クラウドソーシングの活用で、東北に1000人の雇用創出を|地域を元気にするランサー賞|伊藤 貴之

クラウドソーシングの活用で、東北に1000人の雇用創出を|地域を元気にするランサー賞|伊藤 貴之
岩手県で活躍する伊藤 貴之(いとう たかゆき)さん。会社員時代は、東京の大手シンクタンク勤務。一念発起し、故郷の岩手でフリーランスとして活動開始。地域の人をワクワクさせたいという想い。地域における新しい働き方の先駆者として、Lancer of the Year 2015にて『地域を元気にするランサー賞』の受賞者インタビュー。
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地域で働く人、地域で暮らす人がワクワクする社会を

 
Lancer of the Year 2015にて、地方の新しい働き方やビジネスの在り方を生み出しているランサーに贈られる『地域を元気にするランサー賞』を受賞した伊藤 貴之さん。岩手県滝沢市という、盛岡に隣接し広く山麓を抱く自然豊かな地域でランサーとして暮らしています。
 
大学卒業後、大手シンクタンクで活躍し、2014年から株式会社チイキットを立ち上げ代表に就任。ランサーとして高い実績を誇り、「ランサーズ 認定ランサー」として活躍なさっています。
 
地域で働く人、地域で暮らしている人がワクワクする社会、そして、地域の魅力に世界がドキドキする社会を創ることを目指す伊藤さん。自身が故郷である岩手に帰り、地域を元気にする取り組みを行なっています。
 

リモートワークの経験で実感した「場所にとらわれない」メリット

 
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― 『地域を元気にするランサー賞』の受賞、おめでとうございます。フリーランスのエンジニアとして、会社の代表として地域を盛り上げる活躍をなさっていますが、まず独立前の働き方について教えてください。
 
伊藤:はい。まず、このような賞をいただけたことに、お礼を述べさせてください。大変光栄に思っており、これからも、ますます地域でクラウドソーシングを盛り上げ、地域全体の活性化につなげていければと思っています。
 
独立以前の働き方、ライフスタイルについてですが、当時は新卒で入社した野村総合研究所というシンクタンクに勤めていました。平均労働時間10時間、通勤時間1時間で9時から10時ごろに出社。遅いときは22時くらいまでは残業していましたね。
 
当時、オフィスではなくサテライトオフィスでリモートワークをする機会がありました。そのときの経験で、場所にとらわれない働き方のメリットを実感しました。
 
携わっていた新規事業でR&Dが成功し、エンジニアとしてやりがいを感じる毎日でしたね。また、仕事とは別に、2013年に知人(現チイキット経営陣)と沖縄企業の観光向けアプリの開発経験を積めたのも、当時の経験で今に活きていると感じます。
 

クラウドソーシングなら実現できる、場所を選ばない理想の働き方

 
― 会社員として充実した毎日を送っていたようですが、それでも独立なさった理由はなぜでしょうか。
 
伊藤:独立したきっかけは、エンジニアとしての働き方を変えたいと考えたため。エンジニアのスキルは年齢などに関係なく、人によって100倍ほど違うと考えており、働く時間ではなく成果を評価してもらいたいと常々考えていました。その点、成果と評価が明確になるクラウドソーシングは面白いプラットフォームです。
 
また、故郷の岩手にいつかは帰りたいと思っていたこと、さらに元ヤフーの優秀なエンジニア仲間が岩手に戻っていたことも決意を後押ししてくれました。クラウドソーシングを通じて、「好きな人と好きな場所で好きな仕事をする環境」を岩手につくりたい、と心底思ったのが独立の理由です。
 
― 岩手に戻ってクラウドソーシングを活用した起業、という想いを実現なさって、手に入れた物や働き方の変化はいかがですか?
 
伊藤:働く場所を自由に選べるようになったことが一番大きな変化であり、手に入れた環境ですね。会社員時代は勤務場所に限定された働き方でしたが、クラウドソーシングの利用により、岩手にいても、東京にいた時と同じレベルの仕事をできていると思います。
 
岩手だとエンジニアのスキルを活かせる仕事がまだない上に、仕事の繋がりもまだ限られるので、クラウドソーシングがなければ起業は難しかったでしょうね。
 
また岩手で働くようになって実感するのが、人との繋がりの大切さです。東京にいた頃より強く感じるようになりました。時間を管理できるようになったので、起業塾や会合などに参加して、様々なスタートアップ企業の関係者や著名エンジニアにお会いすることができるんですね。そこで得られるインスピレーションや熱量みたいなものが、モチベーションになります。
 
会社員時代は早くプロジェクトを終わらせることに意識が向いていた部分がありますけど、今は仕事の中での様々な出会いを楽しむようになりました。
 

夢は大きく、東北で活躍するエンジニア1000人の雇用創出

 
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― 好きな場所で、好きな仲間と働けるようになったわけですが、これから先はどんなことにチャレンジしたいですか?実現したい夢や目標について聞かせてください。
 
伊藤:現在は自分を含めて、7人だけのエンジニア集団です。将来的にはこの働き方を広めていって、東北に1000人の雇用を生み出し、世界で活躍できるエンジニア集団に育てたい。自由に働くエンジニアが、1000人規模で東北にいるって素敵ですよね。
 
そのためにも、クラウドソーシングを活用したエコシステムを創出し、数多くのスタートアップ企業が地域に貢献できるようにしたいです。東京だけでなく、地方で活躍するエンジニアが増えて、地域ごとの課題を解決するシステムやソリューションが誕生し、広まっていく。そんな社会を創っていきたいと思っています。
 
― 地域でクラウドソーシングを活用するにあたって、気をつけていることですとか、前職時代の経験で役立ったことがあれば教えてください。
 
伊藤:前職時代に身に付けた、スケジュールや契約管理のノウハウがとても役立っています。多くのクライアントがクラウドソーシング上での発注経験が少ないため、プロジェクトの依頼の仕方、進め方や契約内容の精査などの点で不慣れな印象を受けることが多いんですね。
 
そこで私は、前職での経験を活かしながら、プロジェクトのゴールまでのポイントをすべて洗い出し、プロジェクトの進行を見えるようにしていることが、クライアントの満足につながるんじゃないでしょうか。
 
あとは安定受注のために、仕事の評価を上げ、発注者が依頼しやすい環境をつくることは重要ですね。ひとつの仕事を任せていただけたら、リピートして発注したくなるような成果や関係性の構築を意識しています。そうやって安定受注の基盤をつくれれば、より多くの人がクラウドソーシングで生活をしていく自信を得られるんじゃないでしょうか。
 
― 東北で1000人のエンジニアが活躍する。しかもフリーランスとして場所や時間にとらわれずに働けるって、壮大で夢のある計画ですね!是非、実現していただきたいです。貴重なお話をありがとうございました。
 
<ライター:城戸内大介/Kidouchi Daisuke>
 
伊藤 貴之 プロフィールページ
 
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