フリーランスのプレゼンテーション入門

フリーランスのプレゼンテーション入門
プレゼンテーションスキルは、分野を問わず様々な状況で重宝されるものです。今回は、フリーランスの視点から、プレゼンテーションを執り行う上でのポイントを解説します。
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フリーランスのプレゼンテーションとは何か
「フリーランスがプレゼンテーションをする」という場合、新規営業開拓のそれに近く、会社内の内部メンバー同士で行われるものとは異なります。それは、フリーランスが「外部の人間」であるが故に、聞き手のクライアントとの事前の合意事項がほとんどない状態でプレゼンすることが多いからです。

そして、クライアントにプレゼンの内容を理解してもらうことはもちろんですが、最終的には「仕事の受注・完了の合意」を得る必要性が高い場合が大半です。つまり、フリーランスは、プレゼンの成果として「理解される」だけに留まらず、「受注や完了」まで到達しなければならないのです。

プレゼンの準備から実施までの流れ

プレゼンは単純に紙資料やパワーポイントを提示して、説明するだけではありません。しっかりとした事前準備のもと、当日は生き生きと実施し、実施後のフォローまで徹底しなければなりません。

準備の基本として、プレゼン内容面では、何のために(Why)、誰に対して(Who)、何を話すのか(What)をきちんと整理することです。また、どのような状況で行うのか(How)も重要になります。具体的には、場所・時間・人数・資料の形態・聞き手の立場などを踏まえた上で入念な準備をしていきましょう。

そして、実施にあたっては、必ず前日もしくは当日に事前連絡を入れることが大切です。これは、電話でもメールでも構いませんが、必ず「参加者、人数、場所、時間」などの要素に変更がないことを確認しましょう。プレゼンや打ち合わせに急な変更はつきものです。その時になって慌てないように、直前まで準備をすることが大切です。

プレゼンの導入・本論・まとめ

効果的なプレゼンの基本構造として、「導入」「本論」「まとめ」の3つのパートが存在します。

【1.導入パート】

まず、『導入』においては、(1)プレゼンの概要(2)結論を述べることで、聞き手の意識をプレゼンへ惹きやすくなります。プレゼンというのは、一般的に「長くて退屈だ」という印象が強いものです。

そこで、プレゼンの全体像として「どれくらいの内容をどの程度話すのか」ということ、そして「結論として何を言いたいのか」ということを端的に示すことで、聞き手のプレゼンに対する理解・関心を醸成し、「この先を聞いてみたい」と思ってもらうことができるのです。

【2.本論パート】

次に『本論』では、プレゼンの内容を(1)体系的に示すこと(2)簡潔に示すことが大切です。

言うまでもなく、長々と話せば聞き手の意識は途切れます。導入で掴んだ集中力を途切れさせないためには、「体系化」及び「簡潔化」を意識することが必要です。

体系化によってプレゼン内容にメリハリをつけることは、聞き手の理解を深める上で重要になります。また、プレゼンの実施後でも聞き手に強い印象を与えるものです。

そのためには、内容を分割・分類し、近い話題・テーマをそれぞれまとめることで、いくつかの大項目として提示することです。

また、プレゼン内容はできるだけ簡潔に示すことが大切です。全て詰め込みたくなるのが心情ですが、プレゼン使用のパワーポイントや資料は、できるだけ文字数を減らせると良いでしょう。

文字が多すぎると、聞き手はそちらを読み始め、話し手の言葉を聴かなくなりがちです。ですから、足りない部分は口頭説明の見込みで、敢えて簡潔に示しておくわけです。

お勧めの方法は、「プレゼンで初期配付(投影)する内容」と「実際に口頭で伝える詳細内容」の2種類を準備しておき、プレゼン終了時にそれらを合わせた資料を配付する方法です。これは、プレゼン中に聞き手の意識を惹きつけながら、実施後の内容整理を容易にできるメリットがあります。

【3.まとめパート】

そして、『まとめ』です。まとめは、時間こそ短いものの「仕事の受注・完了」を得るためには欠かせないポイントです。なぜなら、プレゼンでは、最終的にクライアントから「では、お仕事をお願いします」「これで問題ありません」と言ってもらわなくてはならないからです。

もちろん、その場で決定してくれるとは限りませんが、決定タイミングは二の次として、「プレゼンのまとめ」では積極的にアピールする必要があります。一例として、導入部分の内容をもう一度確認することから入ります。今回のプレゼンで「何を話したか」「そこから導き出される結論は何か」という点を簡潔にまとめていきます。

そして、「メリット・魅力」といった最後のひと押しに相当する部分を強く示しましょう。たくさん挙げてしまうと逆に判断がつきにくくなりますので、「最もアピールしたいこと」に限定し、ご自身のイメージをクライアントまで確実に伝えることを意識してみてください。

クライアントのYES! を引き出す

「聞き手に対して生の声を届けるのがプレゼンテーション」です。「聞き手にとって、どのように映るか」という相手目線を意識し、クライアントから「YES!」を引き出すプレゼンを実践していただきたく思います。

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