フリーランサーのためのお金をかけない健康管理法

フリーランサーのためのお金をかけない健康管理法
フリーランスは身体が資本。でも、つい忙しくなると身体の悲鳴を無視して、仕事に打ち込む方も多いことと思います。普段は見過ごしがちですが、体調管理はフリーランスとして良い仕事をしていくうえで、最も大切なこと。そこで、フリーランサーとして夢と希望を持ち仕事されている皆さまに向け、お金をかけなくてもできる健康管理法について解説いたします。
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「規則正しい生活」はとても重要

フリーランスは時間に縛られることがない点が長所の1つですが、こと健康管理に関しては、毎日の活動時間が定まっていないという短所にもつながります。

自分で自分を律することができるかどうかが、長くフリーランスで活躍できるかどうかにもかかってきます。

「規則正しい生活」という時点で、もうすでに拒否感を持つ方もいらっしゃると思います。ここでお勧めしたいのは、ガチガチに決められた生活ということではなく、「朝起きて、夜に寝る」 この1点だけです。

人間も含めた動物や植物の多くには「概日リズム」と呼ばれる体内時計が備わっています。動物の睡眠や摂食行動など、生理現象の多くが周りの環境に左右されることなく一定のリズム(ほぼ24時間)で起こるのは、概日リズムのおかげです。

ところが、この概日リズムはほぼ24時間というところがミソで、人間の場合は厳密にいうと24時間より少し長いのです。

眠る人

これを24時間にリセットするのが、朝日を浴びることで発生するメラトニンというホルモンです。この概日リズムが狂うと、慢性的な身体のだるさの原因となったり、「概日リズム睡眠障害」という病気になります。

「眠る時間がいつも遅く、お昼過ぎにならないと目が覚めない」という睡眠層後退症候群なども、概日リズム睡眠障害の1つです。心当たりのある方も多いのではないでしょうか?

長年にわたり昼夜逆転に近い生活を送っている方の場合は、元に戻すのに専門的な治療が必要になることもあります。

概日リズムの乱れはまた、うつ病や双極性障害などの精神疾患や高血圧・狭心症などの心血管病、がんなど、様々な病気の原因となっていることが最近の研究で次々と明らかになっています。このことからも、概日リズムを保つことの大切さがわかります。

健康に良い食事とは?

野菜ジュースを飲む女性

まずは1日3食食べることが大切です。そのためには、やはり「規則正しい生活」、特に「朝起きること」が極めて重要になります。

その次に重要なのは、「食べる内容」です。ここで気をつけたいのは、生活習慣病の引き金になる「カロリー」と「塩分」の取り過ぎです。

日本人に理想的な食事とは、昔お母さんが作ってくれたような、和食をベースとした一汁三菜の食事ですが(ちょっと塩分が多いのが玉にきず)、「そんなのはとても用意できない」という方も多いと思います。また、外食が多い方は単品料理になりがちです。

外食では、可能ならたくさんおかずのついてくる定食を注文できるとベター。それが難しい場合は、コンビニで丼ものを買うときに、一緒にサラダやヨーグルト、果物を買うことから始めましょう。

「おにぎりとラーメン」といった、炭水化物のダブル買いは避けた方が無難です。単品ものはどうしても、炭水化物でお腹を満たします。

炭水化物は身体を動かすエネルギーとなりますが、使わずに余った分は脂肪として溜め込まれます。普段座って仕事をする方の場合、食べ過ぎは肥満への第一歩です。

「塩分」についても、管理はそれほど難しくありません。外食やコンビニに行ったとき、何を食べるか迷いますよね。その時に、「あっさりした方」を選べばよいのです。

どうしてもドカ食いしてしまった、付き合いで宴会に行って食べ過ぎた、という場合もあると思います。そのようなときは、昨日食べ過ぎたなら、今日は控えめ、などという感じで、1週間単位で食べるものを調整することをお勧めします。

毎日ストイックな生活は難しいですが、1週間単位でバランスを取るのはそれほど難しくはないですよね。

適度な運動が効果的

ランニングする男女

ジムに通うなどのお金のかかることは一切不要です。誰でもできる健康管理法、それは「歩くこと」です。毎日30~1時間のウォーキングができれば理想的ですが、60分×1回歩くのと10分×6回歩くのでは、運動効果は変わらないとする研究結果が最近出てきました。

毎日まとまった60分を捻出するのは難しくても、ちょっとした買い物や遠回り、一駅多く歩くなどで10分 × 6回なら何とかなりますよね。

すぐに体重が落ちるとか、明らかに健康度が上がるというわけではありませんが、少しの運動を長年継続すると、生活習慣病のリスクを減らすだけでなく、筋力及び体力の低下を抑えることもできるとされています。

禁煙のススメ

仕事が煮詰まってイライラすると、つい煙草に手が伸びる……という方はいませんか?今回ご紹介する中で一番お金がかからないばかりか、もしかしたらお金がたまっちゃうかもしれない健康管理法が「禁煙」です。

皆さまご存知の通り、喫煙は、健康に対して明らかな危険因子となります。平成18年度厚生労働省研究班のデータによると、40歳の時点でたばこを吸っている人は、男性で約5年、女性で約4年、吸っていない者に比べて余命が短いことがわかっています。

具体的には、動脈硬化の進行による冠動脈疾患および脳卒中、ほとんどすべてのガン、慢性閉塞性肺疾患(COPD)や気管支喘息などの呼吸器系疾患、胃潰瘍・十二指腸潰瘍、歯周病、メタボリックシンドロームなどにかかる率が非喫煙者に比べて明らかに高くなります。

「とはいっても、煙草を吸わないとイライラして仕事が手につかない」というあなた!それはすでにニコチン依存症です。そうなるとご自分での禁煙は難しい場合もありますので、禁煙外来の受診をお勧めします。

かかりつけ医を持つこと

病院の診察

自分の健康は自分で守らなくてはいけないフリーランスだからこそ、毎年の健康診断は重要です。健康診断の受け方は既出ですのでそちらを参照していただきたいのですが、そこからさらに一歩進んで「かかりつけ医」を持つことをお勧めします。

「かかりつけ医」としての条件は特にありません。ふらっと行きやすい近所の内科医がお勧めです。総合病院や大病院である必要は全くありません。かかりつけ医を選ぶ一番のポイントは、「何でも相談できる」かどうか。人間同士ですので、当然相性もあると思います。

あなたを良く知り、ちょっとした体の不調を気兼ねなく相談できるかかりつけ医を持つことが、病気の早期発見・早期治療につながり、フリーランスで一番避けたい長期休業や突然の体調不良を予防することになるのです。できれば、健康診断もかかりつけ医のもとで受けておくと、さらに良いと思います。

最後に

いかがだったでしょうか? フリーランサーこそ、自分の健康は自分で守るという強い意志が必要です。いつもの習慣をほんの少し変えるだけで、健康にちょっとだけ良い生活を手に入れることができます。まずは、どれからでも良いので初めてみてはいかがでしょうか。

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