広告制作26年の元・リクルート社員は、なぜフリーランスを選んだのか。

広告制作26年の元・リクルート社員は、なぜフリーランスを選んだのか。
広告制作歴26年の越後屋さんは、バブル真っ只中でリクルート社へ入社。PCひとつで広告制作が完遂できる時代と違い、写植を経験してきた大ベテランです。若いライターさんにしてみれば、写植という言葉すら知らないかもしれません。「写真植字機を用いて、文字を印画紙やフィルムに印字して……」と聞いてもチンプンカンプンでしょう。そんな時代からクリエイターとして活躍してきた、確かな腕をもつベテランがフリーライターとしての極意を語ってくれました。
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広告制作の面白さを知ってから26年が経ちました

大学を中退後いくつかのアルバイトを経て、1989年リクルートに契約社員として入社しました。担当した仕事は新卒向け就職情報誌の企業広告制作です。主に営業との二人三脚で、採用課題を持つ企業に対し課題解決のためのプランを提案し、様々な採用広報の企画・制作を行いました。

当時の雑誌広告制作は、PCひとつで何でもできる今とは異なり、まず写植屋さんで版下を作ってもらわなければならなかった時代です。ある意味、今よりも手作り感はあったかもしれませんが、時間と手間がかかりました。

6年間リクルートで制作ディレクターとして勤務した後、高校の先輩である元電通のクリエイターが立ち上げた広告プロダクションに参加。そこでは主にSP広告のプランニングとコピーライティングを担当しました。立ち上げ当初こそ順調に依頼が入ったものの、経営者の放漫経営が原因で資金繰りが悪化、3年でプロダクションは解散となりました。

同じ時期、リクルートではエリア分社化が進み大幅な組織改革が進んでいました。たまたま再会したリクルート時代の上司から、「新会社として立ち上がったばかりのエリアリクルート各社で即戦力としての制作クリエイターを探している。良かったらプロパーとして復帰しないか」と誘われ、再入社することになりました。

入社後はリクルートが発行するHR系メディアほとんどの制作を担当。1999年3月までチーフディレクターとして勤務した後、地元宇都宮に戻りフリーライターとして独立開業しました。

自分がラクに生きられる道を探した結果がフリーランスだった

本人写真

フリーの道を選んだ理由は2つあります。ひとつはメリハリのない日常から抜け出したいと思っていたこと。リクルート在籍時、私は中途系求人情報誌・新卒向け求人情報誌ほか、膨大な数の情報誌制作を担当していました。ほぼ毎日何らかの締切りが来るという状態で、月間の超過勤務時間が200時間を超えることもしばしば。休日出勤も多く、たまの休日も疲れたカラダを休めるだけで、趣味や自己啓発に費やすことはできませんでした。

振り返ると、当時の仕事はクリエイターというより、むしろファクトリーワーカーに近かったかもしれません。効率よく膨大な制作量をこなすことが最優先で、クオリティは二の次になっていた気がします。退職直前の頃には肉体的にも精神的にも限界に近い状態になっていました。

もうひとつの理由は、東京での生活に最後まで馴染めなかったこと。私はきっと、根っからの田舎者なのでしょうね。「都会で暮らすことの息苦しさ」をどうしても払拭することができなかったのです。

クラウドソーシングを活用することで売上の安定化が実現

ランサーズに登録するまで、実は軽貨物運送のFCオーナーとライターの2足の草鞋を履いていました。ある軽貨物運送会社とFC契約を結び、宇都宮にて支店として開業。車両持ち込みのドライバーと業務委託契約を結び、ロイヤリティを頂くというものでした。本部からの仕事をドライバーに流すだけでマージンが入るならライター業務に支障はないだろうと軽く考えていたのです。

しかし、実際に開業してみると慢性的にドライバーが不足。自分が現場に出ることが多くなり、ライター業務に注力できなくなってしまいました。売上の補てんのつもりで始めたFCビジネスが本業を圧迫し、しかもトータルでの収入は減少。そんな時ランサーズを知り、FCビジネスから撤退する決意がつきました。

ランサーズにてライターとしての受注窓口を増やすことで、徐々に毎月の売上の標準化を図るように。現在、仕事の中心はコンサル契約を結んでいる企業への年間採用計画のプランニングですが、年間を通じてずっと仕事が継続するわけではありません。仕事量のバランスを取るためにもランサーズでの受注は欠かせないものとなっていますね。

自分の得意分野であるリクルーティング関連、取材記事を中心に提案しています

ランサーズにはたくさんのライターさんが登録していて、おもしろそうなプロジェクト案件には多くの提案が寄せられます。

「このプロジェクトはぜひやってみたい」

そんな案件に出会った時、皆さんはどんな提案を心掛けていますか?

確かにクライアントによっては金額の安さを重要視するでしょう。しかし、私は自分が決めた最低ライン以下の見積りはしません。経験・実績・提案内容をもとに判断してもらい、この人に任せたいと思ってもらえることを心掛けているからです。

特にリクルーティング関連、インタビュー記事の作成に関してはプロとしての実績と自信があります。裏を返せば、コピーのクオリティをわかっているクライアントとしか仕事をしたくないという思いがあるのです。

最後にひとつだけ言わせてもらうなら、クライアント・ランサーの双方がより「クリエイティブの質」にこだわるようになって欲しいと思っています。完成したプロジェクトのクオリティを競うコンテストなどが開催されたらいいですね。ランサーズを通じて、クリエイターたちが切磋琢磨する。それが今後のランサーズに期待していることですね。

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