旅行代も飲み会代もOK!? 確定申告で経費にできるものとは

旅行代も飲み会代もOK!? 確定申告で経費にできるものとは
フリーランスになったら、経費を活用してどれだけ節税できるかが手元に残るお金を増やすコツ! そのために何が経費で何が経費にならないのかを知っておきましょう。確定申告をする前、帳簿をつける前に、ぜひご覧ください。
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フリーランスとして働く人はどこのお店でも「領収書をください」というのがクセになっているのではないでしょうか?

たくさん領収書をもらったものの、確定申告をする際、帳簿をつける際、悩むのが「どこまで経費として計上していいの?」という点。少しでも還付金を多くもらいたいですから、経費にできるものは全部計上したいですよね。

とはいっても、ムリヤリ経費として計上して「脱税」を疑われたら、元も子もありません。そこで今回は、経費として計上できるかどうかの判断基準、さらにはOKなケースとNGなケースを具体的にご紹介していきます。

ぜひ参考にして、節税対策をしましょう!

経費になるか、ならないかを見極める3つのポイント

収入を上げるために使ったお金であるかどうか

当然ですが、仕事とは関係ない出費をしても、経費にはなりません。だから、大原則として収入を上げるために使ったお金かどうかが大切。たとえば、仕事に必要な文具を買ったお金、仕事で使った交通費などはもちろん、仕事の幅を広げるための勉強に使ったお金といった「事業拡大のための投資」に関しても経費として計上できます。

他人に「仕事で不可欠」だと合理的な根拠を持って説明できるか

仕事で使うのが経費であり、個人的な生活のために使うのは経費ではないのですが…ぶっちゃけて言えば、個人的に使ったお金をどこまで経費にねじこめるかが、節税のポイントです。言ってしまえば、自信を持って「仕事に不可欠だ」と言い切れれば、それは経費になるといえます。

たとえば、家族や恋人との食事代や、高級スポーツカーの購入費はどうでしょう? さすがに「仕事で不可欠」とは言い切れないですよね。

しかし、フリーでグルメ雑誌のライターをしている人が「良い企画を出すために、各地のレストランを食べ歩きしている」というのはどうでしょう? 仕事に不可欠だと説明できそうですよね。この場合は、食事代もレストランへの交通費も「取材費」として落とせるのではないでしょうか。

度がすぎた出費をしていないか

たとえば「出張でスイートルームに泊まった」というのは、常識的に見てスイートルームを選んだ必然性を感じません。高額な出費をした時には、その高額な出費は本当に必要だったのか?と考えてみましょう。

以上が3つのポイント。

税務上、経費となるかならないかにはっきりとした線引きはなく、すべて最終的に判断するのは確定申告をするあなた自身。そしてそれが妥当かどうかを判断するのは税務署です。

だからこそ、万が一、税務署から突っ込みが入った時でも、しっかりと根拠を説明することができるかどうかが大事になってきます。迷った時は、ぜひこの3つを判断基準にしてみてください。

経費として落とせる代表的なもの

今回は勘定科目(※1)ごとに代表的な経費をご紹介していきたいと思います。

※1 経費には種類があり、その分類を勘定科目(かんじょうかもく)といいます。確定申告でも使う分類です。とはいえ、どの経費がどの勘定項目にあたるかは、税務上で厳密な決まりはありません。自分の判断で振り分けて大丈夫です。

  • 水道光熱費…電気代、ガス代、水道代など
  • 荷造運賃…宅配便の費用など
  • 旅費交通費…電車代、バス代、タクシー代、宿代など
  • 通信費…電話代、インターネット接続料、はがき、切手など
  • 広告宣伝費…チラシ印刷費、HP作成費など
  • 接待交際費…接待や打合せにかかった飲食代、お歳暮・お中元・手土産の代金など
  • 修繕費…パソコン修理、職場の修繕など
  • 消耗品費…文具など事務用品、名刺、パソコンなど
  • 減価償却費…自動車、大型器具など10万円以上の償却費など
  • 外注費…仕事の一部を外注に委託した場合の委託費など
  • 地代家賃…仕事場の家賃および駐車場代など
  • 図書研究費…書籍代、新聞代など
  • 取材費…取材に関する経費など
  • 材料費…製作に要する材料の購入費など

OK? NG? 経費の線引きケーススタディ

では、実際にケーススタディで見ていきましょう。一緒に考えてみてください。

【Case.1】知人との飲み会にかかった飲食代

一緒に飲んだ知人が誰かというのがポイントでしょう。ただの友人との飲み会であれば、NGです。しかし、取引先との接待はもちろん、仕事の発注先となってくれそうな知人との飲み会、さらには仕事仲間との情報交換のための飲み会なら、交際費として経費になるでしょう。

ただし、交際費が膨大になる可能性がある方は、万が一、税務署に突っ込まれた時のために、参加した人たちの名前、関係、人数などを領収書に記載しておくとよいでしょう。説明しやすくなります。

【Case.2】1人で行った旅行代

「収入を上げるために行った旅行であるか?」がポイントになります。情報収集のための視察であれば、福利厚生費としてOKでしょうが、ただの観光ではNGです。視察として認められるためには、たとえば、旅先で仕事に関連する施設への取材をしたなどの証拠があれば、OK。証拠とは領収書や施設のチケットなどですね。

また観劇やスポーツ観戦なども業務上の視察・取材と言い切れるものならOKといえます。とはいえ、旅行に年に何度も行っているとなれば、税務署から突っ込みが入りやすくなりますので注意が必要。あくまで「社会通念上、妥当なもの」というのが税務上の判断基準です。

【Case.3】自宅兼オフィスの家賃・光熱費

フリーランスであれば、自宅を仕事場としているという方も多いのではないでしょうか。その場合、家賃はもちろん電気代などの光熱費も一部経費として認められます。ただし、全額はNG。家賃であれば、仕事部屋の占有面積によって計算することになっています。

仕事場とプライベートな空間を明確に分けることが難しいということであれば、家賃全額の3割くらいまでは認めてもらえるでしょう。同様に電気代や水道代も、経費にできる割合は基準を決めて統一するのが無難。自宅のうち、仕事場が2割なのであれば、電気代なども2割経費にすると良いでしょう。

【Case.4】雑誌やマンガ、新聞などの費用

これは100%OKといえるでしょう。というのも、どんな職種であれ、市場調査をしたり、本業以外の情報収集をしたりするはずだから。知識を増やすための「図書研究費」として計上できます。

【Case.5】被服代

職種、さらには所得と納税のバランスによるため、一概にOK・NGといえません。たとえば、セミナー講師であれば、人前に出る仕事なので、何着か「仕事着」として身なりの良いものを買ったという理由なら通るかもしれません。

しかしだからといって、何着もの洋服やエステ、宝石まで経費で落としていたら、いくらなんでも突っ込みが入るでしょう。たとえば、アパレルデザイナーなどであれば、研究費などとして被服代も経費で落ちるかもしれません。

【Case.6】深夜作業の時に買った夜食代

意外かもしれませんが、ワンコイン程度の少額であれば、全く問題ありません。OKです。労働意欲向上のための経費ということで「福利厚生費」として計上できるでしょう。もちろん、仕事中に飲むお茶やコーヒー代もOKです。また、仕事をするために立ち寄ったカフェでのコーヒー代もOKでしょう。

【Case.7】スポーツジムの会員費

基本的にNGでしょう。法人の場合で社員全員が使えるならOKでしょうが、個人事業主の場合は1人で楽しむことになるためNGです。ただし、スポーツジムが取引先で「どうしても会員になってほしい」と頼まれたというのなら、OKでしょう。

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