業務委託の契約書に収入印紙が必要なケースと、不要なケース

業務委託の契約書に収入印紙が必要なケースと、不要なケース
正社員雇用ではなく、案件ごとに個人と契約を結ぶ「業務委託」が行なわれるケースが増えています。業務委託の契約書は内容によって収入印紙が必要な課税文書となりますので、覚えておきましょう!
LANCER SCORE
9

業務委託とは?

業務委託とは、企業に雇用されるのではなく、企業と対等の立場で業務の依頼を受ける働き方のことです。正社員として採用するのであれば、会社は給与のほかに社会保障費を負担する必要がありますが、業務委託であれば案件ごとに定めた報酬を、プロジェクトが完了したときに支払うだけで良くなり、コストを削減できます。

フリーランスであれば在宅勤務をしている人が多いでしょう。わざわざオフィスに出勤しなくても、自宅で仕事ができるライター、デザイナー、プログラマー、CADオペレーターなどであれば、企業と契約を結んで仕事を進めたほうがお互いにメリットがあります。

しかし、プロジェクトを始める前に「業務委託の契約書」を締結しておかなければ、報酬、納期などの労働条件に対して「言った、言わない」のトラブルになりかねません。そして、業務委託の契約書は内容によって収入印紙が必要な課税文書となります。

収入印紙が必要なケースと不要なケース

業務委託には会社の受付や事務職のように、成果物を規定できない場合の「委任契約」と、プログラマー、デザイナー、ライターのように成果物が明確な場合の「請負契約」に分かれます。

このうち成果物を完成させる義務を負う「請負契約」に該当する場合は「2号文書」を作成することになり、収入印紙が必要になります。逆に「委任契約」は2号文書に該当しませんので、収入印紙は不要です。印紙税額については「印紙税法別表第 一(課税物件表)」で調べてみました。

1、契約金額の記載のある契約書(課税物件)

(1) 100万円以下のもの・・・200円
(2) 100万円を超え200万円以下のもの・・・400円
(3) 200万円を超え300万円以下のもの・・・1,000円
(4) 300万円を超え500万円以下のもの・・・2,000円
(5) 500万円を超え1,000円以下のもの・・・1万円
(6) 1,000万円を超え5,000万円以下のもの・・・2万円
(7) 5,000万円を超え1億円以下のもの・・・600万円
(8) 1億円を超え5億円以下のもの・・・10万円
(9) 5億円を超え10億円以下のもの・・・20万円
(10) 10億円を超え50億円以下のもの・・・40万円
(11) 50億円を超えるもの・・・60万円

2、契約金額の記載のない契約書・・・1通につき200円

受注金額と照らしあわせて印紙の金額をチェックしておきましょう。

継続的取引をする場合の「7号文書」にも収入印紙が必要

他にも継続的な取引を前提とした契約を結ぶ「7号文書」にも収入印紙が必要になります。7号文書の具体的な定義を国税庁のサイトで調べてみると「継続的取引の基本となる契約書(契約期間の記載のあるもののうち、当該契約期間が3月以内であり、かつ、更新に関する定めのないものを除く。)」と記載してあります。他の重要なポイントは以下です。

  • 営業者の間の契約であること
  • 目的物の種類、取扱数量、単価、対価の支払方法、債務不履行の場合の損害賠償の方法又は再販売価格を定める契約であること
  • 売買、売買の委託、運送、運送取扱い又は請負に関する取引を継続して行うための契約であること
  • 電気又はガスの供給に関する契約でないこと

上記に該当する場合は4,000円の収入印紙が必要になります。

収入印紙を貼らなかったらどうなるの?

収入印紙を貼り忘れてしまったときに、契約書が無効になるのかが気になるところですよね。収入印紙を貼り忘れることは、印紙税法に違反しているだけで、契約内容が無効になるわけではありません。

つまり会社と会社、会社と個人の契約内容は有効で、納税に関する違反をしているということです。「印紙を貼らなくてもバレないのでは?」と考えてしまうかもしれませんが、もっとも重いペナルティがあるのは、税務調査に入られたときです。

収入印紙が貼られていない契約書が発見された場合、本来必要な収入印紙の金額にプラスして、2倍に相当する合計額が徴収されます。つまり合計3倍の金額が過怠税として徴収されることになりますので、注意しましょう。

困ったときには行政書士に相談を!

なんら悪意はなく、ヒューマンエラーによって収入印紙を貼り忘れる場合もあるでしょう。

  • 貼らなければいけない収入印紙を貼っていない
  • とりあえず200円を貼っている
  • 収入印紙が必要はない契約書に貼っている

などなど、知らない間に契約書の管理が大変なことになっている場合があります。もし業務委託の契約が増え、しかも様々なプロジェクトが重なる場合には「この契約書に収入印紙は必要なの?」と疑問を感じたり、作成したあとに不安になる場合があるでしょう。

そんなときはプロの行政書士に相談をして、明確なガイドラインを確認しましょう。一度見てもらえば、その後の契約書作成に自信が持てますよ!

RECOMMEND
関連記事