作業者の外部誤結線が多いので、その都度直していく時間が半端でなかった。かくして、最後の作業項目である末端階で止まらなかった時の緊急停止制御を確認する。これは、機械室で人為的に最上階と最下階の停止装置の信号を殺して、自動運転を行い緊急停止するかの動作確認。最上階は天井に緩衝器が無く緊急停止出来なかったら、最悪エレベーターのカゴが天井に当たってしまうので、最下階の方からやってみる。深呼吸してから、動作試験開始。最下階に近づいたがスピードが落ちない(幸い此処のホテルのエレベーターはシンプルで速度も遅いスペックなので大事には至らない)バッファーにぶつかって止まる。え!と又頭打ち!。エレベーター引き渡しまでの時間もかなりの余裕があるので、このサイトは一旦ペンディングにした。



次のサイトに移って作業を開始。ここのサイトは最初の方はご結線も少なく割と順調に作業が進んだ。エレベーターの自動運転まではほゞ順調だったが、各階の呼び出しボタンの動作確認とエレベーター内のドア開閉及び各階停止ボタンの動作確認で誤動作が頻発し出した。又訳が判らん壁にぶつかる。この頃になると比較的シーケンス図も読めるようになっていたので、一番怪しいヶ所からバグを探す事にする。何所がと言えば、機械室の制御盤と昇降路間の外部結線だが、其処は問題ない。そこで、ハタと!制御盤内の誤結線?と思いつく。工場で製作された制御盤内の誤結線は先ず無いものであるが、この現場に搬入された制御盤はメキシコ内作第一号。工場出荷前にチェックしたはずだが、兎に角第一番目の製作だから可能性は多い。そこで見つけたのが誤結線ではなく余分な線の存在であった。要は、余分線がバイパスの役目を果たし正常な制御信号が送られない訳だ。
予想通りの工場側の結線・配線ミスが十数ヶ所あるサイトでかなり見つかったので、本社に連絡して日本人技術者の応援を工場から送ってもらう事にした。とは言え、直ぐには来てもらえないので、その間に一つずつ制御盤のチェックを行う。その間に2ヶ月が過ぎ、出張先で日本語で話す機会が無く、未だタドタドシイスペイン語で話すのに徐々にストレスが溜まってきた。ストレス解消に先ずは、ホテルに帰って問題のある個所の解決の為に図面を拡げ、声を出して自分の耳で日本語を聞く事をした。一週間程度はそれで、ストレスを発散できたが、その内それでもストレスが溜まり始め、日本語の会話に飢えた俺は、本社の上司を呼び出してもらい、電話で問題点を意見交換する事で少し落ち着く。上司が不在の日は、誰かしら気さくな別の部署の日本人に繋いでもらい、他愛もない日常会話と現場の愚痴を吐き出す事で、ストレスを発散するコツを覚えた。
遂に工場から日本人技術者が応援で来てくれたが、余り役に立たない。俺が症状を話しても、解決に時間がかかるし、何よりも、工場とは労働環境が違うことで、精神的に参ってくる始末。一週間程で根を上げ始めたので、その技術者に別の人に来てもらうよう勧めると、ホッとしたように、工場へ連絡を取った。
こちらも、俺と同程度のバグ処理能力では時間が幾等あっても足りないため、異論は無し。次に送られてきた技術者とは、凄くウマが合い公私共々楽しく有意義な過ごせた。この人とは色々な現場で一緒に作業をすることとなる。
話は戻って、ペンディングだった最上階、最下階の緊急停止誤動作の原因調査を、単独で進めたところ、制御盤内の余分線が有ったことが判明した。その旨を技術者に説明して工場の出荷管理の徹底化の情報としてもらう。技術者曰く、この現場と同じく工場のメキシコ人作業者のスキルが低いために起こった事である、と意見を述べられたが、そんな事知ったこっちゃない、兎に角技術を高めてもらわないと困りますとだけコメントしておいた。まぁ、時間を要する問題だと仕方なしに納得せずともそれ以上の苦情は止めた。余分線のエラーを見つけるのは大変でシュミレーションの設備は無いという事だったと、記憶している。
少しマニアックな記事でしたが、今回も読んで下さり有難うございました。感想やコメントをお待ちして居ります。ジジイには元気がもらえますので(^_-)-☆
メキシカンラプソディー その6へ続く





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メキシカンラプソディー その4(初めての現場出張)

メキシカンラプソディー その4(初めての現場出張)
担当現場で色々と経験を積み、作業者への指示もそこそこ出来るようになった頃、メキシコ国内でカンクーンとかユカタン半島のリゾート開発が未だであった時代、マンサニージョという太平洋側の場所に断崖を利用したコテージ風のホテルの建設現場に、工事進捗状況を見に行く初めての出張があった。此の現場はコテージ群があちこち散らばるアラブ風の建物で、エレベーターの数は多いのだが、停止数は少なく、多い所で4停止、エレベーターも2台とか1台とかで単純な構造の据付現場で、俺の様な未だ駆け出しの調整マンには丁度良い現場ではあったと思うので、上司から指示が下った訳だ。
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今でも営業しているホテルの外観





初めての出張で心細さも有り、進捗状況を確認すると、調整作業に入るには全然据付が進んでいないので、一泊だけして戻ってくると、上司に「何だ!もう帰って来たのか、ついでに据付を手伝ってこなかったのか」と、小言を言われてしまった。此の上司の技術は高く、既に稼働中のエレベーターのトラブルを地方の駐在員に電話で指示をして直してしまうスキルを持っている方であった。仕事に対する姿勢が厳しい方で、辛くはあったが其のおかげで比較的短期間に技術の習得が出来た事は有難い事であった。






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マンサニージョの現場の据付がある程度進んだ頃、愈々上司から「据付が終わった処から調整して来い!」と指示が出て長期の出張となった訳だが、この現場が大変な苦労をすることになる。要因を挙げると。
1. 俺が経験不足
2. 据付作業者が経験不足
3. 制御盤が初のメキシコ製
この3要素で実に困難な調整現場となった。出張前にメキシコ国営企業の本社ビルに受注したエレベーターの施工管理と調整をする為に、長期出張で来られたベテラン技術者に、据え付け・調整資料と工具類や測定機などを確認してもらい、他に何か足らないものがあるか尋ねたところ、「タオル!」と言われた。???
曰く、その人が初めて新潟の現場に出張に出かけた時、駅から現場に向おうと心細い思いをしながら道を歩いていると、電線に積もった雪がぱさっと頭に落ちてきた途端、泣けて来た経験があったが、「お前も現場で泣くことがあるから」と言う助言であった。

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愈々、現場に出張、早朝の便で現場最寄りの飛行場に朝8時過ぎに到着、そのままタクシーで現場に向かう。現場の建築事務所に顔を出すが、特に許可とか案内とかも無く勝手に据付現場へ向かう。写真の風景の様な建物が散らばった現場だったので、据付作業者を探すのに可成り手間取った。漸く作業者を見つけ、エレベーターが設置される据付場所を案内してもらうが、あちこちと場所が散らばっているので、全体像を摑めない。取り敢えずは、各据付場所の据付進捗状況を把握することに努めた。その日はそれで、終了。建設現場から市内に戻り、適当な安ホテルを探しその後夕食を食べ終わったら9時過ぎになった。移動の疲れもありバタンキュー。翌日から本格的に現場で調整を始める。
明日からの記事は可成り詳しくエレベーターを普段皆さんが使えるようになる迄の手順を書いていく事にする。今日も読んで頂いて有難うございました。メキシカンラプソディー その5へ続く


2023年03月28日

メキシカンラプソディー その3(リアクタープロジェクト完成と職場移籍)


リアクタープロジェクトリーダーとして、前述に重複するとは思うが、手順は
@ リアクターとはどういう目的の物か(機能の勉強)
A リアクター生産設備の種類
B 生産設備の製作を分類(購入品・外注品・内作品)
C 図面作成(外注用・内作用)
D 購入品のリサーチと業者の選定
E 製作期間の策定
これ等の事を一人で取り掛かった。とはいっても分からない所は全て出向者や出張者の方々に聞きまくる。着手して生産設備の完了まで10カ月程度だったと思う。その間にほぼ全てのプロジェクトリーダー製作期間の管理を主として、そして図面作成のノウハウを取得し、仕事の基礎を習得出来たといえよう。今から思い返して見ても、これ程ハードな時期はなかったかも知れない。しかし充実して楽しかった思い出だけが記憶に残っている。

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プロジェクトを完了させ、生産設備の試運転、バグ処理であっという間に3ヶ月は過ぎ去った。当然製作期間を含み生産ライン完了まで大幅な遅れは無く、ド素人がやり上げた達成感は自分に大いな自信となった。プロジェクトが終わり暫くすると、別の事業部から声がかかった。理由は、「鉄道用の生産はプロジェクトなので、納品が終わるとプロジェクトは解散するがこちらの事業はプロジェクトではないので永続的だ。この会社に腰を落ち着けるのであれば、コチラの事業部へ移籍して手伝ってもらいたい。」という事で、しばらく考えた後、移籍に合意した。

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リアクタープロジェクトに関わった多くの人から惜しまれながら、工場勤務から本社勤務に移り、引っ越しも終えて、暫らくは又一からこの事業部の内容を覚えることになった。とは言うものの、担当が昇降機の現場据付スーパーバイズ兼調整係。先ずは、シーケンス電気図面を渡されて、この図面を読めるようにしておけ!と、基本の基本だけレクチャーを受けた後、図面とご対面。何がどうなっているのか、何処とどこが繋がっているのかチンプンカンプン!二週間くらい図面と向き合っているうちに、上司から取り敢えず調整現場に付き添いが命じられた。

新築マンションに電気が通ったので、既に据え付けられたエレベーターの調整の手伝い。上司に付き添ってその仕事を手伝う事約三ヶ月。それから、10階建てのマンションの据付現場のスーパーバイズ(現場監督)を担当する事になった。現場に着いて先ず思ったことは、資材倉庫たるや地価の一角で湿った土の臭いがして、「うわ!工場勤務と職場環境が天と地の差だ!コーヒーも無いし、座るいすや机も無いやん!」と職場から逃げ出したい気持だった。仕方なしに現場に通っているうちに何とか慣れて来た。ある土曜日、仕事は一時迄だが資材を搬入するトラックが到着するのを待っているのだが、2時間も遅れてやって来た。工場勤務の時は殆どスペイン語のスラングを知らなかった俺は、運転手が遅れた理由を話してくれたが聞き覚えのないスラングばかりでチンプンカンプン。現場の作業者に何を言っているか聞いてみるとスラングを全部取れば分かるよ!と苦笑いされた。


運転手は会社の倉庫を出たら、直ぐにパンクしたのだがXXスペアタイヤもXX空気が入っておらずXXの修理屋迄XXを外して持って行った。XXタイヤ修理が終わって、現場に向かっていたらXXポリ交がXXいちゃもんを付けて来たので、仕方なくXX交渉して袖の下の金を渡したりして遅れてしまった。というのでXXを省いてやっと意味が通じたわけ。
職場環境が変わった事が、最初の頭痛の種だったが、それより、もっと悩みの種だったのが、指示が通らない、言わば現場作業者にお坊ちゃん扱いされていたこと!。理由は、建設現場の作業者はスラングを使うことが多く、俺がスラングを話さないと、軽くみられてしまう事だ。工場勤務ではスラングを使う必要が無かったので、スラングを使った指示の出し方や注意喚起が出来ないと、言う事を聞いてくれない作業者が殆どであったこと。最初の頃はそういった苦労があった。







メキシカンラプソディー その4へ続く

2023年03月06日

メキシカンラプソディー その2(アルバイトから本採用へ)

メキシカンラプソディー その2(アルバイトから本採用へ)
 図面のスペイン語化作業も終り、専門職工に教えを乞う日々を過ごすしていたある日、突然面接と採用試験を受けたS社長に上司と共に呼び出される。「何かヘマしたのかな?解雇されるのかな?」とか、不安な気持ちを抱えて社長室へ入ると、全く予想もしなかった言葉が待っていた。社長曰く「人手が足らないからリアクター設備を内作するプロジェクトリーダーとして、頑張ってくれ!」俺は、「そんな大役無理ですよ!卒業したばかりで何の経験も無い俺が出来る訳がない!」と辞退しようとすると、「心配しなくてもサポートは皆でするから、心配しないで」と押し切られてしまった。当時のメキシコは国産化率という規制があって、多しか50%以上だったか国内生産をする必要があった。落札当時計画していた内製品目では国産化率を達成できない事が分かり、其の為、当初日本から輸入する予定であったリアクターに白羽の矢が当り、内作する必要が発生した訳だ。








 次の日から、リアクターを生産するための、勉強が始まる。元々内燃機関に興味があって、電気系の知識などほぼ皆無に等しい俺の事とて、説明されても頭に入らない。先ず、リアクターそのものの機能を理解する事から取り掛かった。一カ月ほどすると、生産に必要な設備のアウトラインが見えて来たのは、暗闇に一筋の光が小さく見えた来たような、少しの進歩であったろう。リアクターにも色々な種類があるが、この工場で必要なリアクターは、U字型に曲げた銅の角棒にガラス繊維で出来た帯を巻き付けて行き、それを、含侵タンクに入れて、絶縁処理を施しその後組み立てる。大まかに言えばそういう製造過程だ。
100万PV連発のコラムニスト直伝 「バズる文章」のつくり方
大雑把には、銅の角材を曲げる機械、巻き線機、真空含侵タンク、が挙げられる。その中で非常に苦労したのが含侵タンクであった。そういっても、ピンとこないと思うので、簡単に説明すると、真空含侵というのは、ガラス繊維を巻いた部品をタンクの中に入れて、絶縁材の液体を流入しガラス繊維に浸み込ませることを云う。粘性の高い液体なので、タンクへ投入時気泡が出来るので、真空引きして気泡を抜く装置の事だ。









日本から図面が送られてきたが、先ずはその図面をメキシコでどの様に作るかの部品展開から始まる。各部品ごとに、購入品、外注品、内作品と振り分け作業が最初の仕事。つまり、部品ごとに、これは購入できる。これは外注出来る、内作は外注出来るがコストが高い、メキシコで入手出来ないと割り振って行く仕分け作業。
 一応、品目を夫々振り分けたリストを作成し、上司の承認を得る迄3ヶ月程かかったろうか。購入品の市場調査も、当時はインターネットどころかPCも未だ出回っていない時代だったので、カタログの取寄せ、電話で質問、そのご、メーカーに出張打ち合わせと、並行して、外注用図面の設計と息ぬく暇なしの日々が購入品、外注品が揃うまで続く。内作用図面に関しても、一日一回は工場から呼び出され、手直しの指摘を受ける日々。





 設計図に関しても、一からの勉強、大学で習った製図の知識など全く役立たず。読みやすい図面の書き方、穴あけ加工もコストパフォーマンスを考慮に入れることを覚えさせられた。詰まり、穴明には色々な加工法がある。ガス切断、ボール盤加工、旋盤加工など、精度が必要なくコストが安いガス加工〜精度を求められる穴明けは旋盤加工等々、工場から呼び出され指摘をうける。「これは何で精度がいるのだ、」とか。一番記憶に残っているのは、組立図と部品図を見せられて、「組立図は非常に良く出来ているように見えるけど、この隙間でどうやってボルトを差し込むの?工具の入る隙間が無いよ」等々、当時の皆さんは本当に根気よくサポートして下さったものだ。





2023年03月05日

メキシカンラプソディー その1(アルバイトから本採用へ)

メキシカンラプソディー その1(アルバイトから本採用へ)
 話は前後するが、アルバイト期間に一番長く担当したのが、メキシコで生産するための図面のスペイン語化であった。日本語からスペイン語に翻訳するのと、材料の板厚等のサイズをoからインチサイズに変更する事と、材質もJIS規格からANCI等のアメリカ/ヨーロッパ規格に変更することで、色々と勉強させられた。 
 アルバイト勤務で半年が経った頃、上司からアルバイトを続けるのなら、取り敢えず本採用に切り替えた方が、社会保険とかも入れるからどうする?と尋ねられ、日本の景気も未だ回復していない状況もあり、取り敢えず本採用にしてもらった。本採用になった配属先は生産管理部門。相変わらず図面のスペイン語化がメインの仕事で、偶に購買部の通訳に同行する事もあった。俺の様な人手が他に居らず色んな業務(経理・総務は除く)のサポートをさせられたものだ。




 工場の建設が終わり、上司と共に工場の方へ職場移転する事となった。先ずは、住まいを引っ越さねばと思っていたら会社が出張者用にホテルを借り上げるので当面はそのホテルの部屋を使っても良いという事でラッキー!工場の敷地内にある事務所棟の生産技術部に配属となり、机を一つ与えられ、引き続き図面のスペイン語化を毎日残業しながら、進めて行く。俺一人が担当だから、残業代も制限なく体力の続く限り毎日ほぼ深夜まで作業を進めた。午後8〜9時迄は、出向者の方々も仕事をされていたがその後は一人キリで、閑散とした事務所で黙々と図面に向かう。雑音がなくなり、中断する事も無く作業が一番進んだ時間帯であった。ホテルへ戻ると冷たい残り物の夕ご飯を食べて寝たと思ったら直ぐ朝のハード勤務。今風に言えばブラック企業になるのかも。でも、図面の書き方とかの勉強にもなるし、残業代も多く貰えるし全然苦痛ではなかった。





 工場に勤務して、殆ど図面のスペイン語化も仕上がって来たので、残業も2時間位になってきた。出向者や出張者の人とホテルで夕ご飯を食べ乍ら、色々社会勉強になる話を聞かせて貰うのが夜の楽しみとなった。当初は身の上話、職場での失敗談や経験談など。工場立ち上げの為の精鋭が来られて居たので、それはそれは、話が尽きることも無く、耳学問の宝庫で、仕事のやり方、進め方など色々本当に為になったのを思い出す。
 又、職場で時間の余裕が出て来たので、工場の方へブラブラと気分転換がてら向かう。工場稼働前に現地の作業者の育成で来られて居る色々な専門職の工員さんに、邪魔にならないようにして、色々と機械の特徴とかを教えてもらう。旋盤、スライス盤、ボール盤、フライス盤等々、夫々の機械の加工の特徴を教えてもらった。何が何処で役に立つか分からないもので、次に説明する業務の担当に大いに役立つ事となった。






2023年03月01日

メキシコに定住するまでの経緯-その6(アルバイトとスペイン語の勉強)

親友に何が食べたいと聞かれ、ハンバーグ以外なら何でもということで、メキシコの定食屋へ連れて行ってもらった。スープとメインのミートボールをトマトスープで煮込んだ料理。ミートボールの中には茹で卵の1/4が入っており、辛いのを除けば美味しかったのを思い出す。その後、親友の大学時代の先輩の所へ向かい、メキシコ市に滞在中は、アルバイト先や住居などを探すのに何かと相談に乗ってもらえることとなり大いに安心する。スペイン語は親友の大学に留学した女性を紹介してもらい、個人レッスンを受けることとなった。週3回、月水金ワンレッスン2時間で予習復習を含めて結構猛勉強した。
 ホテル住まいも幾ら安ホテルといっても長期滞在になると相当な出費となるので、友人の先輩のアパートに居候させてもらう事になり、その後、民芸品で知り合った友人たちとアパートをシェアして済むようになった。
 アルバイトはメキシコ民芸品店で日本からの旅行者が買いに来る時だけアテントをする臨時店員、スポットのパートタイムを取り敢えず友人の先輩に紹介してもらい少しでも持ち金を使わないように努める。この店で知り合った同じようなバックパッカーと休日を過ごしたり、色々情報を得たりと最初の一ヶ月くらいは暮していたが、彼らの浮草的な生活スタイルと、少ない稼ぎの民芸品店のアルバイトにもう少し地に足の着いた仕事がないかと思っていた矢先、友人の先輩が勤務している某商事会社に、出張で来ていた某重電メーカーの技術者(Y氏)と知り合い、休日はその技師に食事など色々とお世話になっていたが、アルバイトの件で別の仕事を探していると自然と口から出て来た。


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 運の良い事に偶々同じ重電メーカーの別部門がメキシコ地下鉄の大量受注を落札し人手が居るからアルバイトで雇ってもらえるかも知れないという事になり、早速、駐在員の方を紹介してもらう事になった。その後、現地会社に社長として来られていた、S氏に引き合わされ、簡単な口頭と筆記の試験を受け、メキシコシティについて、約2ヶ月が経過し、スペイン語の猛勉強のお蔭もあって、採用となる。これが、俺のメキシカン・ラプソディーの始まりであった。
 会社勤務の当初、一応工学部卒という事で、技術系の部門へ配置となり、プロジェクトの為の工場建設の為に出張に来ておられたエンジニアの方の通訳業務を暫く任される。その当時は続々と各部門から色々な方々が出向もしくは長期出張でメキシコに到着され、ガランとしていた社屋に活気があふれて来た。地方にある工場建設用地へ建設技師の方のお伴をしていくと、土地の整地をしている最中であったが、当時アルバイトとして採用されていた俺が、まさか工場建設後にそこに勤務する事になるとは思いもしなかった。まぁ、大学を出たばかりで、社会経験もない俺は、怒鳴られっぱなし。
 工場建設が始まって建設技師の方が工場近くのホテルへ宿泊地を既に移られていた時のことだが、朝一番に突然電話がその人から掛って来た。「お前、建築資材の件でサイトに到着する時間をしっかり決めなかっただろ!おかげで深夜に呼び出されて大変だったんだぞ!、今度ドジったら、次回からはお前が材料荷下ろしに来い、俺は行かないからな」と大変な剣幕で身がすくむ思いだった。電話の後、当時の上司に半分諫められ半分慰められた。兎に角、毎日が勉強々々。















2023年02月06日

メキシコに定住するまでの経緯-その5(メキシコシティーのホテル滞在)

タクシーのチケット売り場でソカロとだけ言いソカロまで行く。メキシコシティーのソカロは大聖堂(キリスト教会)とその正面に市庁舎の建物が入りされている。ソカロは中央広場とでも訳せばよいのか何所の小さな村までもソカロが有り、教会とその正面に役場の建物が配置される構図は同じだ。


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ベンチに座って地図を拡げこれから向かうホテルを探していると、地図を眺めている足先に二人の足が立ち止まるのが見えた。スワ“物取り”かと思いきや、カナダから旅をしている青年二人で、ホテルを探しているのなら彼らのホテルに来ないかと勧められたが、親友との待ち合わせがあるホテルに宿泊する事を伝え、暫らく情報を聞いたのち、目的のホテルへ向かう。安ホテルではあるが割と清潔で俺のような旅行者が多かった。夜、久しぶりに風呂へ入ろうと共同のシャワー室を使うが、FとCのマークが入った蛇口のどちらが湯なのか判らず、交互に蛇口をひねるが湯は出てこない。仕方ないので水で体を洗い、別途に潜り込む始末。
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翌朝8時ごろ空腹で目が覚める。ホテルから外に出た途端、日本の秋風のような爽やかな風にスカッとした気分となった。朝食を取れるレストランを探すも、日本の様な小ケースにサンプルが有る訳でも無く、スペイン語が分からなければ、注文する料理も分らないし、スイカ事件もトラウマで、入る勇気がなく暫く街中を歩いていると、結構屋台が道路わきで営業している事が分かった。ジュースを打っている店や、タコスを売っている店があるが、タコスは良く分からないので、ハンバーグの絵のある屋台に立つ。身振りでハンバーグの絵を指し、身振りで飲み物を尋ねられて、「コカ・コーラ」と言ってみたら、「コカ?」と言われて、コカ・コーラがコカということが分かった。取り敢えず空腹を満たし、ホテルに戻り頭が回ってきたところで、ある程度スペイン語を話せなければ食事も満足に食べれないと思案する事となる。
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親友がホテルに尋ねて来るまでの約一週間、其処の屋台でハンバーグとコカ・コーラで済ます事になる。又、物価が日本で得た情報の倍はする事がわかり、持ち金では半年持つかどうかという事に、アルバイトの必要性があり、親友が来るまでの間、色々と考えることも多く、退屈なことはなかった。
その後、親友がホテルに尋ねて来たので、先ずは、食事につれて行ってもらう。彼は大学時代にスペイン語クラブに居ただけあってスペイン語が堪能で、頼もしい限りであった。

メキシコに定住するまでの経緯-その4(陸路でティファナ〜メキシコシティーへ)

バスが出発して最初に驚いたのは、走り始めて直ぐガソリンスタンドで給油を始めた事だ。最初のカルチャーショックというか。。段取りとか準備の考えが無い。これは40年経った今でもあまり変わらない。30分程で給油が終わりやっと走り出した。バスに同情したギリシアから来たという若者と片言の英語で会話をする。彼はメキシコのベラクルスへ親戚を訪ねて行くが一緒に行かないかと誘われるが、メキシコシティーで遊学中の親友と待ち合わせているので、辞退した。安心したのかいつの間にか眠ってしまう。夕日が沈む頃バスは止まった。国境付近の検問所で乗客全員降ろされ手荷物検査とパスポートなどの身分証明書で本人確認。日本と又違う二回目のカルチャーショックに遭遇した。後から分かった事だが、特に米国で買ったラジカセ等の税金を払うか没収されるかというのが目的であった。俺はそういうものは持っていなかったのですんなりとバスに戻ることが出来た。夕闇の中を再びバスは走り出す。

当時の長距離バス

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排気音が爆音で(多分マフラーが短い)何もかも日本と違うことや、人家のない平原の中、月夜に照らされた何処までも続く道路脇の柵を眺めていると、北海道で見た景色がちっぽけに思え、本当にメキシコへ入国したのだと実感が湧いてくる。夜半にバスは道路わきのレストランに停車する。どうやら30分程休憩すると、ギリシャの若者が説明してくれた。彼はスペイン語が分かるようだ。レストラン内に入るが食欲がないので、スペイン語でも通じるコーヒーを注文したが、煮炊きコーヒーが出てくる。所謂メキシカンコーヒー(カフェ・メヒカーノ)というやつで、シナモンと砂糖が入った甘ったるいコーヒでこれ又、驚いた。30分きっかりにバスは出るかと思いきや、小一時間してから、バスは動き出す。時間が正確で無いと、又カルチャーショック。

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三月下旬でも昼の間は半袖で過ごせるほどの気温だったが、夜半の気温はぐっと下がり、隙間風の入って来るバスは肌寒く異国の地を実感しながら、轟音を子守唄に眠ってしまう。朝まで2・3回目覚め窓から外を眺めるが、延々と続く平原と道路脇のこれ又途切れない柵の風景が月夜に照らされるだけ。一人旅の侘びしさが襲ってきた。未だ日本を離れて一ヶ月も経たないのに先が思いやられる。逆にいうと余裕が生れて来たということかも知れない。シティー迄は何も考えずに道中を楽しもうと思う。








翌朝8時ごろ、休憩の為にレストランに停車。此処でも30分の休憩とある。朝食なので適当に付近のテーブルに着席したバスの乗客と同じものを頼む。今度はほぼ30分後にバスは出発した。日が高くなると共に気温も上昇し、クーラーが欲しい位の熱い風が窓から流れ込んでくる。景色は相も変わらず単調で段々見飽きてきた。道中ウトウトしながら過ごす内に、お腹が凄く空いてきた。次のバスストップが待ち遠しくなる。
午後2時頃昼食休憩でレストランに停車。早速ギリシャの青年のスペイン語を頼りに食事を注文するが、これ又ハプニングの始まり。何が食べたいと尋ねられたので、チキン料理と言った。注文を取りに来たウェイターが青年に何度か確認している様であったし、バスの乗客も顔なじみになって居たので、コチラを見ていた。暫くしてお盆に乗せられて来た物は、半分に切られた”スイカ“が二つギリシャの青年の顔を見ると、彼はウェイターにジェスチャーで手をバタつかせてニワトリの真似をするが、その仕草に皆大爆笑
俺たちは仕方なくスイカを食べて空腹を紛らわす始末となった。バスは夕方4時ごろメキシコシティーの北ターミナルに到着。

2023年02月01日

メキシコに定住するまでの経緯-その3(陸路でロスアンゼルス〜ティファナへ)

メキシコに定住するまでの経緯-その3(陸路でロスアンゼルス〜ティファナへ)
グレイハウントのバス停の発券売り場でメキシコシティー迄と販売員のおばさんに言うと、珍しがられた。「気を付けてね〜」とエールを送ってくれた。バスは30分程でやって来たので、乗車する。客は3割くらいでがらんとしている。次の停留所から乗り込んできた見るからにヤンキーの若者が着席するなり靴下にドル札を入れている。う〜む、日本では考えられない強盗予防策だと、改めて日本は安全な事を実感すると共に、日本以外で暮らすのは中々注意する事ばかりだと考えてしまうと共に、これから先の事が又不安になって来る。バスに乗り込んだのは午前10時頃であったが、メキシコ国境側のティファナと隣接するサンイシドロの国境でメキシコの入国検査をすましバスはティファナのバス停へ昼の12時頃到着した。グレイハウントバスの黒人運転手が、聞き取りにくい早口な英語(当然ですね)で、「バスの切符はメキシコシティー迄だが、俺は此処から引き返すので、メキシコのバス会社で行ってくれ」ということでバスを降りたまでは良かったが、ここからシティー迄、言葉の通じない一人旅が始まることになる。日本に居た時に入手した情報と実際は違った点で戸惑いや、苦労をすることとなる。
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当時のメキシコの長距離バス。


バスターミナルの待合室はアメリカと違い、雑然としメキシコ人で混雑していたが、何はともあれ両替をしなくては。バス停内の両替窓口で、ドル建てトラベラーズチェックを取り敢えず100ドルだったか両替した。沢山ペソの紙幣と小銭やら補助通貨のセンタボス硬貨を受け取り何となくリッチな気分になる。しかし、スペイン語しか通じない、日本で英語を話せる日本人が少ないのと同じだ。ここで先ず第一の関門にぶち当たる。“どのバスに乗ればよい。。。。”音にしか響かないスペイン語の中でどうやってメキシコシティー行きのバスを探す?暫く途方にくれ乍ら考えていると、人間窮地に陥ると色々とアイデアが生まれるようで、「アナウンスが流れると人の動きがある」ことに目を付け、アナウンスが流れた後の人についていった。バスの乗車口でチケットを見せると、「違う」と身振りで分かり、そこで面倒ではあったが、アナウンスの度にバスを探しながら、2時間ほどで目当てのバスに乗り込むことが出来た。取り敢えずメキシコシティーまでは行けることが確実となりホッとする。
バス停も薄汚れた感じであったが、清潔でクーラーの効いたグレイハウントのバスと違い、リクライニングは潰れたシートが3分の一を占め、勿論クーラーなど効くはずもなく、アメリカのバスの中古の払い下げという感じであった。確か午後2時頃であったと思うが、一路メキシコシティーへ向かって48時間の旅が始まった。
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2023年01月29日

メキシコに定住するまでの経緯-その2(渡米)

大学を卒業する前年から第二次オイルショックの影響で日本経済が悪くなり、新卒の採用が厳しくなった事もあって、一年間スペイン語の習得も兼ねてラテンアメリカを旅しようと計画。遊学の為の軍資金を稼ぐことに時間を取られながら最後の単位習得と卒論も書き始める。大学最後の年は、人生で一番頑張ったかもしれない。
晴れて卒業できた俺は、卒業式から3日目には羽田空港(当時は成田空港は未だなかった)からロスアンゼルスへ飛び立つ。飛行機に搭乗して着席した時の、達成感とこれからの不安が入り混じった気持は、今だにあの情景と共にこの記事を書いていると思い出される。当時の飛行機では燃料補給の為ハワイでワンストップ。給油中にアメリカ入国審査を受け、空港付近を散策した事を思い出した。マダマダのんびりした時代であった。
再び飛行機に搭乗し、いよいよアメリカ本土へ。着陸時刻は確か夕方の4時前後であったと思うがロスアンゼルス空港に到着。着陸寸前の地上景色からは日本とは全く違う幅広の道路と、乗用車よりピックアップが目立つ、車といい、道路といい全て大柄な印象を受ける。ディズニーランドで遊ぶため、付近のホテルを予約しているところまでが、旅の計画で、その後は行きあったりばったりのバックパッカーとして旅を続けることになるが、先ずは、どうやって予約したホテルに辿り着けるか。。空港からバスに乗ったのは覚えているが空港バスだったのか忘れた。

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バスの中で同年代の女性と会話し、旅行する分には英語が通じそうなので、少し安心する。ホリデイインに着きチェックインを済ませてホッとしたらお酒が飲みたくなってきたので、バーに寄ってみるが、パスポートを見せろと言われ、意味が分からず部屋に戻る。緊張と疲れからシャワーを浴びたら直ぐ眠ってしまった。目が覚めてから昨日はパスポートを見せろと言われたのはビールを頼んだので、どうやら未成年者と思われたからだと気が付いた。






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実際私も試してみて暫くハマりました。

翌朝の朝食は、ルームサービスにしたがベーコンエッグと注文するも、多分スクランブルエッグか目玉焼きか尋ねられたと思うが判らず適当にYesといったら、目玉焼きが来た。この頃から楽観主義の俺も食事に悩まされる事となる。朝の9時ごろチェックアウトし、いざディズニーランドへ。夕方まで遊んだ後、ロスのダウンタウンにあるリトル東京へ向かい、夕食に日本食を食べ落ち着きを取り戻す。リトル東京内の安ホテルへ泊まり、日本人の若者から色々と旅の情報を得る。異口同音にメキシコから南米へ向かうというと、変り者のような目で見られた。まぁ、自分でも変わり者と思うから気にはしなかったが。
ホテルでアーカンソーから車で来た若者と親しくなって、色々と彼の友だちの所へ連れて行ってもらったりしながら、一週間ほど過ごしながら、心の準備を始める。その3に続く









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