もうすぐバレンタイン! フリーパティシエに教わる簡単チョコスイーツ

もうすぐバレンタイン! フリーパティシエに教わる簡単チョコスイーツ
バレンタインデーは、大切な人に想いを届ける年に1回のチャンス。でも、毎年どんなチョコを贈ればよいのか、悩ましい問題ですよね。数々のコンクール受賞歴をもつフリーランスのパティシエ・向井 聡美さんに、簡単なバレンタインチョコの作り方を伝授していただきました。お手軽だけど、見た目はキュート。今年のバレンタインチョコはこれで決まりです!
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フリーパティシエが届ける、バレンタインチョコの簡単レシピ

賞状をもつ女性

2月14日といえば……バレンタインデー。皆さんは今年、誰にチョコレートを贈る予定ですか?

贈りたい相手はいるけれど、手作りチョコは手間がかかるし……。買うとなってもどんなチョコを選べばいいか分からない……。

バレンタインデー前の悩める女性たちにお送りする今回の企画。フリーランスのパティシエとして活躍し、2013年ジャパン・ケーキショー東京 プティ・ガトー部門優勝など数々のコンクール受賞歴をもつ向井 聡美さんに、『簡単バレンタインチョコのレシピ』を教えていただきました。

向井さんは、フリーのパティシエとして企業のレシピ開発やお店の立ち上げなどに携わる傍ら、製菓専門学校の講師も務められています。

有名パティシエでもある彼女にチョコのレシピはもちろん、フリーランスになられた経緯や、現在の活動、活躍を続けるために意識していることなどをお聞きしました。

夢を諦めきれなかったため、大学卒業後に製菓専門学校へ入学

キッチンにたつ2人の女性

― 本日は向井さんのお手伝いをさせていただきながら、フリーランスになった経緯などについてお聞きしたいと思います。

よろしくお願いします。それでは、さっそくですが生クリームを泡立てましょうか! 150g用意してください。ちなみに、生クリームは動物性で脂肪分が40%以上のものを準備してくださいね。

ホイップクリームのような脂肪分の低いものだと、泡立ちにくいので。牛乳は50 gしか使わないので、どんなものでも構いませんよ。あと、フルーツを添えると、見た目が鮮やかになります。

― 今回はイチゴを用意しました!

ありがとうございます! スイーツとイチゴの相性は抜群ですからね。その他でいうと、ラズベリーやブルーベリーなどもチョコレートと相性がいいですよ。

では、次に製菓材料用のチョコレートをレンジで溶かし、ゼラチンを水でふやかしましょう。

ハートの器

ー うわあ~。可愛らしいハートの入れ物ですね。

でしょ、でしょ! 今日はこの入れ物を使ってチョコムースを作っていきます。それでは、溶かしたチョコとゼラチン、牛乳をあわせ、かき混ぜていきましょうね。

チョコと牛乳をあわせたベースが熱すぎると、生クリームの泡が戻ってしまうので、氷水に浸しながらかき混ぜてください! また、チョコをかき混ぜる時はなるべく空気が入らないように混ぜるといいですよ。

― ところで、向井さんがパティシエを目指されたきっかけって何なんですか?

もともと、幼少期からお菓子作りが好きで。よく母に手伝ってもらいながら、作っていたんです。でも一番のきっかけは「TV チャンピオン」ですかね!

小さいころに、「パティシエ王」っていう企画を見たんですよ。番組内でパティシエたちが、まるでアート作品のような飴細工を作っていました。

当時、シュガークラフトに興味があった私は、パティシエで自分の好きなことが表現できる! って気づいたんです。

でも、まっすぐパティシエの道には進まなかった。お菓子作りは好きでしたが、仕事にしようとまでは考えていなかったんです。

高校卒業後は地元・北海道の4年制大学に入学しました。学部は経営学部。役にたつかな~っていう理由で選びました。

― いつ製菓専門学校に入学されたんですか?

大学を卒業した後ですね。夢を諦めきれなくて……。大学と製菓専門学校あわせ、計6年間の学生生活でしたが、無事卒業し、念願のパティシエになったんです。

初めて関わったコンクールは世界最高峰の舞台! 情熱にかられ自分も挑戦したくなった

ケーキづくりをする2人の女性

― さて、ムースのほうですが、ここからはホイップクリームづくりででしょうか?

そうですね。生クリームをかき混ぜていきましょう! 今回は脂肪分が少ないので、通常より時間がかかるかと思います。

泡立ち始めるまで大変かと思いますが、頑張ってかき混ぜましょう! コツは前後に反復させるように動かすこと。グルグルと円を描くよりも、早く固まっていきますよ。

ー ホイップクリームを作るのってたいへんですね! お菓子作りってけっこう身体使いますが、腕回りの筋肉とかついたりしないんですか?

ついちゃいますね。今では、男性みたいに腕に筋が出たりとか……。お店では卓上ミキサーで泡立てるので、自分の手は使わないのですが、それでも腕まわりは疲れます。

― パティシエって肉体労働なんですね(笑)。 ところで、数々のコンクールに出場されている向井さんですが、積極的に参加されるのはなぜなんですか?

製菓専門学校で学んでいたとき、指導を受けていた先生のお手伝いをさせていただいたのがきっかけです。本当に運のよいことに、初めてお手伝いしたのが世界規模の大会だったんです。

いわば、パティシエ界のオリンピックのような。もちろん、当時はお手伝いのみですが、間近で世界トップレベルの作品に触れることができました。

それで自分も挑戦してみたい! って思うようになって、大好きなクリームチーズに関するコンクールに応募してみたんです。

どうせ、全然通用しない。当たって砕けろくらいの気持ちで挑戦したら、ビックリなことに優勝しちゃって。なんというか、またまた運がいいのですが……。これをきっかけにコンクールに出場するようになりました。

― ということはコンクールでの結果が、向井さんの独立を後押ししたのでしょうか?

自信は全くありませんでしたよ。フリーランスの第1歩は、製菓専門学校で講師をしていたときに、偶然お仕事の依頼をいただいたのがきっかけでした。

でも、コンクールで結果を出せるようになったことで、業界の知り合いが増えたり、顔を覚えてもらったりする機会が増えたのは事実です。

安易な言葉ですが、人脈が広がったというか。そういった意味では、コンクール出場がフリーとしての活動を後押ししたと思います。

お客様の期待値を超え続けること。そして臨機応変な対応力をつけることが重要

ホイップクリームの泡立ちを確認する女性

― いろいろと話している間に、だいぶ生クリームが泡立ってきましたよ!

泡立ってきたらきたらそろそろホイップは出来上がりです! ただ、これはデコレーションケーキだと流れてしまうので向かないんです。そのため、デコレーションケーキの場合は、より脂肪分の高い生クリームを使ってくださいね。では、先ほどのチョコムースの元をハートの型に流し込んでいきましょう!

器に生クリームを流し込む

流し終わったら、冷凍庫で20分ほど冷やして固めます。ガチガチに固める必要はないので、こまめに確認して、揺らしても崩れないほどになれば出してもらって構いません。

― ムースを冷やしている間にお聞きしたいのですが、向井さんがフリーパティシエとして活躍し続けるために意識していることはありますか?

器に流し込んだムース

1つはお客様の期待を常に上回り続けること。製菓専門学校で講師を始めたころから意識していることです。講師ってベテランの男性パティシエが多くて、若い女性はほとんどいない。

人には先入観があるから、私が失敗すると「やっぱり、若い先生はダメだね!」って学生に思われてしまうんです。しかもひとたび失敗すると、なかなかイメージは払拭できない。

だから、いつも普通の人の4倍ほど時間をかけて準備をしていました。とにかく失敗したくなかったので、1回1回相手の期待値を超えていこうと。そのかいあって、次の年も仕事をいただくことができ、仕事の幅も広がっていきました。

2つめは「対応力」をつけること。これは私の話ではないですが、活躍されているフリーパティシエの方々を観察すると、みんな対応力に優れています。どんな状況、環境、トラブルがおきても臨機応変に対応して合格点を出すことができる。

パティシエと一言でいっても、街のケーキ屋さんで職人気質に仕事する人から、コンクールにたくさん出場し、仕事につなげる人まで様々。

各々の目標設定や方向性があるため、どれが悪いというわけではないですが、フリーで活躍するとなると、その時その時でお客様のニーズに合わせ、職人的にこだわりすぎない方がいいかもしれません。

変に頑固すぎたり、話しかけづらかったりすると、依頼する側も離れていきますからね。お客様が求めていることを瞬時に理解し、相手にあわせ対応していける力が、フリーランスでは問われるのではないかと思います。

フリーランスだからこそ、学びの機会を自らつくっていかなければならない

ムースに飾りつけを行う

― 冷凍して20分がたちましたね。そろそろ、固まったんじゃないでしょうか?

では、冷凍庫から取り出してみましょう! うん。いい感じで固まっていますね。じゃあ、最後の飾りつけを行ないましょうか。まず、かき混ぜて作った生クリームを中央に絞ります。

続いて、半分に切ったイチゴを添えます。次に、ハート型のチョコを飾りつけ最後に金粉をふると……完成です!

完成したチョコムース

― かわいい~! まさにバレンタインデーって感じのチョコムースですね。ハートの入れ物と赤いイチゴが相まって、ステキです!

喜んでもらえてホッとしました。ハート型のチョコも、赤いハートの入れ物もネットで販売されていますので、みなさんもぜひ購入してみてください! ではせっかく作ったことですし、試食してみましょうか?

― そうですね! 試食しながら最後のお話しをできたらと思います。では、いただきます!

チョコムースを試食する女性

― おいしい~! これなら、どこのご家庭でも作ることができそうですね。そういえば、昔から気になっていたんですが、パティシエさんって太ったりしないんですか?

本来は太ると思うんですが、それ以上に仕事が過酷で脂肪が燃えているのか、痩せている人が多いんです。特に街のケーキ屋さんは仕事時間が長く、朝の6時から夜遅くまで働いています。繁忙期になると全然寝ていないのではないでしょうか。

その分、幅広い業務に関わるのでケーキ屋さんでは早く技術が身につくんです。自分の店を持ちたい! 独立したい! というパティシエからするとベストな仕事場です。

彼らのすごいのは、仕事が終わったあとも遅くまで残ってケーキ作りの練習や勉強に費やしていること。すべての時間をケーキに費やしているんです。

チョコムースを手にもつ女性

― 大半のパティシエはそのような下積み時代を経ると思うのですが、一方ですぐにフリーになった向井さんはご自身の働き方をどうお考えですか?

学生や周囲の方に、自分の「フリーランス」という働き方を説明すると、羨ましがられることもあります。ですが、修行期間で得た経験や忍耐力は、その後のパティシエ人生に必ず生きてくると思うのです。

なので、修行を経験していない私はちょっとした焦りも感じています。パティシエとして大切な部分が抜け落ちているんじゃないかなと。

そこで、普段の講師やフリーとしての仕事の合間、世界大会に出場されたパティシエの方のプロ向け講習会のアシスタントをさせていただいたり、クリスマスなどの繁忙期には、お店でお手伝いをさせていただいたり、自ら学ぶ機会を作るようにしています。

がっつり修行というわけではないですが、時間を組んで勉強できるのも、ある意味フリーランスだからこそだと思います。

― これまでにないパティシエの働き方が、フリーランスだからこそ実現できるということですね。このチョコレート本当においしかったです! 今日は可愛らしいバレンタインチョコの作り方を教えていただき、ありがとうございました。

(おわり)

【 向井 聡美さんが紹介する・簡単バレンタインチョコのレシピ 】

■ 用意するもの

1、牛乳 50 g
2、ゼラチン 2 g
3、ミルクチョコレート 76 g
4、ブラックチョコレート 15 g
5、生クリーム 120 g
6、イチゴ 2個
7、ホイッパー
8、ゴムヘラ
9、しぼり袋
10、氷
11、ボール2個
12、ハート型の器
13、金箔

■ 調理の流れ

1、まず、ゼラチンを水でふやかします。
2、次に、生クリームを泡立てます。
3、ミルクチョコレートとブラックチョコレートをボールに入れ、電子レンジで溶かします。
4、溶けたチョコレートにゼラチンと牛乳を加えます。
5、4を空気を入れないように、全体がなじむまでかき混ぜます。
6、泡立てた生クリームとチョコレートを混ぜ、ハートの器に流し冷凍します。(約30分)
7、デコレーション用に生クリームを泡立てます。
8、ムースが固まったら、冷凍庫から出し、そのうえに生クリームを絞ります。
9、8のうえにイチゴとハートのチョコレートをのせ、最後に金箔をつけて完成です。

 

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