クラウドソーシングが地域活性化の一助となる|ベストコミュニティ賞|NPO法人キッズバレイ

クラウドソーシングが地域活性化の一助となる|ベストコミュニティ賞|NPO法人キッズバレイ
群馬県桐生市で活動するNPO法人キッズバレイ。地域活性化のために、若者や子育て世代の暮らしや働くことの支援を行なう。ランサーズという民間企業、桐生市という行政側を巻き込みながら、新しい働き方を広げている。Lancer of the Year 2015にて『ベストコミュニティ賞』を受賞したNPO法人の代表理事へのインタビュー。
LANCER SCORE
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NPO法人とクラウドソーシングのステキな関係。

 
Lancer of the Year 2015にて、新しい働き方を地域で取り入れ、積極的に広めようとしている法人、自治体等の団体に贈られる『ベストコミュニティ賞』に選ばれたのは、群馬県桐生市で活動するNPO法人キッズバレイ。
 
人口減少や少子高齢化、企業の市外流出など多くの問題の中で「若者・子育て世代のくらしと働くを支援して、地域経済を活性化する」ことをミッションに事業を展開するNPO法人です。
 
キッズバレイが音頭をとり、クラウドソーシングを利用した「子育てをしながら働きたい女性」に新しい選択肢を提供する、という素晴らしい取り組みに対して賞が贈られました。
 
受賞者の代表として、キッズバレイ代表理事である赤石 麻実(あかいし あさみ)さんに、受賞の喜びとこれからの取り組みをインタビュー。
 

桐生市から発信する、自分らしく暮らし働ける社会。

 
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― 2013年にキッズバレイを設立し、地域経済の活性化に取り組まれてきました。そのひとつとして、子育てをしながら働きたい女性支援の一環として、新しい働き方を取り入れ広げている実績に対する授賞です。
 
赤石:この度は私どもキッズバレイの取り組みに対して、素晴らしい賞を贈ってくださりありがとうございました。NPO法人としての使命である、若者・子育て世代のくらしと働くを支援して、地域経済を活性化する取り組みが認められたことを嬉しく思います。
 
少子高齢社会に突入した現代において、特に影響の著しい地域社会においては、若者・子育て世代が参画していくことで、大きな力になっていくと思います。一人ひとりが、その人らしく暮らし、働ける社会を実現するための施策と成功事例を桐生から発信していき、ひいては日本全国に広がっていくことを願いながら、より活動の幅を広げていく所存です。
 

地域活性に欠かせない、子育てと仕事の支援。

 
― ここであらためて、キッズバレイさんの取り組み内容についてお聞かせください。
 
赤石:2013年の11月に設立したNPO法人でございまして、群馬県桐生市を拠点にしております。「若者・子育て世代のくらしと働くを支援して、地域経済を活性化する」というミッションを掲げ、起業支援や子育て支援を中心に活動を続けてきました。
 
代表的な取り組みをご紹介させていただきますと、大きく3つの事業がございます。
 
地域で活躍する人材を“市民先生”として登用し、子どもたちにさまざまな体験型プログラムを提供する『きりゅうアフタースクール事業』。
 
仕事を「探す」のでなく、「作る」ことを目標に、環境づくりを提案・整備している『起業支援事業』。こちらは、国の創業支援計画の認定を受けています。
 
そして多くの地域で深刻な問題となっている商店街の空きスペースを活用した、コワーキング&コミュニティスペースの開設と運営です。参加者同士が交流できるカフェスタイルのコワーキング&コミュニティスペースとして、商店街の活性化に貢献していこうと考えています。
 
― キッズバレイさんの活動において、どのようにクラウドソーシングを役立てているのでしょうか。
 
赤石:キッズバレイはランサーズと2014年10月に提携し、桐生市のコミュニティー「ままのwaきりゅう」を中心に試験的に仕事の提供を開始しました。2014年末に運用を始めたのは、桐生市とみどり市内在住者を対象にした、キッズバレイ経由でランサーズの仕事を受注することができる仕組みです。
 
ここまでに上げられた成果としては、子育てをしながら働きたい女性に新たな選択肢を提供できるようになったこと。試験運用を行なう中で課題として、仕事を受けるために最低限必要なPC機材やセキュリティソフトがなく、機会を得られない人も少なくないということがわかりました。
 
今後は、桐生市内にオープンしたコワーキングスペースを桐生市と連携しながら運営し、PC機材やオフィスソフトなど、必要なインフラを整備することでより多くの人に仕事機会を提供していこうと考えています。
 
また、キッズスペースも用意し、働くママ・パパがより働きやすい環境を創り、これまでにない新しい働き方を地域に広めていきたいです。
 

働きたくても働けない、続けたくても続けられない人がいる。

 
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― 試験運用で見つけた課題に対して、早急な対策を取られているんですね。ではこの取り組みに参加した方の声をご紹介いただけるということですので、お願いします。
 
赤石:29歳、2児のお母さんからいただいたのは、「小さい子供がいて、外に働きに出たくても出られない私にとってランサーズの仕事は、自分の空いた時間を有効に使え、子育ての息抜きになります。また、孤独を感じやすい育児中でも世の中との繋がりを感じさせてくれるありがたい仕事です」
 
同じく29歳、1児のお母さんからは「梱包や組立など内職の仕事を幾つかしてきましたが、段ボールなどの置き場に困ったり希望報酬に見合わなかったりして続きませんでした。パソコンがあれば自分のペースで仕事ができるランサーズのお仕事は主婦の私にピッタリで、これならコツコツ続けていけると思います」
 
という感想をいただけました。このように、自分たちの取り組みが正しい方向に向かっていることを実感しています。素晴らしい賞をいただけたことも、活動を続ける上での励みになりますので、キッズバレイを代表してお礼申し上げます。
 
― 新しい働き方を広げていくという、目指すところはキッズバレイさんとランサーズは同じ方向にあります。これからも連携を深めながら、多くの人に自分らしく働くことを実現していただきたいですね。この度は『ベストコミュニティ賞』の受賞、おめでとうございました。
 
<ライター:城戸内大介/Kidouchi Daisuke>
 
群馬県桐生市・NPO法人キッズバレイ
 
ランサーオブザイヤー特設サイト
https://www.lancers.jp/award/

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