営業的アプローチを武器に心を動かす文章を生み出すWebライター

営業的アプローチを武器に心を動かす文章を生み出すWebライター
読み手に伝わる文章は、豊富なビジネス経験とプロモーション現場で学んだノウハウによって生み出されるという桂さん。取材をして人や企業の魅力を引き出すというライティングの基本を徹底的に鍛えられ、数多くの実績を残しています。何を伝えれば人や心は動くのか、多くのクライアントが彼に直接依頼する理由を探ってみました。
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プロモーションの最前線で学んだ「想いを伝える」という仕事

「この商品の魅力はどうやったら消費者に伝わるか」「どのようなプロモーションによるアプローチが最適か」を徹底して考える。1990年代前半、社会人としてのスタートは広告代理店におけるセールスプロモーションの最前線に立つ営業職でした。

大手食品会社をクライアントとして担当し、新宿駅前における大々的なサンプリングキャンペーンを展開したり、保険会社とタイアップした企画を実現させたりするなど、ユニークな試みを次々と成功させる企画営業職として注目されていました。

「クライアントが考える魅力をどう消費者へ伝えるか」「そもそもそれはホントに魅力的なのか?」「他に商品の魅力は無いのか」といったクリティカルシンキングを繰り返しながら、時にはクリエイターと対立しクライアントの「想いを伝える」ことを仕事としてきたのです。

クライアントと日々接する営業としての立場は、どちらかといえばクライアント寄りになりがち。クリエイターからは、「お前はクライアントに肩入れしすぎる」と言われたこともありました。

逆にクリエイターに対しては「お前らは広告テクニックに走りすぎる」という印象を持ちつつ、互いに譲らない議論を繰り広げたこともあります。

その後、クリエイティブ部門へ異動。そうすることでクリエイターの主張がはじめて理解でき、営業職の真意がわかるクリエイターとして実績を積んできました。

クライアントと日々ハードな交渉を重ね、何を伝えたいかを徹底的に探る営業職、想いを表現し現場で運営するクリエイターとしての仕事、その双方を経験することで仕事の幅や考え方が大きく広がったのは事実です。

スキルを活かし新たにIT分野でWeb立ち上げを担当。活躍の舞台はインターネットへ。

時は流れ、2001年に転職した会社では、関東の大手私鉄系Webメディアの立ち上げに従事しました。沿線情報サイトとして、沿線にあるショップやサービスを集めたポータルサイト的な位置づけのWebサービスです。

インターネットにおけるこのようなサイト運営はまだ黎明期であり、掲載店の開拓や取材、アピール文章の作成など、手探り状態のまま次々にタスクを処理していくような状態。

ここでもプロモーションに従事していた経験を活かし、沿線にあるショップの特徴をどうやって打ち出すかをお店のオーナーと一緒になって深夜まで考える日々が続きました。

今の時代とは異なり、「サイトを見て来店したら〇〇プレゼント」「クーポンを印刷して来店したら〇〇%オフ」というプロモーションが浸透していなかった時代。

価格以外の特徴やオーナーのお店に対する想い、地域に根差してお店をやっているという志、これら多くのことをインタビューにより引き出し、写真や言葉にすることを何百件と繰り返したのです。

クラウドソーシングで受注したクライアントから感謝の言葉が!

そして2015年。フリーライターとして独立する前、企業に勤務しながら副業的にライティング業務に携わっていました。地元の福岡を離れ20年強。そろそろUターンしたいなと漠然と考えていたころです。

クラウドソーシングのランサーズに登録し、細かなタスク業務を中心に案件をこなしていたところ、とあるプロジェクト案件に目が留まりました。それは、地元福岡で有名なもつ鍋屋のWeb文書作成プロジェクト。クライアントであるそのお店には、学生時代から帰省の度に何度も足しげく通ったお店です。

「この案件は俺のためにある!」とばかりに前のめりになって提案し、無事受注。作成したのは全8000文字を超えるもつ鍋とそのお店に関するストーリーです。

福岡を代表する名店であるそのお店の存在価値、自身の福岡愛、そしてオーナーのもつ鍋一筋で頑張ってきた歴史などなど、SEOなんて無視してたくさんの想いを込めて書いたそのストーリーは、納品の翌日にオーナーからお礼を言われるほどの評価をいただきました。

これまで社会人として培ってきた営業力、取材力、文章力などすべてを結集して臨んだ案件で高い評価をいただき、その後も継続して複数案件を任せていただいたことで、自らの経験やスキルに対する裏付けを実感し、その後のUターン&独立へとつながったのです。

クライアントや読み手の想いはどこにあるのか?

世間では、Webライターは年収が低いのではないかと噂されることもあります。真偽の程はともかく、その噂は半分当たっていて半分は間違いだと言えます。

確かにいくつかある案件は、取材を必要とせずキーワードの羅列で完了するものもあります。そのような案件ばかりだと、安い単価で量をこなす働き方となりお金にはなりません。

そうではなく、20年以上の社会人経験を持つWebライターとしては、いかにクライアントの真意を計り気持ちや意思のこもった文章を書けるかが勝負であると考えています。

プロモーション経験や営業経験を活かして取材を行なうことにより、クライアントの熱い想いや強い志を引き出し文章にすること。これが現在のWebライティングに対する基本的なスタンスです。

結果、現在では自ら営業をせずとも多くの仕事が舞い込んでくるようになり、ケースによってお断りせざるを得ないケースも出てきつつあります。

言葉が人を動かす、文字が想いを伝える。Webライターという仕事の面白さを日々実感しつつ、Uターンした福岡での余裕のある生活を満喫しています。

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